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公共哲学とは何か の商品レビュー

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16件のお客様レビュー

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2011/01/17

公共哲学の概観を与えてくれる入門書。 思想の発達した経緯が多くを占めていて、主張の部分はあまり厚みがない。 新書という制限のためだろうが、もう少し欲しかった。 これから公共性の概念を学ぶ人や、そういった活動を実践する人の立ち位置を確認する役割といった印象。 個人的には、実際に活動...

公共哲学の概観を与えてくれる入門書。 思想の発達した経緯が多くを占めていて、主張の部分はあまり厚みがない。 新書という制限のためだろうが、もう少し欲しかった。 これから公共性の概念を学ぶ人や、そういった活動を実践する人の立ち位置を確認する役割といった印象。 個人的には、実際に活動する人たちにはこういった理念の下に活動してほしい。こんなこと言う前に自分もやるべきですね。自戒。

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2014/10/27

[ 内容 ] 人びとの間に広まるシニシズムや無力感、モラルなき政治家や経済人、やたらと軍事力を行使したがる大国―こうした大小さまざまの事態に直面して、いま「公共性」の回復が切実に希求されている。 だがそれは、個人を犠牲にして国家に尽くした滅私奉公の時代に逆戻りすることなく、実現可...

[ 内容 ] 人びとの間に広まるシニシズムや無力感、モラルなき政治家や経済人、やたらと軍事力を行使したがる大国―こうした大小さまざまの事態に直面して、いま「公共性」の回復が切実に希求されている。 だがそれは、個人を犠牲にして国家に尽くした滅私奉公の時代に逆戻りすることなく、実現可能なものだろうか? 本書は、「個人を活かしつつ公共性を開花させる道筋」を根源から問う公共哲学の世界に読者をいざなう試みである。 近年とみに注目を集める「知の実践」への入門書決定版。 滅私奉公の世に逆戻りすることなく私たちの社会に公共性を取り戻すことは可能か? 個人を活かしながら公共性を開花させる道筋を根源から問う知の実践への招待。 [ 目次 ] 第1章 公共哲学は何を論じ、何を批判し、何をめざすのか 第2章 古典的公共哲学の知的遺産 第3章 日本の近・現代史を読みなおす 第4章 公共世界の構成原理 第5章 公共哲学の学問的射程 第6章 グローカルは公共哲学へ向けて [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

Posted byブクログ

2009/10/04

丸山真男の言う「タコツボ型」の日本の学問状況を、「ササラ型」に持っていこうという試み。筆者らが、その中心に据えようとしているのが「公共哲学」。このガイド本を片手に、思想の冒険をしてみたいな、という思い。

Posted byブクログ

2009/10/04

公共哲学の入門書としてはお勧めできる。ただし、筆者自身が「哲学」の専門家であるため、NPOなどの実践面を期待して読んだ人はガッカリするかもしれない

Posted byブクログ

2009/10/04

リベラルな文体ながら、決して普遍主義一辺倒にならない形で公共性の在り方を描いている。「活私開公」は本書のメインテーマであり、最終的な目標でもある。これは戦前戦中の「滅私奉公」や、現代の過度の個人主義(「滅公奉私」)を否定し、全体主義でも個人主義でもない、「個人を活かして公共性を作...

リベラルな文体ながら、決して普遍主義一辺倒にならない形で公共性の在り方を描いている。「活私開公」は本書のメインテーマであり、最終的な目標でもある。これは戦前戦中の「滅私奉公」や、現代の過度の個人主義(「滅公奉私」)を否定し、全体主義でも個人主義でもない、「個人を活かして公共性を作り出す」という新しい発想である。さらに筆者は、公共性を単なる公私二元論のレベルではなく、政府の公/民の公共/私的空間 という三つの段階から論じている。そしてこの「民の公共」を、古代ギリシャの時代から現代までに至るまで、思想史的になぞっていくのが本編の前半部分であり、公共哲学についての入門書としては大変分かりやすい。  また公共哲学の射程範囲を、政治・教育・宗教・自然哲学など様々な分野に横断させ、かつて科学がその根本を哲学に求めた時代の感覚を呼び起こそうとしている。特に経済分野に関しては、経済を単なる私的空間とせず、法体系との関連性から公共性を説いた点は新鮮だった。  ただ、結局の所入門書であり、300ページに満たない新書の形式ゆえか、教科書的な感触が強く残る。公共哲学という学問に興味を持つきっかけにはなりうるが、一つの実践書として見るとやや方法論が抽象的・楽観的な部分はある。日本が急速に保守化しつつある現在、本書の切り口は新鮮ではある(新鮮と感じてしまうこと自体、個人的には違和感というか、危機感を覚えてしまうのだが)。筆者の最終的な論点である「応答的で多元的な『自己ー他者ー公共世界』論」も、単なるマクロレベルでの議論に終始せず、個人が自分の所属する地域社会や職場、NPO等の中間団体、共同体など様々な領域での階層的アイデンティティを持つことでその延長線上に地球規模の市民性を自覚させるという論点で、ミクロレベルの議論も一応形をなしている。だが、個人がそういった階層的アイデンティティを持つインセンティブが一切語られていないのもまた事実である。個人が地球市民的なアイデンティティを目指す、何かの動機付けというのが、足りない気がする。正直、入門書にそんな具体的な方法を求めるのも酷だし、そんな簡単に民衆の意識を変えられるインセンティブがあったらそれはそれで困るのだが。  とはいえ、先の下流社会のように下手な議論で無駄な世論を形成するわけでもなく、公共哲学という比較的新しい学問領域を活性化するのには十分なのではないか。より具体的で深遠な方法論については、更なる文献の探索によってまかなわれるであろう。ですます口調で読みやすいこともあり、人文・社会科学系の方は一度気軽に読んでみる価値はあると思われる。

Posted byブクログ

2009/10/04

最近流行の公共哲学の全体像を掴むのに便利な入門書。しかし全体として、いわゆる政治哲学や社会哲学に偏っている感は否めない。

Posted byブクログ