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マガジン青春譜 の商品レビュー

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6件のお客様レビュー

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2016/12/16

大阪、茨木中学の卒業という接点のある川端康成と大宅壮一の「黎明期」を描いた文章。 大正後期は、やはり出版界が面白い。 簇出する雑誌。 投機的に次々と出されるベストセラー。 そしてこの時代といえば、何より円本。 そこに集まる人々のエネルギーの高いこと。 あとは、川端の変人ぶりが強...

大阪、茨木中学の卒業という接点のある川端康成と大宅壮一の「黎明期」を描いた文章。 大正後期は、やはり出版界が面白い。 簇出する雑誌。 投機的に次々と出されるベストセラー。 そしてこの時代といえば、何より円本。 そこに集まる人々のエネルギーの高いこと。 あとは、川端の変人ぶりが強烈だった。 フェティッシュな嗜好はともかく、まともでない金銭感覚とか、恐ろしく不器用な人付き合いとか。 後年、若き日の加賀まりこに、スカートを上げさせて、凝視したという話があるが、その人ならかくや、だ。 終章になって、少し抒情的な雰囲気が漂い、「ん? なにかこれ小説っぽいぞ」と思ったのは私のうかつさ。 最初から小説だったのね。

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2015/04/18

ノーベル文学賞受賞者川端康成。彼はどんな人物だったのか。その青春時代とは。そして同時期に活躍した作家達も次々と登場します。

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2013/08/15

4日で読了。学生時代に既読、読みやすい。芥川、菊池から川端、大宅まで大正期文壇の人物が生き生きと描かれ楽しい。ああ彼らも女と金に振り回された普通の若者なんだなあと。

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2011/03/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『マガジン青春譜―川端康成と大宅壮一』は、猪瀬直樹による日本近代文学評伝。川端康成、大宅壮一、芥川龍之介、菊池寛等を中心に、明治、大正の近代文学史がリアルに描かれる。 ノーベル文学賞作家川端康成と、「一億総白痴化」、「太陽族」などの造語を作ったジャーナリスト、ノンフィクション作家の大宅壮一、二人には共通点があった。二人とも同じ学校に通いつつ、同じ雑誌に投稿していた。作家を志す川端は上京し、借金を繰り返しながら文学同人と親交を深めていく。そこで出会うのが、芥川賞、直木賞、雑誌『文藝春秋』の創始者にして売れっ子作家、菊池寛である。 明治時代、著作権の概念はあまりなかったし、小説を書いて食うことは難しかった。夏目漱石は、朝日新聞の社員となって稼ぎを得ていたし、森鴎外は陸軍軍医を勤めながら、小説を書いていた。菊池寛らが活躍した時代に、ベストセラー作家が生まれてくる。 多くの文学同人は、ベストセラー作家を通俗的だとバカにしたが、菊池寛はベストセラー小説から学んだ。『真珠夫人』のヒットを飛ばし、『文藝春秋』も売れた菊池は、次第に台頭を始めるプロレタリア文学者達からブルジョワ作家と批判されるようになる。 ・・・などというように、この本では、日本近代文学が商業化していき、またプロレタリア文学が台頭してくる様子がリアルに描かれていく。 急速な近代化の果てに日本は太平洋戦争に突入するわけだが、この本では、太平洋戦争までは描かれない。川端も大宅もまだヒットを飛ばす前。名を売ること、生活費を得ることに必死な文学青年たちの青春群像が描かれる(まあ川端は借金生活当たり前なのだけど)。

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2010/05/09

 猪瀬直樹の描く、文学史。  マガジンと銘打ってるだけあって、登場人物がやたらやたら多いので、読む前に明治大正の文学史をおさらいしておくほうが、よいかも。  で、晩年の川端康成しか知らない私にとっても、びっくりな内容でした。  不思議だな、川端康成の小説からは、そういう卑屈さ...

 猪瀬直樹の描く、文学史。  マガジンと銘打ってるだけあって、登場人物がやたらやたら多いので、読む前に明治大正の文学史をおさらいしておくほうが、よいかも。  で、晩年の川端康成しか知らない私にとっても、びっくりな内容でした。  不思議だな、川端康成の小説からは、そういう卑屈さや破天荒な部分は全く感じないのに。うむ。そうやって、文学の中に自身を投影することが出来なかったことが、彼が自分で自分の幕を下ろすことになった原因なのかもしれない。  ともあれ、私は基本的に、ヒッピーとか破天荒者とか、不良とか、ヤンキーとかは、大嫌いなのだ。  人とのしての最低のルール(他人に迷惑をかけない)が守れないくせに、自分の権利ばっかり主張するのって、間違ってるだろう。  てことで、「文学」を言い訳に、おいおいなことばっかりやってる彼らに、なんだかなぁと溜息がでるのであった。  この時代に生まれてなくてよかったよww

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2009/10/04

人文学研究のつまらなさは、消費することへの軽蔑と縦型記述が原因。この本は、徹底したヨコ型記述と文学を消費する立場が描かれている点で実に新しい。

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