庭の桜、隣の犬 の商品レビュー

角田光代(著者)

2009/10/04

　どうしようもない夫婦とどうしようもないその親たち。でもうちの夫婦も私の家族もどうしょもないのでコメントしようがない。

2009/10/04

専業主婦の房子と、会社員の夫・宗二。子供のいない二人はお互い過干渉にもならず無関心でもなく、購入したマンションで普通に暮らす。ある日、宗二が会社の近くにアパートを借りたいと言う。房子は「合鍵をくれるならいい」と鍵をもらってはみたもの、場所すら聞かない・・。

普通の、本当になんの問題もない夫婦が、普通の暮らしをしている物語。小さな問題が（どこの家庭にもあるような）ところどころにあるけれど、それもさして大きな問題に発展したりしない。それなのに「離婚」の言葉が出る。そして「浮気」の影も。夫婦はいつもがけっぷちなんだなぁと思う。今日ある普通の夫婦が明日も同じ関係でいられるとはかぎらない。角田光代さんの物語はいつも主人公たちの「その後」が気になってしまうんだけどこれも本当にそう。

2009/10/07

久しぶりの角田さんの作品だったが、ああ、この感じとすぐに思えるほど、この人の作品は独特の世界になっている。登場人物たちはすごく幸せなわけではなく、どちらかというとあんまり幸せではないような印象を受けるのに、もめることや合わない点もたくさん出てくるけれど、それでもそこで普通に生きていこうとしていて、現実的なようでいて、何となく非現実的な不思議な世界だと感じる。それでも、登場人物にはなぜか愛着が持てる。幸せって、やっぱり人が決めることではなくて、自分が感じることなんだろうな。

2009/10/04

宗二と房子は夫婦だが、「いわゆる夫婦」らしくない。宗二は別に部屋を持ち、房子も思いつくと出て行ってしまうような生活。

ゼロとゼロの２人が一緒にいても何も生まれないのではと考えるようになる房子に「離婚」という文字が浮かぶ。そんな時、宗二母が再婚することになって……。

かつての暗記の天才少女という設定で、どんなふうに記憶するのかというところが興味深かった。

房子と両親のつきあい方に比べて、弟の薫の親との距離のとりかたは、いかにも男の子どもの感覚だと思った。

作成日時 2007年06月17日 10:02

2009/10/04

08年1月読　誤解だらけの収拾のつかない家族関係、こういうありそうでなさそうな微妙な空気を描くのが天才だ

2009/10/07

夫婦ってなんだろう?愛でもなく嫉妬でもない、何かもっと厄介なものを抱えて、私たちはどこへ向かうのだろう?傑作長篇小説。

2009/10/04

彼女の本の登場人物（女性）は、いつも一風変わった雰囲気で書かれているが、それは心の中で、実物はごく普通の平凡で道を歩いている平凡な人だと思う。そんな平凡な人の心の中での変わった部分の葛藤なんだろう。舞台が私の住み家であり、思わず笑って仕舞う部分も。

2009/10/04

この人の作品はこれが初めて。
う〜ん、どうなんだろう。。。
途中で読むのをやめてしまうというほどではないけど
この夫婦にあまり共感できないというか。。。
でもこういう夫婦って実際にいそう。（笑）
最後はハッピーエンドな感じでまとまっていました。

2009/10/04

なんとなく主人公の房子の気持ちが分からなくもなかった。こんな夫婦の生活スタイルもあるのだなぁと思った。

2009/10/07

うだうだしな夫婦の話。いや、いたって真面目にうだうだ。夫は別宅を作り、妻はほっつき歩く。自宅があるにもかかわらず、だ。私は夫の気持ちは解る気がする。自宅内で自分の部屋があろうと、全く離れられる場所が欲しい気持ち。家具もなんにもないスペース。夫婦ってなに？と帯にあったけど、夫婦の数だけ夫婦の形があるのは当たり前のことで、こういう夫婦もある、ということ。否定なんてしない。