十八の夏 の商品レビュー
連作短編4作品 表題作は第55回日本推理作家協会賞受賞 表題作を読んで、なるほどそういう展開ですか と感じながら他作品も読みなした 連作ということでしたが、あまり感じずに読了 してしまいました
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この先生の幻想小説を先に読んでしまっていたので、ミステリーかー、ジャンルとしてはとても好きだけどどうかなーと思いつつ、もう新しい作品は出ないわけだし、と手に取る。なんかどれもほんとに好きだなぁとしみじみ思ってしまった。これ連作ミステリーか?と文庫本の裏表紙にある解説には疑問に思っ...
この先生の幻想小説を先に読んでしまっていたので、ミステリーかー、ジャンルとしてはとても好きだけどどうかなーと思いつつ、もう新しい作品は出ないわけだし、と手に取る。なんかどれもほんとに好きだなぁとしみじみ思ってしまった。これ連作ミステリーか?と文庫本の裏表紙にある解説には疑問に思ってしまう短編集だったけど、読みごたえがあった。
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恋愛をベースにちょっとしたミステリー要素を加えた読みやすい短編集。 著者は女性なのにすべて男性視点で描かれており、その心理描写が非常に巧み。 1番ミステリーっぽい“イノセントデイズ”は結末が読めてしまうのでミステリーとしてはどうかと思いますが、結末に至る登場人物の心の動きは読...
恋愛をベースにちょっとしたミステリー要素を加えた読みやすい短編集。 著者は女性なのにすべて男性視点で描かれており、その心理描写が非常に巧み。 1番ミステリーっぽい“イノセントデイズ”は結末が読めてしまうのでミステリーとしてはどうかと思いますが、結末に至る登場人物の心の動きは読み応えがありました。 “兄貴の純情”はコメディドラマにありがちで個人的にはいまいち。 全体を通してみると再読するほどではありませんが、まずまずの面白さでした。
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先日58歳の若さでお亡くなりになった光原百合さんの短編集。サインをいただいたこともあるのに読むのは本作が初めて。4篇の収録作品のうち最後の1篇以外は血生臭い事件も起こらず、男と女の日常の機微を描いた作品。とはいえ恋愛小説とまではいかず、ちょっとした謎が盛り込まれていてそれが物語の...
先日58歳の若さでお亡くなりになった光原百合さんの短編集。サインをいただいたこともあるのに読むのは本作が初めて。4篇の収録作品のうち最後の1篇以外は血生臭い事件も起こらず、男と女の日常の機微を描いた作品。とはいえ恋愛小説とまではいかず、ちょっとした謎が盛り込まれていてそれが物語のスパイスになっている。2003年のこのミス6位も納得の上質な短編集でした。 作者は尾道出身なので作中に広島市の市花?である夾竹桃の由来が出てきてちょっと親近感。 もっと早くに読んでおけばよかった。ご冥福をお祈りします。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
十八の夏と、ささやかな奇跡がよかった。野球好きなのですね作者さん。 「…誰かのために何かをするのは、その人が悲しむのを見ると自分がつらいからだ。その人が喜ぶのを見ると自分が嬉しいからだ。それでいいんだよ。ただそれを忘れちゃいけない。忘れると、自分はアンタのためにこんなにやってあげたって優越感が生まれる。なのにアンタは返してくれなかったって恨みが残る。馬鹿な話だ。…」
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ー たっぷり水を含ませた筆を走らせたような、淡い色の空。川面におずおずと戯れる日の光。向かい側の土手には五分咲きの桜並木。こちらの土手には、腰を下ろしてスケッチをする女性。 今も目に浮かぶ。風景そのものが、「はる」と平仮名で題を付けたくなる1枚の絵だった。 その絵は、もう、な...
ー たっぷり水を含ませた筆を走らせたような、淡い色の空。川面におずおずと戯れる日の光。向かい側の土手には五分咲きの桜並木。こちらの土手には、腰を下ろしてスケッチをする女性。 今も目に浮かぶ。風景そのものが、「はる」と平仮名で題を付けたくなる1枚の絵だった。 その絵は、もう、ない。空の色はあの頃より濃く、日ざしは傍若無人なほどに照りつけ、桜並木は緑の沈黙に身を包んでいる。そして一番大事だったピースが、そこからすっぽりと抜けていた。二度と取り返しのつかない形で。 ー いわゆるミステリーかと思いきや、想像と違った。 父を思う息子、息子を思う父、兄を思う弟、兄を思う妹、形は違うけれども家族が織り成すささいなすれ違いから生まれるちょっとした日常のミステリー。 素敵な文体。 感情を呼び起こす作品。全体的に切なくなる作風。
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光原さんの著作の中では、ハードな部類に入るのではないでしょうか。でも自分は結構お気に入りの一作です。 特に表題作の"色気"は素晴らしいものがあると思います。思春期の少年がオトナへと手を伸ばす、そのナイーブさ、危うさ、切なさ、ドキドキ感…この2人でなければ成立...
光原さんの著作の中では、ハードな部類に入るのではないでしょうか。でも自分は結構お気に入りの一作です。 特に表題作の"色気"は素晴らしいものがあると思います。思春期の少年がオトナへと手を伸ばす、そのナイーブさ、危うさ、切なさ、ドキドキ感…この2人でなければ成立しないような何とも表現しがたい関係。描きようによっては下劣になってしまいかねないことの成り行きを、光原さんらしい優しさがくるりと包んでくれます。心のどこかが少しだけさっくりえぐられるような、そんな感覚を味わいました。素敵、と言ったら何か違うし登場人物達に怒られそうですが、素敵な話でした。 他の作品も含めて転回が秀逸で、ミステリとしても傑作だと思います。ただ、「花」という共通テーマを抱えてはいるものの、これで「連作」と称するのはちょっと過剰かもしれませんん。
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恋愛がらみのミステリー縛りってことなのかな。 最後の話はおもしろかった。 主人公がちょっとイラっとするけど。
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第55回日本推理作家協会賞の短編「十八の夏」を含む短編集「十八の夏」を読了。「十八の夜」以外の短編は「ささやかな奇跡」、「兄貴の純情」と「イノセント・デイズ」の三編が収められている。 推理作家協会賞を取った作品とはいえ最後の作品以外では殺人事件などおどろおどろしい事件は起きない...
第55回日本推理作家協会賞の短編「十八の夏」を含む短編集「十八の夏」を読了。「十八の夜」以外の短編は「ささやかな奇跡」、「兄貴の純情」と「イノセント・デイズ」の三編が収められている。 推理作家協会賞を取った作品とはいえ最後の作品以外では殺人事件などおどろおどろしい事件は起きない。だがそれぞれの作品で鮮やかな柔らかなミステリーが展開されている。最後の作品でさえも殺人事件は既に過去のもので、主人公となる塾教師と教え子の関係の中で徐々に過去の恐ろしい事件の真相が明かされていくという軽やかな手法で読者を楽しませてくれる。 最後の「イノセント・デイズ」は長編が出来る素材のようにも思えたので、長編に是非チャレンジしてほしい気がした。
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ちょっと説明長すぎないか。最近なぜだか説明の長い話をよく読んでるような気もするから気になってしまうのか、昔いい感じにテレビ観てたらここでCMです、的な、youtube見てたら唐突に謎のCMを入れられて、しかも同じCM流しまくりだし、かつBGMに聞いてるだけだから音を聞くだけでは何...
ちょっと説明長すぎないか。最近なぜだか説明の長い話をよく読んでるような気もするから気になってしまうのか、昔いい感じにテレビ観てたらここでCMです、的な、youtube見てたら唐突に謎のCMを入れられて、しかも同じCM流しまくりだし、かつBGMに聞いてるだけだから音を聞くだけでは何のCMやってるんだかさっぱり分からんし、CMの効果あるのか、これ。それはさておき説明の長いどっかのおっさんみたいな語り口なんだけども、かつ妙に軽い口調だったりしてどうにも集中力が下がったりもしたんだけども、最後にコテコテのお話でほろりときたところで、まぁ終わりよければ全てよし、という事にしておこう。 そんな事より「十八の夏」で検索したら「淫妻三十八歳」も引っかかってて、てか絵もやばいし題名もやばいし、でも十八な事は確かで、こいつはやべーと思った。やばい多いし。
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