南の島に雪が降る の商品レビュー
最初はあまり期待せずに読み始めたのだが、あまりの面白さにわずか2日で読破。 著者がニューギニアはマノクワリに行くまでの経緯に始まり、数々の戦友且つ演芸員との出会い、そして演芸分隊発足からマノクワリ歌舞伎座誕生、興行そして終戦へ、というマノクワリでの演芸がメインなのだが、さり気なく...
最初はあまり期待せずに読み始めたのだが、あまりの面白さにわずか2日で読破。 著者がニューギニアはマノクワリに行くまでの経緯に始まり、数々の戦友且つ演芸員との出会い、そして演芸分隊発足からマノクワリ歌舞伎座誕生、興行そして終戦へ、というマノクワリでの演芸がメインなのだが、さり気なく戦争下の極限状態もさらっと書いている。そのさらっと加減が、実際には相当な悲惨さを伴うはずであるのに、そう感じない。その分妙なリアリティがある。 個人的には女形が異様な人気を得ていくところが非常にコミカルで(不謹慎かも知れないが)面白かった。 また、この本では生粋の粋に触れることもできる。
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舞台は昭和18(1943)年~昭和20(1945)年、大東亜戦争の時期です。 著者の加東さんは、陸軍衛生兵として、ニューギニア戦線に赴き、当時有名な歌舞伎役者だった特性を活かし、兵隊を慰めるために、現地で個性派ぞろいの劇団を作ります。 ある日、雪の降る芝居を演じる...
舞台は昭和18(1943)年~昭和20(1945)年、大東亜戦争の時期です。 著者の加東さんは、陸軍衛生兵として、ニューギニア戦線に赴き、当時有名な歌舞伎役者だった特性を活かし、兵隊を慰めるために、現地で個性派ぞろいの劇団を作ります。 ある日、雪の降る芝居を演じることになり、紙を細かく切った雪を降らして、芝居を続けていると、客席からすすり泣きをする声が聞こえてくる・・・ 遠く離れた故郷の面影を目の前に降っている紙の雪に照らし合わせて泣いているのです。 この場面が、私にとって一番心に残る場面です。 小林よしのりさんの『戦争論』で、この本のタイトルの付いた章があります。 それを読むとイメージがつかめやすいと思います。 で、著者の加東大介さんは、俳優の津川雅彦さん、長門裕之さん兄弟の親戚で、本の中にもお二方と触れ合っているシーンが書かれていますよ。 ちなみに、私が持っているのは、ちくま文庫版です。
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舞台は昭和18(1943)年~昭和20(1945)年、大東亜戦争の時期です。 著者の加東さんは、陸軍衛生兵として、ニューギニア戦線に赴き、当時有名な歌舞伎役者だった特性を活かし、兵隊を慰めるために、現地で個性派ぞろいの劇団を作ります。 ある日、雪の降る芝居を演じること...
舞台は昭和18(1943)年~昭和20(1945)年、大東亜戦争の時期です。 著者の加東さんは、陸軍衛生兵として、ニューギニア戦線に赴き、当時有名な歌舞伎役者だった特性を活かし、兵隊を慰めるために、現地で個性派ぞろいの劇団を作ります。 ある日、雪の降る芝居を演じることになり、紙を細かく切った雪を降らして、芝居を続けていると、客席からすすり泣きをする声が聞こえてくる・・・ 遠く離れた故郷の面影を目の前に降っている紙の雪に照らし合わせて泣いているのです。 この場面が、私にとって一番心に残る場面です。 小林よしのりさんの『戦争論』で、この本のタイトルの付いた章があります。 それを読むとイメージがつかめやすいと思います。 著者の加東大介さんは、俳優の津川雅彦さん、長門裕之さん兄弟の親戚で、本の中にもお二方と触れ合っているシーンが書かれています。 (東京都在住 50代 男性)
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- ネタバレ
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これも、ずいぶん昔に読んだものです。 なにせ、旺文社文庫で持っていて、もうボロボロです。 ノンフィクションです。 ホンモノです! 実在した(する)人物もたくさん出てきます。 もう、とにかく読んでみてくれというほかはありません。 これは、ただの戦記ものではありませんよ!! 特に、演劇が好きな方には、お勧めします。 今でも、時折手に取り、ページを開きますが、 読みだすと止まりません。毎度、涙と笑いと、、、 祈りに近い思いに、心が揺さぶられます。 秀逸です!
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戦争中の南の島で、役者が劇団を立ち上げ上演する話。淡々とかいているが、つらいところで演劇が一服の清涼剤だったことがよくわかる。
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SMAPの草薙くんの舞台「瞼の母」の記事を読んで、 真っ先に思いだした本。 「瞼の母」を観て、 亡くなっていった人たちがいるって、 たくさんの人に知ってもらいたい。 ユーモラスな語り口調で、笑いもあって、 背景にある戦争との明暗のコントラストが際立つ。 加東さんが主演した同...
SMAPの草薙くんの舞台「瞼の母」の記事を読んで、 真っ先に思いだした本。 「瞼の母」を観て、 亡くなっていった人たちがいるって、 たくさんの人に知ってもらいたい。 ユーモラスな語り口調で、笑いもあって、 背景にある戦争との明暗のコントラストが際立つ。 加東さんが主演した同名の映画も観たけど、 小説の方が「暗」である戦争の部分が より分かりやすかった。
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私の祖父も、南の島で戦死したという。 物語の中で、舞台に舞い降りる作り物の雪を見て泣いた兵隊の中に、祖父を見いだすことができる。故郷を思い、家族を思いつつ、多くの方が遠い南の島に眠っていることを、私は覚えていたい。
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