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薔薇密室 の商品レビュー

4.2

24件のお客様レビュー

  1. 5つ

    7

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2020/06/08

色んな時間軸と色んな人の視点で 進んでいく物語。 戦争の怖さや残酷さも描かれてますが、 話のミステリーさに引き込まれてグイグイ読めます。 全てが明らかになったうえで もう一度じっくり読みたくなる本。

Posted byブクログ

2018/11/04

閉じ込められている、あなたも、私も、あの人も。 そんな声が薔薇の香りと共に漂う、底知れぬ幻惑小説。 第二次大戦を舞台に描かれる、独波国境の古びた僧院に隠された薔薇と融合した男、美しい畸形の少年、陰謀と策略、そして、失われた愛。 狂気と純愛を孕む圧倒的名著。 戦火で出会った少年の...

閉じ込められている、あなたも、私も、あの人も。 そんな声が薔薇の香りと共に漂う、底知れぬ幻惑小説。 第二次大戦を舞台に描かれる、独波国境の古びた僧院に隠された薔薇と融合した男、美しい畸形の少年、陰謀と策略、そして、失われた愛。 狂気と純愛を孕む圧倒的名著。 戦火で出会った少年の姿をした大人の男と薄幸の美少女とか・・・みんな好きでしょ??????分かるよ・・・。しかも最後まで巡り会えず、戦争という現実に引き裂かれたまま終演を迎えるの・・・つら・・・。 あと、ホフマンさんが本性出したときは怖かったな…鯨が嫌いになりそうだ・・・(とばっちり) 『薔薇密室』、現実の推理小説っぽさは『開かせていただき光栄です』『クロコダイル路地』っぽかった。 でも現実?幻想小説?っぽさは『伯林蝋人形館』『双頭のバビロン』『U』ぽかったな・・・。 どっちもマジで現実と虚構どっちなの?????ってオチだから・・・勿論どれもすきだけど・・・。

Posted byブクログ

2018/01/24

以前に双頭のバビロンを読んでから気になっていた作家さんでした。 くっついた双子がまた(別人だけど)登場。そういうのが好きな人なんだなーと。 薔薇と人の融合とか、素敵な設定だったけれど最終的には・・・という 突拍子がないのに納得のラストですっきりしました。

Posted byブクログ

2016/02/18

"総統の子ら"を読んでいたので、引き続き感が強いかなぁ。より幽玄的に、より幻想的に、、いやはや…薔薇のつるの様な繋がりの纏めに殺られる。でも、やっぱりこの著者の作品を読む時は、思考体力が要るなぁ♪。

Posted byブクログ

2015/03/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「物語を作る」ということをめぐる物語として現実と幻想が錯綜する中を幻惑されながら読んだ。時間かかったけど面白い。孤島の鬼ならぬ僧院の王という乱歩的な設定、欧州大戦と第二次世界大戦、大好きなテーマ。

Posted byブクログ

2014/10/02

第一次大戦から第二次大戦、ドイツとポーランド、美しい劣等体と咲き誇る薔薇、狂気か正気か、事実か物語か。歴史の間に根を張り巡らせた狂気的な物語、一体どういう物語なのか見えない中ミルカとヨリンゲルの時間を読み進める、この本の世界に没頭できるのはとても素敵なことでした。休み前日夜からや...

第一次大戦から第二次大戦、ドイツとポーランド、美しい劣等体と咲き誇る薔薇、狂気か正気か、事実か物語か。歴史の間に根を張り巡らせた狂気的な物語、一体どういう物語なのか見えない中ミルカとヨリンゲルの時間を読み進める、この本の世界に没頭できるのはとても素敵なことでした。休み前日夜からやること放置で読んでしまった…。最後のページのその向こうで、ミルカとユーリクが会えたら良いのに…というささやかな願いを残しつつ、今回は読了。また読みたい。(ハードカバーは現実的に重すぎたので、文庫で…)

Posted byブクログ

2014/04/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ちゃんと頭の中で年表を整理しながらじゃないと少し混乱する。 内容は耽美あり奇形ありで、初めての皆川博子作品だったが存分に楽しめた。

Posted byブクログ

2013/06/24

物語の創造主たる語り部が創造する世界に閉じ込められた虚と実の迷宮。そして混濁。 「物語を必要とするのは不幸な人間だ。」

Posted byブクログ

2013/05/25

いやあ、面白かったあ…! 皆川さんの長編を読むと、少年や少女が大人になることを目撃でき、立派になったという感慨と感傷めいた切なさが襲ってきて言葉にならない…! 彼らはこれからもいろんな困難に直面し、厳しい現実を突き付けられていくだろうけど、そんな針のむしろでも生き抜いていく強さが...

いやあ、面白かったあ…! 皆川さんの長編を読むと、少年や少女が大人になることを目撃でき、立派になったという感慨と感傷めいた切なさが襲ってきて言葉にならない…! 彼らはこれからもいろんな困難に直面し、厳しい現実を突き付けられていくだろうけど、そんな針のむしろでも生き抜いていく強さがあるんだ。そう感じられる強さを獲得してるんだよ。電車の中で読み終えた時思わずほう、と溜息をついてしまった。すごい物語を読んだなあ。 あらすじ: 第一次世界大戦期のドイツ。瀕死の美しき青年将校を救おうと、期せずして脱走兵となったコンラートが無我夢中で偶然駆け込んだ先は古い修道院だった。そこで薔薇と人間を融合させる研究をしている博士に出会い、脱走兵は青年将校を差し出す。失敗作元男娼の骸骨ヨリンゲルがまだ美しいままだと信じていること、生殺与奪権を持っていることに優越感を感じながら、コンラートは薔薇の世話にいそしむ。いつしか時は過ぎ、この古修道院にはハイニと呼ばれるドイツの男が着系の子供たちを囲うようになっていた。 第二次世界大戦がはじまり、ドイツによってポーランドは再び消滅する。ポーランド人のルミカは空爆を受けおびえているところを、年下の少年ユーリクに助けられた。小さいのに頼もしいユーリクが支えになった。ある日彼が本屋のお兄ちゃんであることに気付いた。あのころから何年もたっているのに姿かたちが変わらないユーリクに唖然とする。同時に本をくれたお兄ちゃんとの思い出は美しく心に響いた。しかし家族を亡くしたルミカは彼女をかばったユーリクとも離れ離れになり、写真技師のドイツ人ホフマンにかくまわれる。突然現れては消えていく本や性病に侵され身罷かったか隔離されて「いない」はずのホフマンの姉に惑わされ、何が現実なのか解らなくなっていく。ユーリクを助けたいと願う思いが前進させるのだった。 皆川さんにしては最後はややあっさりでしたが、嫌じゃない。むしろ強い衝撃で終わるのとは違う、感動がいつまでも続いた。冒頭に書いた強さを手に入れた子供たちに対する頼もしさだ。 あの人(ネタバレになるため伏てます)がまれにみる勘違い男でイラついたけど、そんなのも今の彼らなら一発殴った後にっこりわらって「ごきげんよう」なんて言ってしまう潔さがある気がする。カッコいいぞ!  物語自体もすごく面白いけれど何が一番身につまされたかというと、戦争について何も知らなかったということだ。皆川さんの本は学校の授業で教わることよりも、濃縮され臨場感を感じられる一冊でもある。 同じく敗戦国であるドイツだけれど、ドイツの戦争については本当に何も知らなかったんだなあ、とつきつけられた。かといって日本のことについてもそんなに知っているわけではないけれど…。 ヴェルサイユ条約がどんなに屈辱的だったか、列強のどんな意図が隠されていたか、フランスの強盗めいた手口、ポーランドの勃興と分解と再生と消滅との繰り返し、ユダヤ人への差別のすさまじさ、ソヴィエト兵士の残虐さ……。 特に、ポーランドって悲劇の国と言われ続けて、あのショパンなんかも怒りや悲しみをぶつけた曲が存在すると言われてるが、時代は違えどポーランドの歴史の悲惨さが伝った。もし日本が消滅してあの隣国とかあの大国とかになってしまったら、イヤだもん私だって。ポーランド人も差別されていたとは知らなかった。怠け者とレッテルを張られ、ドイツ人はアーリア人至上主義を守るため他民族の教育を制限し、制限されたがゆえに進学を許されたユダヤ人やポーランド人は必死に勉強し優秀な者となる。道理だがこれがまた反感を買う。悪循環だ。 ユダヤ人への差別はとにかく悲惨だ。別の本だけれど、あの宗教改革の火付け役、マルティン・ルターもユダヤ人は豚と同じだとか殺してもいいとかなんとか書いているとか…(皆川さん「聖餐城」)。ルターはドイツ人ですから、ホロコーストまでの反ユダヤ感情が垣間見えた。とにかくヨーロッパ全土でユダヤ人は差別され、さらにソヴィエトの活動家たちはユダヤ人が多かったのも、あの時代の反ユダヤ感情を煽ったのだ。 本当に濃密で濃厚な一冊だった。

Posted byブクログ

2013/05/24

読み始めは、ゴシックホラー風味のBL物?!かと思い、辞書並みの557ページを読み通せるか不安になったが、一章を読み終えた頃には、自分が持った印象が全くの間違いだったと気づく。そのあとは、章立てがうまいこともあってか、グイグイと読み進められた。この長さが全く苦にならなかったのは、本...

読み始めは、ゴシックホラー風味のBL物?!かと思い、辞書並みの557ページを読み通せるか不安になったが、一章を読み終えた頃には、自分が持った印象が全くの間違いだったと気づく。そのあとは、章立てがうまいこともあってか、グイグイと読み進められた。この長さが全く苦にならなかったのは、本当に驚き。 ひとつの物語と別の話とが、時代、人物が微妙に交錯しながら進み、こちらとあちらが急に混じり合ったかと思えば、「いやいや時代がおかしい」と思い…。境目があいまいになり、時代が前後し…、結局なにがなんだかわからなくなってしまい、途中からはメモを取ることに。 ファンタジーなのかと思いきや、エンディングでは、ほぼきちんと説明がつくという、ある意味ではすっきりとした展開。時代背景を踏まえながら、これほど骨太の物語をつくりあげる皆川博子はすごい。

Posted byブクログ