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樋口一葉の手紙教室 の商品レビュー

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一様の手による手紙指…

一様の手による手紙指南を分析した本です。

文庫OFF

2020/07/08

樋口一葉の『通俗書簡文』なる書物のことを世に紹介したという意味では、この著者の仕事はそれなりに評価されるであろうが、著者はこの『通俗書簡文』がいかなる書物かということについて、「樋口一葉が書いた手紙の書き方の実用書である」という説明しかしていないため、実際に樋口一葉が誰かに宛てて...

樋口一葉の『通俗書簡文』なる書物のことを世に紹介したという意味では、この著者の仕事はそれなりに評価されるであろうが、著者はこの『通俗書簡文』がいかなる書物かということについて、「樋口一葉が書いた手紙の書き方の実用書である」という説明しかしていないため、実際に樋口一葉が誰かに宛てて書いた手紙が紹介されているのだろうという誤解が生じる。例えば、「え?樋口一葉って子どもさんいたっけ?」とか、「どうして返事も一緒に紹介されているんだろう?」ということがよくわからなくなってしまうのである。 個人的には、「夏の部」を読み終わるころになって、ようやく返事も含めたこれらの手紙文のすべてが、実は樋口一葉の創作であったということに気がついた次第である。 著者は「実用書である」ことは自明のこととして、詳しい説明を省略したのであろうが、これは極めて不親切なことと言わざるを得ない。

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2015/09/30

一葉が亡くなった年、明治二十九年五月に博文館から刊行された「通俗書簡文」。 その中から約半分程度を抜き出して解説したものだ。 一葉が博文館から依頼され、わかりやすくいうと「手紙の書き方」の文例を指南したもののようだ。 しかし小説と違わず、何と流麗で美しく調子のある文章だろう。 現...

一葉が亡くなった年、明治二十九年五月に博文館から刊行された「通俗書簡文」。 その中から約半分程度を抜き出して解説したものだ。 一葉が博文館から依頼され、わかりやすくいうと「手紙の書き方」の文例を指南したもののようだ。 しかし小説と違わず、何と流麗で美しく調子のある文章だろう。 現代では手紙を書くことなどだいぶ少なくなっているが、このように文章を編めたら手紙を書いてみたいものだと思う。 勿論、文語、候文で手紙を書くわけにはいかないが、最低限、礼儀を持った相手を思いやる文章を織り交ぜた手紙を書いてみたいものである。 「手紙の書き方」ということに拘らなくても、一葉の書いた例文を読むだけで、この本を読んだ価値がある。

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2012/03/27

樋口一葉の書いた手紙の指南書、『通俗書簡文』の約半分程度の手紙文と、森まゆみによる解説がセットになった本。 原著に収められた手紙の半数くらいを採録したという。 森まゆみの『鴎外の坂』が大好きで、この本を手にした。 『鴎外の坂』を読んだ時、明治の東京の自然が何と美しいことか、と思...

樋口一葉の書いた手紙の指南書、『通俗書簡文』の約半分程度の手紙文と、森まゆみによる解説がセットになった本。 原著に収められた手紙の半数くらいを採録したという。 森まゆみの『鴎外の坂』が大好きで、この本を手にした。 『鴎外の坂』を読んだ時、明治の東京の自然が何と美しいことか、と思った。 森家が上京した頃の向島あたりの描写に陶然とした。 無秩序な都市化が進み、煤けていく東京ではないものがそこにあった。 それはその頃の東京が持っていた輝きなのだと思っていた。 けれども、本書を読んで、やはりそれは森まゆみの力によるところも多いと思うようになった。 もちろん、時期的には江戸の雰囲気が色濃く残る頃。 とはいうものの、ここに書かれた明治の東京の四季の美しいこと。 そして、人々の情の細やかなこと。 そういう書簡を掬い取って編集するときに、編者の志向が多く反映したのだろうと想像する。

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2012/03/26

ちらりと→ほのかに。 何もせずに→空しゅう。 見込みのない→はかなき。 まゆみ曰く、いっそいまの私たちが、一葉時代の副詞、形容詞を積極的に取り入れて手紙を書いた方がいいのではないかと思う、と。高校生のメール文は須らく候文とすべし。そういう法律でもあると妄想できれば、日本語の力は...

ちらりと→ほのかに。 何もせずに→空しゅう。 見込みのない→はかなき。 まゆみ曰く、いっそいまの私たちが、一葉時代の副詞、形容詞を積極的に取り入れて手紙を書いた方がいいのではないかと思う、と。高校生のメール文は須らく候文とすべし。そういう法律でもあると妄想できれば、日本語の力は格段に。。

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