ドヴォルジャーク の商品レビュー
ドヴォルザークの伝記と、作品についての解説あり。 チェコの片田舎の、肉屋と宿屋を営む両親から、後にチェコ音楽を代表する偉大な作曲家が誕生するとは。 もちろん、音楽に囲まれた環境で育ったことは当然である。 ドヴォルジャークの鉄道に関するエピソードは微笑ましい。 今でいう鉄道マ...
ドヴォルザークの伝記と、作品についての解説あり。 チェコの片田舎の、肉屋と宿屋を営む両親から、後にチェコ音楽を代表する偉大な作曲家が誕生するとは。 もちろん、音楽に囲まれた環境で育ったことは当然である。 ドヴォルジャークの鉄道に関するエピソードは微笑ましい。 今でいう鉄道マニアだ。 他の方が指摘しているように、確かにドヴォルジャークは、大きな病気や長い下積み時代の苦労を送ったというような不遇の時代はないような気がする。 ブラームスとの出逢いが運命の転機だったのだとうか。 出逢うべくして出逢った二人。 巻頭で、チェコ国民楽派が誕生するまでのチェコの音楽史を解説している点は大きい。 そのことによって、ドヴォルジャークの音楽が生まれた背景を知り、理解することができている。 随所に、当時のチェコ(プラハ)といった東側と、ウィーンといった西側の関係も説明され、ドヴォルジャークがいかにして、民族性と国際性の過渡期に人生を過ごしていたのかがわかる。 巻末では、すべての作品について、判明している作曲年、初演、出版の情報が整理されており、大変に便利である。 惜しむらくは、もう少し曲そのものの解説もほしかったが、評伝なので、いたしかたないか。
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ドヴォルジャークの伝記。 ドヴォルジャークは、いろいろあった音楽家と比べると比較的幸福な人生を歩んだようだ。下積み時代の貧乏や、オペラの度重なる失敗はあったが、大きな挫折や病気などは見あたらない。あまり「肉声」みたいなものが書かれていないからかな? プラハ(今チェコ)が、意外...
ドヴォルジャークの伝記。 ドヴォルジャークは、いろいろあった音楽家と比べると比較的幸福な人生を歩んだようだ。下積み時代の貧乏や、オペラの度重なる失敗はあったが、大きな挫折や病気などは見あたらない。あまり「肉声」みたいなものが書かれていないからかな? プラハ(今チェコ)が、意外にヨーロッパの文化文物の結節点であったことを知る。特に音楽に関してはウィーンの音楽(ハプスブルク)とスラヴの伝統的な音楽とが出会うのにいい地の利だったようだ。そういえばアメリカとチェコの融合なんかも、そういう文化的バランス感覚あってのことなのかも。
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