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長崎乱楽坂 の商品レビュー

3.7

32件のお客様レビュー

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2010/04/13

男であることの哀しさ。女でいることの哀しさ。 二度目ですけれど、一度目は、哲也叔父さんの印象が強かった気がした。すでに亡くなっていたんだけど。字面からではなく、漂う情のようなものにひしひしと胸を塞がれる。

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2010/02/24

粗悪な家庭環境で、ひたむきに成長をしていく少年のお話。 実父は事故死。叔父はやくざ。 なんともせつない。 そして、正吾は許せん!

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2011/09/18

駿と悠太の兄弟は父を亡くし母親の実家に身を寄せる。母親の実家にはヤクザ者の兄がいた。あまり一般的でない生育環境、落ち着きや安寧があまり感じられない家庭が容赦なく描写されていく。寒々しい気持ちに成るが駿が気になって読むのをやめられない。小学校に入り、中学、高校、そして退学。地方の新...

駿と悠太の兄弟は父を亡くし母親の実家に身を寄せる。母親の実家にはヤクザ者の兄がいた。あまり一般的でない生育環境、落ち着きや安寧があまり感じられない家庭が容赦なく描写されていく。寒々しい気持ちに成るが駿が気になって読むのをやめられない。小学校に入り、中学、高校、そして退学。地方の新興のやくざの盛衰とともに描かれる世界は自分と無縁であるのにもかかわらず目が離せない。末の叔父の自殺、母親の出奔、伯父が撃たれ殺される、女を離れに連れ込む話。ショッキングな事柄を淡々と書いていく吉田修一を読むことは、自分に忘れてはいけないことがあるのだと教えてくれるような気がする。たまたま自分は今その世界にいないだけであり、きれいごとばかり言っていられなくなる環境を無視はできないと胸に刻んだ。私にとって吉田修一は別格の作家です。未読の本を時折読んでいきたい。

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2009/10/04

「たまたま」やくざの家で暮らすことになった少年が、男たちの世界をどこか冷めた目で描いている作品である。 父親を事故で亡くして母親の実家で二男が仕切る三村一家に母と弟の三人で身を寄せる駿。 母親は五人兄弟の下から二番目で、長男と二男はやくざ稼業に身をやつし、姉はデパートの店員、絵を...

「たまたま」やくざの家で暮らすことになった少年が、男たちの世界をどこか冷めた目で描いている作品である。 父親を事故で亡くして母親の実家で二男が仕切る三村一家に母と弟の三人で身を寄せる駿。 母親は五人兄弟の下から二番目で、長男と二男はやくざ稼業に身をやつし、姉はデパートの店員、絵を描くのが好きだった弟は若い頃、実家の離れで自ら縊死を選んだ。 三村組といっても小さな組で、大きな組織に命運を握られており汲汲としている。 また、町の人は表面上は「三村の坊ちゃん」と愛想よくしているが、心の底では馬鹿にしているのを駿は知っている。 ある時、離れでハーモニカを吹いている駿の耳に声が聞こえる。 周りを見渡したが誰もいない。 以来、一人で過ごしていると「幽霊の声」が聞こえるようになった。 幽霊は叔父さんなのか。 駿は周りの大人たちに聞く。 亡くなった叔父さんと僕は似ているのか。 縊死した三男について、祖父は「優しいまともな子」といい、伯父たちは「気の弱い奴」と言う。 二男が身代わりに刑務所に入り、離れに新しく神戸のやくざが住むようになってから一家は変わっていく。 やがて、母親は男の後を追って家を出る。 駿は高校時代の同級生と再会し、この街を出ることにするのだが・・・。 駿は7歳頃から成人してまでの多感な頃、ともに暮らすのだが、彼らの世界から一歩、距離を置いて見つめている視点の「静」と目まぐるしく移りゆく男たちの世界の「動」のコントラストが効いている。

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2009/10/04

ランドマークと同様いまひとつ物語りに入り込めなかった 好きな宮本輝、流転の海を思わせる登場人物や情景・環境だったけど。

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2009/10/07

 一度手に取ったものの、そのときはあまり進みませんでしたが、今日、読み出して、一気読みしました。  駿、離れ、幽霊、とてもザワ付きます。

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2009/10/04

吉田さんの描く男にめっちゃ惚れる。いなくなるとこっちまで寂しいから 読者を寂しくさせるのがうまいとか思った。 この小説の中の、会話の間とか断片的な時間の流れが自分にはとてもしっくりくる。 「パレード」「熱帯魚」と同じくらいこの小説は好き。

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2009/10/04

長崎の、ヤクザな家族で育つ幼い兄弟の成長過程。短編が集まって一冊になっていて、これは特に時間の飛ばし方が上手い。一つの「章」自体の時の流れは速くないのだけど、章と章の間に時間をおいてあるので一冊でかなりの時間を読んだ気になる。何かが欠けて、何かが満たされる。それが成長というものな...

長崎の、ヤクザな家族で育つ幼い兄弟の成長過程。短編が集まって一冊になっていて、これは特に時間の飛ばし方が上手い。一つの「章」自体の時の流れは速くないのだけど、章と章の間に時間をおいてあるので一冊でかなりの時間を読んだ気になる。何かが欠けて、何かが満たされる。それが成長というものなのでしょうかね。

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2009/10/07

三村の家では毎晩が酒盛りだった。若い男どもが、風呂上りのからだに下穿き一つで出入りする大家族。男たちの肌の火照り、女たちの熱い息。駿と悠太は幼い頃から、性と暴力の渦の中にいた―少年たちに深い印象を残してゆく幾人もの男たち。強い引力を感じながらも、少年たちは、彼らとは違う男に育って...

三村の家では毎晩が酒盛りだった。若い男どもが、風呂上りのからだに下穿き一つで出入りする大家族。男たちの肌の火照り、女たちの熱い息。駿と悠太は幼い頃から、性と暴力の渦の中にいた―少年たちに深い印象を残してゆく幾人もの男たち。強い引力を感じながらも、少年たちは、彼らとは違う男に育ってゆく。

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2009/10/04

若い男たちの肌の火照り、女たちの熱い息。性と暴力の渦の中から、少年たちが切り取った、 自分なりの「男」。長崎の大家族を舞台に描く長編

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