残虐記 の商品レビュー
現実、想像、物語、嘘。よく耳にする共感や移入は、あくまで一方的なものであって相互理解なんてものは夢のまた夢なのかもしれない。何事であれ当事者にしかわからないことがあるものだ。
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幼い頃に誘拐され、一年間監禁生活を送った小説家の話。 正直、私は桐野夏生という作家の本があまり合わないらしい。 結局、小説家はどこへ行ってしまったのか?それとも生きているのかよく分からないまま・・・。 そして、この残虐記をどうして本にしようとしたのか。一生パソコンに保存しておくだけではなかったのか? 他に、何点か矛盾してるのでは?と思うところもあって、あまりちゃんと読みこめませんでした。
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幼い頃誘拐され、一年間監禁生活を送ったという過去をもつ小説家の話。何だか途中で嫌になってちょっと飛ばして読んでしまった……。小説家さん、どこに行ったんだろう?
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本文P205より そうでしょう。理不尽な目に遭った子供は、必ずや何かで精神の欠落や心の傷を補おうとするところから始める。だから、欠落はむしろ素晴らしい事なのだ。でなければ、生き残って大人になることは不可能です。
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小学校4年生の時に誘拐・監禁され1年の間犯人と生活をした被害者が作家になりその当時の事を小説にする。昔本当にあった誘拐事件を参考にしたのだろうか?? 後味の悪い本。
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2005年版週刊文春ミステリーベスト6位。面白かった。ほんと桐野夏生はいい。割りと短めでどんどん読める。監禁事件といえば、どうしてもあの子を思い出す。今、彼女はどうしているんだろうか。この人は人の悪意を書くのがとても上手だと思う。ケンジとヤタベの関係は謎だけど、主人公が想像したとおりなら、ほんとに嫌な奴だと思う。そしてそういう人間が現実にもいるということ。立場上、笹木に近いと思うけど、ほんとに人の痛みをほじくりだそうとしているだけではないかと思う。嫌な仕事だ。
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少女誘拐監禁事件の女の子の手記ぽいもの。 つらかった。想像した。 自分のせいじゃないのに罪悪感で自分が許せなくなりそう。 まわりの好奇の目も我慢できない。 これ系の犯罪者に重罰を課してもらいたい。
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桐野さんの文章は、読みやすくて程よくグロテスクで、本当に好き。この本も、不気味な記憶と感情にものすごく共感を得て、一気に読みすすめることができた。でも、オチがいまいち腑に落ちない。
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小学生のころに男に誘拐・監禁され、その後行方不明になった小説家の手記。 人の内面の残虐性?インパクトが薄く、面白みに欠けた。淡々とした語り口が、内容を寒々しいものにし、現実味を消している。
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本棚にあったから読んでみよう桐野夏生三冊目。毒の薄さが逆に毒の深さを想起させる一冊。ただ、テーマ的に一歩離れて読めたからか、グロテスク、outに比べて身に受ける昏さはさほどでもなく。
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