意志と表象としての世界(1) の商品レビュー
自分が感じている環境としての表象。世界を究極的に説明する言葉としてショーペンハウアーは意志を提案する。
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『意志と表象としての世界』はかなりの大作です。これを完全に理解するのは当時の人たちにとっても現代の私達にとっても至難の業です。 しかも驚くべきことに著者のショーペンハウアー自身が序文でとてつもないことを述べるのです。 彼はまず言います。この本は2回読まねばわからぬと。 こんな難し...
『意志と表象としての世界』はかなりの大作です。これを完全に理解するのは当時の人たちにとっても現代の私達にとっても至難の業です。 しかも驚くべきことに著者のショーペンハウアー自身が序文でとてつもないことを述べるのです。 彼はまず言います。この本は2回読まねばわからぬと。 こんな難しくてしかも長い本を2回も読めと。しかも1回目はまずわからないだろうから忍耐が必要だと最初から宣言するのです。さすがショーペンハウアー、言うことが違います。 他にも驚きの言葉がどんどん出てきます。やはりこの作品は一筋縄ではいきません
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ばりおもろい。 ニーチェの哲学的熱情を駆り立てたショーペンおじさんの主著であり、二十世紀の西洋思想を語る上で特に重要な一冊。 時間と空間の考察を読むあいだアインシュタインの相対性理論が脳内をチラチラしたが、案の定アインシュタインはショーペンハウアーを深く敬愛していたらしい。 科学...
ばりおもろい。 ニーチェの哲学的熱情を駆り立てたショーペンおじさんの主著であり、二十世紀の西洋思想を語る上で特に重要な一冊。 時間と空間の考察を読むあいだアインシュタインの相対性理論が脳内をチラチラしたが、案の定アインシュタインはショーペンハウアーを深く敬愛していたらしい。 科学的努力とは世界の仕組みを理解するのに欠かせないが、我々人間という意識主体を説明するのには不十分で、そこには「哲学」や「思想」が必要になる。 主観と客観は表象によって統合されていて、我々の無方向で盲目的な意志だけがあるのみ。 人の根源的な欲動性や力の偏在を認めるあたり、その後出てくるフロイトやニーチェの思想にも接近していく。 まさに二十世紀を生み出す礎石としてのドイツ哲学。 これからが楽しみ。
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ショーペンハウアー「 意志と表象としての世界 」 1巻 認識論 世界は何であるか探究した巻。世界は わたしの表象(目前に見るように心に描くもの)である」としている。 難解部分は読み飛ばしたが、理性、死、幸福、苦悩についての名言は 現代的で面白かった 理性 *理性は人間に思慮...
ショーペンハウアー「 意志と表象としての世界 」 1巻 認識論 世界は何であるか探究した巻。世界は わたしの表象(目前に見るように心に描くもの)である」としている。 難解部分は読み飛ばしたが、理性、死、幸福、苦悩についての名言は 現代的で面白かった 理性 *理性は人間に思慮を与えるとともに誤謬をもたらす *人間は理性を有するが故に、死を意識する。哲学は死の練習である 幸福と苦悩を同列に扱い、要求と現状の不釣合という認識の欠陥に起因したものとしている 名言 *世界はわたしの表象である。これは生きて、認識をいとなむものすべてに当てはまる真理である *過去というも、未来というも〜夢のように儚いものなのである *わたしは客観からも主観からも出発しないで表象から出発した〜表象は客観と主観の両方を含んで、両方を前提としている *動物は死おいて初めて死を知る。人間は〜意識しながら死に近づいていく *喜びは 幻想である〜満足は長続きするものでなく〜幸福は偶然から借りてきたものであって、返却を求められる〜そもそも苦しむことなく生きようとすること自体に矛盾がある 客観は 主観の表象として、主観に対応して存在するにすぎない 表象の世界は 客観の側面では、時間と空間と物質に、主観の側面では、純粋な感性と悟性に還元される 2巻 自然界を存在論的に考察した巻 身体を介して現れる意志を物体化して捉えている。自然界の淘汰を 種の生存欲という意志として 展開。意志を「目標も限界もなく、終わることなく 盲目的に生を欲する存在」と捉えている点は 厭世的で、現代の人間を批判しているようにも感じる 意志とは *意志は物自体である *すべての表象、すべての客観は意志の現象であり、意志の現れである *意志は個別のもの、全体をなすものの内奥であり、核心である *意志は盲目的に作用しているすべての自然力のうちに現象する *意志は微小な個物の中にも分割されず全体として存在している 内部抗争は意志にとって本質的なことである〜各種のイデアによって客観化される意志の内部抗争は〜種に属する個体同士の絶滅戦となって現れる 名言 *すべての表象(すべての客観)は、意志の現象であり、意志が目に見えるようになったものである〜意志の客体性 *意志の客観化の諸段階は、プラトンのイデアにほかならない *認識は、意志の客観化の高位の段階に属していて〜個体や種を維持するための道具であり手段である *いっさいの目標がないこと、いっさいの限界がないことは 意志そのものの本質に属している。意志は終わるところを知らぬ努力である
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「いっさいの目標がないということ、いっさいの限界がないということは、意志そのものの本質に属している」 なっとく。今自分が行ってることごとについては目的があるけど原因は説明でなきない、ただ意志があるだけ。 で、世界は意志が表象したものである
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ニーチェやワーグナーに大きな影響を与えたショーペンハウーの代表的著作。最初の鎌田康男氏の当時の時代背景の解説や彼の簡単な一生の紹介があってそのあとに本文が始まる。「世界は私の表象である」という文章から始まるのが興味深い(さてそれはどういうことですか?ということになる)。 本書は1巻から4巻に至るその前半の1巻と2巻を収めており、1巻で表象、2巻で意思の説明、そして3巻で表象の第2考察としての芸術、4巻で意思の第2考察としてのペシミズムが展開される。
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ニーチェに影響を与えた実存主義哲学者として、ヘーゲルと犬猿の仲だった在野哲学者として、数々のアフォリズムを残した厭世哲学者として、間接的に名前だけは知られているショーペンハウアーを、直接読もうとする読者があまりにも少ないのが残念で仕方が無い。これほど分かりやすく、面白く、魅力的...
ニーチェに影響を与えた実存主義哲学者として、ヘーゲルと犬猿の仲だった在野哲学者として、数々のアフォリズムを残した厭世哲学者として、間接的に名前だけは知られているショーペンハウアーを、直接読もうとする読者があまりにも少ないのが残念で仕方が無い。これほど分かりやすく、面白く、魅力的な哲学者は滅多にいないというのに。 ドイツ本国でさえ発売当時見向きもされなかった『意志と表象としての世界(正篇)』の難点は、ショーペンハウアー哲学の独創性が遺憾なく発揮されている第三巻と第四巻が、その前置きに過ぎない第一巻と第二巻の背後に隠れている点であろう。その第一巻と第二巻が収められた本書は、ショーペンハウアー哲学の理解にとって避けては通れない鬼門であるとは言える。 しかしながら内容は決して難解でも退屈でもない。「世界は私の表象である」の一文で幕を開ける第一巻「表象としての世界の第一考察」は、その名のとおりわれわれが認識している世界の哲学的分析に終始している。第二巻「意志としての世界の第一考察」で論じられる「意志」は、ショーペンハウアー哲学最大のキーワードであろう。それを神の言い換えに過ぎないと断ずる評者もいるようだが、時間・空間・因果性によってフォーマットされる以前の世界をあえて「意志」と名づけた辺りは、感情によって世界が形成される実存主義哲学の先駆ともいえ興味深い。 『意志と表象としての世界(正篇)』はショーペンハウアーの主著であり、邦訳はほかに白水社の全集版と理想社版があるが、入手のしやすさと分かりやすさでは西尾幹二訳の本書が群を抜いている。このまま忘れ去られてしまうのはあまりにも惜しい、特に若い読者に読んでもらいたい古典的名著であり名訳である。
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最終的な、大きな主張は、その通りのように感じた。 それは、この世界が知り尽くされることがないように思われるからだと思う。シンギュラリティを経て、解明尽くされるのか?なおも疑問である。 主張の細かな部分は、書かれた時代もあり現在の科学による説明とは異なり、古く、もはや説明に説得力が...
最終的な、大きな主張は、その通りのように感じた。 それは、この世界が知り尽くされることがないように思われるからだと思う。シンギュラリティを経て、解明尽くされるのか?なおも疑問である。 主張の細かな部分は、書かれた時代もあり現在の科学による説明とは異なり、古く、もはや説明に説得力がないものもある。ただ、これは大筋とは関係しない。世界が解明し尽くされることがなければ、結論は変わらないように感じている。
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ヘラクレイトス 万物の永遠の流転を悲しんだ プラトン たえず生成するが、ついに存在しないものと軽視 スピノザ ただ一つ存在し持続する唯一の実体の、単なる偶有性 カント スピノザの見解で認識されたものを単なる現象と呼んで、物自体に対立
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読む前の世界と 読んだ後の世界が 違って見える可能性のある本 何度も読みたい、というか読まなければ理解できない
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