いまだ下山せず! の商品レビュー
冬山遭難に関する本。…
冬山遭難に関する本。冬山登山経験もなく、本書に出てくる山に登った経験もない私にはぴんとこないところがあるのは仕方がないが、遭難者を外側の視点から見ているのではなく、仲間内の視点からみて書かれているので非常に興味深い。
文庫OFF
1987年に槍ヶ岳で…
1987年に槍ヶ岳で遭難した3人パーティ。その行方不明の3人のたどったコースを推理し、捜索した岳友たちの記録です。捜索に加わった著者をはじめとするさまざまな人たちの様子や会話が事細かに書かれています。山の素人であり、土地勘もまったく無しの私には かなり読むのに時間がかかりました。...
1987年に槍ヶ岳で遭難した3人パーティ。その行方不明の3人のたどったコースを推理し、捜索した岳友たちの記録です。捜索に加わった著者をはじめとするさまざまな人たちの様子や会話が事細かに書かれています。山の素人であり、土地勘もまったく無しの私には かなり読むのに時間がかかりました。ちょっとしんどかったかな・・・。いまいち感情移入できぬままに読み進みましたが、終章の雪崩に関する記述はとても興味深く読めました。
文庫OFF
1986年年末、有明から出発、中房温泉~燕山荘~大天井岳~西岳~東鎌尾根からとりつき槍が岳~年が明けて1日に大喰岳~南岳から横尾~上高地へ下山、という計画で3人のパーティーが入山したが、予定の日を過ぎても下山してこなかった。 空陸、現地周辺捜索が繰り返されたが3人の足取りはつかめ...
1986年年末、有明から出発、中房温泉~燕山荘~大天井岳~西岳~東鎌尾根からとりつき槍が岳~年が明けて1日に大喰岳~南岳から横尾~上高地へ下山、という計画で3人のパーティーが入山したが、予定の日を過ぎても下山してこなかった。 空陸、現地周辺捜索が繰り返されたが3人の足取りはつかめず、事実上の捜索は打ち切られた。 そののち、3人が所属する、のらくろ岳友会を中心とした捜索に切り替わる。 捜索に集まった人たちは、会員はもとより遭難者の個人的な知り合いや山で出会ったという人たちなど、それぞれ家庭や仕事をこなしながら、寝る時間を削っての捜索が始まる。 その壮絶ともいえる詳細な捜索の模様の全記録だ。 作者がのらくろ岳友会の女房役ともいえる立場の方で、その都度現場現場に立ち会ったうえでの記録なので、その様子は臨場感あふれ ぐいぐい引き込まれて、いつしか自分も捜索隊のひとりになって山の中にいるような気になってくるほどだ。 3人の足取りをつかむため、その同じ時期、同じ山域に入山していたパーティーを調べ上げ、全国にちらばるそのメンバーに会いに行き証言をとるという気の遠くなるような作業の末、その証言をパズルのように組み合わせ、最有力地点が絞り込まれた。 「彼らは常念一の沢にいる!」雪渓が解け始めた4月の末、捜索隊を再編成して決死の捜索が始まった。 「早く見つかって欲しい、でも見つけたくない」対面するということは、その死を認めるということ、その心の葛藤は痛いほどわかる。 山に入ることもままならず、ただ連絡を待つしかない家族の気持ちはいかばかりか・・・
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山に魅せられた人達は強いですね。そして強くやさしい。 ぐっとひきつける文脈だと思います。おそらくそこに当時の真実があり、やさしさがあるからだとは思います。 惹きつけられ、読みました。
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冬山遭難と遺体捜索の過程を忠実に再現したヒューマン・ドキュメント。 最後の結末が気になり2日間で読み上げた。 重苦しいタイトルですが山に登る人全員に読んで欲しい本です。
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登山客が多くなるこれから。過去に氷壁などを読みその気になって日頃のトレーニングもせずに高山を人数に任せて登ろうとする年配の方々に読んでもらいたいものである。「自分は大丈夫」などとは思ってはいかんよね。 なんせ死ぬから。その場所は。
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三人は、なぜその道を選んだのか・・・ 証言により繋がる足どりと、語られる彼らの人柄。 そして捜索隊の緊張感、繋がりかけるパズル。 しかし、どうしても答えは出てこなかった。 山岳ドキュメンタリーとしてのリアル感。 人間らしさを正直に、下手な理屈などない。 文章や構成力があるとは...
三人は、なぜその道を選んだのか・・・ 証言により繋がる足どりと、語られる彼らの人柄。 そして捜索隊の緊張感、繋がりかけるパズル。 しかし、どうしても答えは出てこなかった。 山岳ドキュメンタリーとしてのリアル感。 人間らしさを正直に、下手な理屈などない。 文章や構成力があるとは思えないけれど、 のめりこんで読んでしまった。 そしてぼくは震えた。恐い、と。 生きるも死も、残させることも、自然に抱かれることも。 恐いけれど、不謹慎だけれども、 ぼくはそこにいたかった、と。 ・・山は、もうすでにぼくを、抱きかかえていたんだった。
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予備日を過ぎても下山しない『のらくろ山岳会』の3名。 『いまだ下山せず』の第1報が入ってから遺体発見までの軌跡を描いたノンフィクション。 同じ時期に北アルプスに入山したパーティの洗い出し、 洗い出したパーティからの証言収集、 得られた証言からの3人の足どりと遭難地点の特定、 ...
予備日を過ぎても下山しない『のらくろ山岳会』の3名。 『いまだ下山せず』の第1報が入ってから遺体発見までの軌跡を描いたノンフィクション。 同じ時期に北アルプスに入山したパーティの洗い出し、 洗い出したパーティからの証言収集、 得られた証言からの3人の足どりと遭難地点の特定、 雪が解けて遺体発見が不可能になる限られた時間での遺体の捜索、 元会員、前会員、家族、知り合いの山岳会員の協力を得て、 無事に遺体の回収に至る。 警察捜査が打ち切られた後、 山岳会とは、理想的にはこのように機能することが求められるのでしょう。
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冬山、怖い。 しかし、山男、山女達の凄さを改めて知りました。 自分には、、、、、、出来ない。 捜索の様子と彼らの遭難した仲間に対する思いがなんだかぎゅーっと締め付けられる感じで来てつらかった。 電車の中で涙を流しました。
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