秘跡(11) の商品レビュー
当時六歳の婚約者・ジ…
当時六歳の婚約者・ジュリアンがいた。ところが修道院に入っているはずの彼女は、三年前から行方知れずになっていて……。
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全く関係ないのですが、平安時代の「とりかへばや物語」の主人公・男装して出仕した姫君が、月一回は数日休む、という記述があります。 ジュリアンはどうしていたのでしょう。 変なこと気にして申し訳ございません。 殺人事件は起こらない巻ですが、女帝モードとヘンリー司教の戦闘によるウィンチェスターの破壊、無辜の人々の恐怖や被害と、心痛むシーンが多いですね。
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シリーズ11は、殺人のないミステリー。 途中で真実は見えるのだけれど、その終わり方、納め方がよかった。さすがカドフェルさんです。
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修道士カドフェルの第十一弾。 このシリーズでは、 移動が車がなくても、連絡が電話でなくても、 はたまた凶器が銃でなくても、 いらいらすることは無いのだが、 今回ばかりはイライラした。 多分、 隠された秘密がわかったのもあるが、 なんといっても、人が殺されなかったから。 前作で...
修道士カドフェルの第十一弾。 このシリーズでは、 移動が車がなくても、連絡が電話でなくても、 はたまた凶器が銃でなくても、 いらいらすることは無いのだが、 今回ばかりはイライラした。 多分、 隠された秘密がわかったのもあるが、 なんといっても、人が殺されなかったから。 前作で奇跡を起こした見習い修道士が重要な役割を果たしたり、 元愛人の修道女も重要だったし、 修道院にあるまじき修道士の話は「お話」としては面白かったけど、 ミステリーとしてはちょっと。
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このシリーズは基本的には修道士が活躍する歴史ミステリーなのですが、毎巻男女のラブロマンスが絡むのがお約束になっています。私は基本的に恋愛モノは好きではないので出てくる度に少々うんざりしていたのですが、この巻だけは不覚にも感動を覚えてしまいました。 著者は英国人なので恐らく聖公会と思われますが、カトリック教徒にとって「結婚」という行為が如何に神聖なものであるかという事をよく承知していたようです。現代ですら離婚すれば破門と聞いていますから、中世のカトリック教徒にとっての「結婚」の重さは想像を絶するものであったことでしょう。 ただし、年頃の女性が男のふりをして修道院に入り、何年もバレずに過ごすというのはいくら何でも無理があると思いましたので★1つ減点です。その点は気になったものの、しかしクライマックスでは胸にじわりと来るものがありました。
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フェデリスの正体に気付いた時(相当遅かったけれど)不覚にもすごく感動した。こういう女性の生き方って今じゃあり得ないのだけれど、素晴らしいと思ってしまった。カドフェル・シリーズにしては異色作(殺人事件が起こらない)けれど、カドフェルならではの大団円で、大変よろしい。(2009-10...
フェデリスの正体に気付いた時(相当遅かったけれど)不覚にもすごく感動した。こういう女性の生き方って今じゃあり得ないのだけれど、素晴らしいと思ってしまった。カドフェル・シリーズにしては異色作(殺人事件が起こらない)けれど、カドフェルならではの大団円で、大変よろしい。(2009-10-27L)
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この本のタイトルが好きなんです。非常に内容にそぐってて。修道院にやってきた、二人の修道士と行方不明になった女性。全ての秘密が明かされ読み終えたとき、タイトルの意味がわかるのです。
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修道士カドフェルシリーズ 第11作 1141年、シュルーズベリが実りゆたかな夏を迎える頃、女帝モードとスティーブン王の争いはいよいよ激しく、ある日、戦場となったウインチェスターは炎上した。 激しい火災によりハイド・ミード修道院から焼け出された二人の修道士が、シュルーズベリ修道院...
修道士カドフェルシリーズ 第11作 1141年、シュルーズベリが実りゆたかな夏を迎える頃、女帝モードとスティーブン王の争いはいよいよ激しく、ある日、戦場となったウインチェスターは炎上した。 激しい火災によりハイド・ミード修道院から焼け出された二人の修道士が、シュルーズベリ修道院に助けを求めてやって来た。気品ある長身の修道士ヒュミリスは、かつて勇名を馳せた十字軍の勇士で、戦いによる傷を抱えてその命の最後を生地のそばで迎えたいと、故郷に帰ってきたのだった。そして彼に献身的に仕えるもう一人の修道士フィデリスは、若く、美しく、口が利けなかった。 ヒュミリスには十字軍に従軍する前に婚約した当時6歳の婚約者ジュリアンがいた。3年前、ヒュミリスが修道士になる時に、その使者として婚約解消をジュリアンに告げに赴いた彼の従者ニコラスは、ジュリアンの面影が忘れられなくなっていた。ジュリアンに結婚を申し込みに赴いたニコラスは、彼女が婚約解消と同時に尼僧院に入ったことを知る。しかし、戦火の中破壊されたその尼僧院に彼女は存在しなかった。彼女はその家から尼僧院の道筋のどこかで失踪したらしい。 ジュリアンの行方を追い求める執行長官ヒューとカドフェルの前に思いもかけぬ真相がやがて姿を現す・・・ この作品の中には、一つの殺人も起こりません。けれど、中世の、戦いと信仰に翻弄され自身で人生を選ぶことの出来ない若い女性の行方を追ううち、仄見えてくる愛と献身の危うさに、殺人事件よりハラハラさせられる上質のミステリとなっています。 失踪事件をめぐる人々を出来るだけ傷つけないよう心を砕くカドフェルの思いはどんな解決を迎えるのか、最後まで緊張させられました。 いつもの登場人物に加えて、前作で奇跡の具現者となり修道院に入ったルーンや、妻に裏切られ修道士になったもののよこしまな恋に身を焼くユーリエンなど、脇役が物語に厚みを加えています。 ジュリアンの持っていた美しい装飾品の数々も、素敵でした。
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