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敗北を抱きしめて 増補版(下) の商品レビュー

4.2

23件のお客様レビュー

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2009/12/26

下巻は、天皇制の維持とアメリカの企図、新憲法制定、GHQによる検閲、東京裁判、など、いまだに議論の多いテーマが取り上げられています。ある意味、下巻は上巻よりもさらに読み応えがあります。 最後にエピローグという章がありますが、これも白眉です。ここで、著者がこの本で言いたかった主...

下巻は、天皇制の維持とアメリカの企図、新憲法制定、GHQによる検閲、東京裁判、など、いまだに議論の多いテーマが取り上げられています。ある意味、下巻は上巻よりもさらに読み応えがあります。 最後にエピローグという章がありますが、これも白眉です。ここで、著者がこの本で言いたかった主要なテーマが、本のタイトルにもした一節を使って明示されています。少し長いですが、引用します。 「21世紀への戸口にある日本を理解するためには、日本という国家が(注:古来より)あいも変わらず連続している面を探すよりも、1920年代後半に始まり、1989年(注:昭和の終わりと冷戦の終わり)に実質的に終わったひとつの周期に注目するほうが有用である。数十年のその年月は短く、かつ暴力と変化に富んだ時期であったが、これを精密に観察すれば、戦後「日本モデル」の特徴とされたものの大部分が、じつは日本とアメリカの交配型モデルというべきものであったことがわかる。... この官僚制的資本主義は、勝者と敗者がいかに日本の敗北を抱きしめたかを理解したときはじめて、不可解なものではなくなる」 最近では官僚が槍玉に挙げられることが多いですが、日本官僚制の起源がこの戦後処理に遡る、とする論旨はひとつの見識ではあるけれども明快で納得させられます。 ちょっと褒めすぎか。敬意も表して星5つ。

Posted byブクログ

2009/10/10

日本の占領期における政治経済から大衆文化までの幅広い分野が、昭和天皇やマッカーサーはもちろん、高級官僚、文豪、一般大衆、パンパンと呼ばれる娼婦といったこれまた幅広い人々の視点を通して描き出されている。 よくぞここまで調べ、まとめあげたなぁと言う感じ。東京裁判や占領時の政策における...

日本の占領期における政治経済から大衆文化までの幅広い分野が、昭和天皇やマッカーサーはもちろん、高級官僚、文豪、一般大衆、パンパンと呼ばれる娼婦といったこれまた幅広い人々の視点を通して描き出されている。 よくぞここまで調べ、まとめあげたなぁと言う感じ。東京裁判や占領時の政策における言及では、占領を正当化というか言い訳じみた台詞も見てとれるが、草の根レベルで起こっていたことまで細かく触れられていて、非常に勉強になる本だった。

Posted byブクログ

2009/10/04

大学の授業でしようしたのですが、戦後どのように日本が再建されたのか、憲法制定、アメリカが行った戦後政策の詳細が分かります。長いですが意外にすらすら読めます。

Posted byブクログ