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信長燃ゆ(上) の商品レビュー

3.9

21件のお客様レビュー

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本能寺の変へと向かっ…

本能寺の変へと向かっていく信長を取り巻く戦国時代を描いた作品。上巻は武田氏を滅ぼす前までの様子が描かれている。読み始めは少し読みづらさを感じたが、進むにつれて没頭させられた。

文庫OFF

あまりにも有名な「本…

あまりにも有名な「本能寺の変」で、疑いようの無い「光秀実行説」に対し、「黒幕」は誰かに関しては、説得力のある作品にめぐり合うのはいつの日か・・という方に「氏の長者」近衛前久を黒幕に立てたこの作品は、限りなく真実に近づいたとお勧めできます。ただ一つ。家康の影が見えないことが気がかり...

あまりにも有名な「本能寺の変」で、疑いようの無い「光秀実行説」に対し、「黒幕」は誰かに関しては、説得力のある作品にめぐり合うのはいつの日か・・という方に「氏の長者」近衛前久を黒幕に立てたこの作品は、限りなく真実に近づいたとお勧めできます。ただ一つ。家康の影が見えないことが気がかりなのですが。

文庫OFF

2023/04/23

読んだ本 信長燃ゆ 阿部龍太郎 20230422  日経新聞の「ふりさけ見れば」を読んでいて、面白かったので買ってみました。正直新聞小説だと、前後のつながりとか登場人物がよくわかんなくなってきてしまうんですが、それを含めても、遣唐使を通じて唐や日本の王朝を描いた物語は魅力的でし...

読んだ本 信長燃ゆ 阿部龍太郎 20230422  日経新聞の「ふりさけ見れば」を読んでいて、面白かったので買ってみました。正直新聞小説だと、前後のつながりとか登場人物がよくわかんなくなってきてしまうんですが、それを含めても、遣唐使を通じて唐や日本の王朝を描いた物語は魅力的でした。史実の上にかぶせる物語が、いいんでしょうね。  ちなみに、織田信長の周辺の人物を題材にした小説って、織田信忠や松永久秀なんかを主人公にしても、結局その人の目を通した信長って話になっちゃって、主人公の人物像が見えてこないことが多いなって感じてました。信長以外の資料って当たり前だけど少ないからなんでしょうね。  この「信長燃ゆ」は、信長が主人公(なのかな?近衛前久のような気もしますが)なのに、とにかく織田信長周辺の人の人物像がはっきりしてるのがいいです。史実に載せる物語がしっかりしてるってことなんだと思います。それでいて、神になろうとした織田信長の最新の説も取り入れたりしていて。  しかし、歴史小説、時代小説って、結末がわかってるのに、なんでこんなに面白いんですかね。意識しないと、ずっと歴史小説ばかり読んじゃうんですよね。

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2022/08/14

織田信長は何故殺されてしまったのか。 朝廷を否定し、天皇を否定し、自らが神になろうとした男。数限り無い人々を殺戮。 織田信長に対し、反感をもち、近衛前久が動き始める。

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2022/05/12

実に面白かった。 信長の大きな構想=合理化を進めて日本を世界に伍していける国に=と、近衛前久の保守主義=あくまで天皇を中心に先例重視を=との対立は実に説得力があるし、だからこそやはり、信長は一代でしかあり得なかった(本能寺の変がなくとも、信長の路線は続かなかった)と納得がいく。簡...

実に面白かった。 信長の大きな構想=合理化を進めて日本を世界に伍していける国に=と、近衛前久の保守主義=あくまで天皇を中心に先例重視を=との対立は実に説得力があるし、だからこそやはり、信長は一代でしかあり得なかった(本能寺の変がなくとも、信長の路線は続かなかった)と納得がいく。簡潔な文章も魅力的。歴史小説なのに、とても現代的なものとして、非常に近いものとして感じられた。名品。

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2018/09/02

織田信長は本能寺の変で亡くなりましたが、この本は、その時に仕えていた小姓で生き延びることができた唯一の小姓の立場で書かれた本です。 二分冊の上巻では、武田氏(武田勝頼)が滅亡する直前までの出来事が書かれています。中心人物は、この本の筆者の考えである、本能寺の変の黒幕は、その当時...

織田信長は本能寺の変で亡くなりましたが、この本は、その時に仕えていた小姓で生き延びることができた唯一の小姓の立場で書かれた本です。 二分冊の上巻では、武田氏(武田勝頼)が滅亡する直前までの出来事が書かれています。中心人物は、この本の筆者の考えである、本能寺の変の黒幕は、その当時の朝廷の中心人物・近衛前久なので、彼と交際の深い武将が登場してきます。 その一人が織田信長の長男である、織田信忠で、この本を読むまでは、織田信忠とは、本能寺の変に巻き込まれて亡くなった不運な人、というイメージしかありませんでしたが、彼も偉大な父を持った二代目の苦悩を抱えていた様子が伝わってきました。二代目の苦悩をしてきた人に、武田家・豊臣家・今川家を滅亡・衰退させてしまった例がありますが、この本では織田信忠の気持ちがよく表現されていて、彼の認識を新たにしました。 また、織田信長の小姓として、黒人がいたというのは知っていましたが、彼の経歴(アフリカの一国の王家の血筋を引く)も初めて知りました。筆者の研究成果を、小説の形でよめる楽しい本です。 以下は気になったポイントです。 ・信長公の墓所といえば、大徳寺の「そう見院」や移築された「本能寺」にあると信じている人が多いようだが、阿弥陀寺こそ真の墓所である(p11) ・朝廷の権威を乗り越えようとした者(日本国王を名乗った)は、足利義満公のみである(p72) ・覆面とは、単に顔を隠すためのものではない、人がこの世ならざる者に成り変わろうとする時に身にまとう(p77) ・吉田神社は、藤原氏の氏神である春日大社の神々を勧請したもので、近衛家とのつながりも深い(p119) ・四国統一を目指す長曾我部に対して、阿波・淡路の旧主である三好康長が信長の力を借りて対抗しようとしたので、秀吉を頼り、長曾我部は光秀を頼った(p220) ・ポルトガル人が要塞を、モザンビーク・ゴアに創った狙いは、金・奴隷・香辛料であった、ポルトガル人は東アフリカで奪い取った金と奴隷をインドの香辛料と交換して、アラビア・欧州で売りさばいて利益を得た(p248) ・武士は刀で人を斬るが、公家は策を用いて人を斬る、それゆえ油断なく周囲に目を光らせ、周到な根回しをしてから公に臨む(p269) ・信長包囲網は足利義昭と言われるが、29歳まで仏門にいた、にわか将軍には無理。19歳で関白就任以来、ありとあらゆる勢力との連係を図ってきた前久が勅命をちらつかせながら根回したからこそである(p277) ・信長は神道の欺瞞、あいまいさ、仏僧どもの堕落しきった生活ぶりを許しがたく思っていたので、キリスト教を保護することでそうした勢力に脅威を与えようとした(p330) ・征服された国の民は、氏神をおとしめられ、言葉と文化と歴史を奪われ、奴隷として服従することを強いられた。こうした渦中に、神武天皇にひきいられた朝廷軍が参入した(p427) ・言葉も種族もことなる者たちを、どうしたらひとつにまとめ上げることができるかを考えたあげく、天照大御神より豊葦原の瑞穂の国を治めよと命じられて天下ったという神話の創出、その神話と史実を結びつけるための、古事記・日本書紀を編纂した。各種族をまとめ上げるために、彼らが奉じる氏神を天照大御神を中心として序列、神々の体系づけを行った(p428) ・豊臣秀吉は関白、徳川家康は征夷大将軍となり、死後に朝廷が作り上げた神々の序列に従って、豊国大明神、東照大権現となった(p429) ・朝廷が衰微して令が諸国に達しなくなると、陰陽寮(賀茂氏)で作った暦も都の周辺でしか用いられなくなった、伊勢暦・尾張暦・三島暦などがあった(p467) 2018年9月2日作成

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2017/01/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

イシュタルの娘にも出てきた近衛信基も登場する本作。 読んでみると、文章に勢いはあるのだけれど、途中で眠くなってしまった。たわけの清麻呂が語り部だけれど、 どうもその存在がかすんでしまうし、信長と晴子の仲もなんかなあ・・と。イシュタルでは晴子も堂々たる天皇の母となっているし。

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2015/11/17

この作者の本は三冊目だけれど、初めておもしろかった。 天下人に最も近く、いつも力強く、自分を信じて自信を持って歩み続けたように思える信長を、葛藤を乗り越えて逃げずに踏みとどまった寂しい人物として描きだしているのが印象的。 真面目で、意外に心遣いを示したエピソードも残した信長が確...

この作者の本は三冊目だけれど、初めておもしろかった。 天下人に最も近く、いつも力強く、自分を信じて自信を持って歩み続けたように思える信長を、葛藤を乗り越えて逃げずに踏みとどまった寂しい人物として描きだしているのが印象的。 真面目で、意外に心遣いを示したエピソードも残した信長が確かに、葛藤しないはずがない。考えればわかるはずなのに、つい見逃しがちなこと。人間は一面だけではない。父のやり方に疑問を感じる信忠が、自分も責任を負った時に、その重責に息苦しく感じているのを見抜いた父信長に慕う気持ちを感じた時に、気付かされた。 そして、その信長と恋仲になる晴子。この時代に、子供を産み、閨閥を作ることだけを目的とされることに、信長と出会う事で疑問を感じだし、自分らしく生きる道を模索しだす。 この気持ちもすごく共感できるし、本能寺の変の企てに気付き、信長を救おうと必至になるけなげさも共感できる。私も、晴子と一緒に、信長にときめきました。 面白いと思ったのは、信長が、公家を集めて所蔵の茶の湯の道具を入札制にするのだけれど、それぞれの公家が勝手に気を使い合って、自分の官位にふさわしいものを要望する様子にがっかりしてしまうシーン。信長が当時、いかにいろいろなしがらみから心が自由であったか、そして公家がいかに縛られている生き物かが顕著に現われている。信長の失望を思うと、一人相撲をとっている様な気持ちがしたであろうし、同情を感じる。

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2015/05/27

本能寺の変、その黒幕はいったい誰なのか。 諸説あるなかでも、著者なりの仮説があり、 それに則ったうえで、物語が構築されている。 それにしても、近衛前久、とても格好よい。

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2014/08/24

朝廷の陰謀を背景に信長の苦悩を描き出す。 信長に苦悩という言葉は似合わない感じだが、革命者であるゆえその言葉の重みは違うのかもしれない。

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