真昼の花 の商品レビュー
【本の内容】 行方不明の兄を追うようにしてアジアの国へ来た私。 闇両替で所持金のほとんどを失い、一日パン一個で食いつなぎ、安宿をシェアして、とうとう日本企業の前で物乞いを…。 帰る気もなく、行くあてもなく、いったい今ここで何をしているのか。 それでも、私はまだ帰らない、帰り...
【本の内容】 行方不明の兄を追うようにしてアジアの国へ来た私。 闇両替で所持金のほとんどを失い、一日パン一個で食いつなぎ、安宿をシェアして、とうとう日本企業の前で物乞いを…。 帰る気もなく、行くあてもなく、いったい今ここで何をしているのか。 それでも、私はまだ帰らない、帰りたくない―。 若いバックパッカーの癒しえない孤独を描く表題作他一篇を収録。 [ 目次 ] [ POP ] 生きていること、そして生きていくことの途方のなさを、上手に人に話すことができない。 だから、角田光代の小説を読むと少し安心する。 僕が語ることのできなかった「あの感じ」がいつもそこにはあるからだ。 無意味に焦ってみたり、急に不安にかられてみたり、意図に反してドギマギしたり、日常生活というやつはなんだかひどく落ち着かない。 それなのに、いかにも手慣れたものとして「毎日」を扱ってしまう。 そんな自分にふと気がついた時、本書を手にとってみてほしい。 「あんた、何やってんの?」。 そんなオオバくんの問いが怖い。 怖いからこそ、必死に何かをやっているふりをしてしまう。 何かを目指しているふりをしてしまう。 しかし実のところ、何やっているんだろう……という呟きから何かが始まっていくのではないか。 生きていくことに途方に暮れてしまっている誰かの背中をそっと押してくれる、そんな力を持った小説である。 [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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※このレビューにはネタバレを含みます
兄を探しているのか放浪しているのか、目的の定まらないバックパッカー。真昼の花 母と兄夫婦の住むマンションに行く主人公。身内との微妙なバランス関係。8階の海 短編2本
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川本三郎氏の解説に共感したので引用。 「角田さんの文章は、最近の若い作家にありがちな、奇をてらったところ、はしゃいだところがないのが素晴らしい。地味な主人公にふさわしく、文章も地味な良さ、落着きがある。」
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なんだかヒロインの考えが読めなくて不気味。逞しいとも思えないし、兄との関係性もよくわからん。読み返さないやろなぁ。。
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女性を主人公にした短編が2編。事件が起こるでもなく、オチがあるわけでもなく、定職に就かず、自分の立ち位置が揺れているような、でも流されているわけではない女性の人生の一時期を切り取ったような物語。 目的もなく…いや、兄を捜す…という切実ではないボヤンとした目的を保険にして、ただ日...
女性を主人公にした短編が2編。事件が起こるでもなく、オチがあるわけでもなく、定職に就かず、自分の立ち位置が揺れているような、でも流されているわけではない女性の人生の一時期を切り取ったような物語。 目的もなく…いや、兄を捜す…という切実ではないボヤンとした目的を保険にして、ただ日常から逃げているのかもしれない女性バックパッカーの、ちょっとどんよりとした海外での生活を描いた「真昼の花」。自分のアイデンティティを見つけられずにアルバイトをし、結婚した兄と、兄嫁と、その子供と、母親の少し疲れた日常を、他人のように見つめる女性が主人公の「地上八階の海」。 あるある、と共感できる部分と、こんな風にどんよりとは生きたくないなと反発する部分と、なんで私はこれを読んでるのかしら…?と不思議に思う部分と、なんか、読み終わった後の後味が不思議な本でした。 ふむ。
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「真昼の花」 行方不明の兄を追うようにしてアジアの国へ来た私。闇両替で所持金のほとんどを失い、一日パン一個で食いつなぎ、安宿をシェアして、とうとう日本企業の前で物乞いを……。 帰る気もなく、いくあてもなく、いったい今ここで何をしているのか。それでも、私はまだ帰らない、帰りたくない...
「真昼の花」 行方不明の兄を追うようにしてアジアの国へ来た私。闇両替で所持金のほとんどを失い、一日パン一個で食いつなぎ、安宿をシェアして、とうとう日本企業の前で物乞いを……。 帰る気もなく、いくあてもなく、いったい今ここで何をしているのか。それでも、私はまだ帰らない、帰りたくないーー。 若いバックパッカーの癒しえない孤独を描く。 「地上八階の海」 電話を繋ぐアルバイトをしている私。何かに怯える母と、人見知りの激しい姪。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 うーん……これといって特出したことのない話…… なんだろうなぁ…… 面白くなくはなかったが、楽しかったかと言われると別に……っていう…… 何か事件を書く、というより、内面とか気持ちとかそういうのを書いてたから私はあんまり入り込めなかた。
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バックパッカーと電話番の女の2編。これが浮遊なのか疑問。バックパッカーに対するマイナスイメージが感じられた。読んでいて切なく苦しくなった。
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少し時間をかけて読みすぎた。何の理由も無いけど帰りたくないとか、立ち止まったらいけない気がする瞬間は確かにある。それと同じように動きたくても泥に足を取られたように動けないときもある。今回の作品はそんな感じを上手く書いてると思う、あぁやっぱり角田さんは上手いな。
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自分の中ではちょっとイマイチ・・・ どちらの主人公も私には気持ちが入っていけず。 たいてい角田さんの物語の主人公のかかえているものに多少は 入り込めるのだけれど、今回はなかった。
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この人の小説はなんかすえた匂いがするというか、独特なかんじだ。今もアジアの街に紛れ込んだかのよう。でもなんか読みにくかったなー。
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