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立喰師列伝 の商品レビュー

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4件のお客様レビュー

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2018/05/29

 スニーカーに「予知野屋」といふ示唆的な名前のアレが載った一年後、牛丼屋が大変なことになった。ときには少し戦慄した。  鈴木敏夫さんの「冷やし狸のマサ」はなんかの説得力がある。  普通、スニーカー掲載時の人で民俗学やるといふと、負け組かどっかでやられてだめになって、柳田国男先生の...

 スニーカーに「予知野屋」といふ示唆的な名前のアレが載った一年後、牛丼屋が大変なことになった。ときには少し戦慄した。  鈴木敏夫さんの「冷やし狸のマサ」はなんかの説得力がある。  普通、スニーカー掲載時の人で民俗学やるといふと、負け組かどっかでやられてだめになって、柳田国男先生の所とかへ行くと言ふので、押井御大のやうに、まぁ成功したのでやってみませう、と言ふのは異常。  しかもなんかのイヤミだか何だか、柳田『イタカ及びサンカ』の引用までやる。 多分「負ける、やられる藝」はありでいい筈。

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2012/04/28

押井守作品のあちこちに断片的に登場する立喰師の物語を、第二次世界大戦の終戦直後から昭和60年初頭までの戦後昭和史に沿ってまとめた作品。月見の銀次、ケツネコロッケのお銀、哭きの犬丸、冷やしタヌキの政、牛丼の牛五郎、ハンバーガーの哲、フランクフルトの辰、中辛のサブら8人の立喰師につい...

押井守作品のあちこちに断片的に登場する立喰師の物語を、第二次世界大戦の終戦直後から昭和60年初頭までの戦後昭和史に沿ってまとめた作品。月見の銀次、ケツネコロッケのお銀、哭きの犬丸、冷やしタヌキの政、牛丼の牛五郎、ハンバーガーの哲、フランクフルトの辰、中辛のサブら8人の立喰師についての調査報告書のような体裁で、僕には読みやすかった。

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2011/10/30

立喰師に関する架空の研究論文をベースに、一般読者にも判りやすくその実態を解説するという体裁で、後半では架空の小説やルポタージュ、さらには押井守本人がストーリーに重ね合わされて、虚実が激しく入れ交じりつつ、立喰師という「架空の都市伝説」を描き出す。 立喰師は押井守が好んで用いてき...

立喰師に関する架空の研究論文をベースに、一般読者にも判りやすくその実態を解説するという体裁で、後半では架空の小説やルポタージュ、さらには押井守本人がストーリーに重ね合わされて、虚実が激しく入れ交じりつつ、立喰師という「架空の都市伝説」を描き出す。 立喰師は押井守が好んで用いてきたモチーフである。『紅い眼鏡』、『うる星やつら』、『機動警察パトレイバー』など、立喰師は数々の押井作品でその片鱗を見せてきた。 その押井守が、(従来、脇役的なモチーフであった)立喰師そのものをテーマにしたのだから、どれだけ稀代の名作が生まれるかと思いきや、今一つ。終戦から高度経済成長期、さらには80年代、90 年代にかけて変貌していく立喰師たちの世界の雰囲気を、完全に描き切れているとは言い難い。これは、押井守自身が、まだこのモチーフ/テーマを完全に消化し切れていないことをうかがわせ、逆に立喰師が彼のライフワークとなるであろうことを予感させる。

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2009/10/04

読了。押井守の個人史、というと表現は異なるだろうが、押井守が見た戦後を語っているというのは事実で、戦後に対するひとつの見方として興味深い一冊ではある。但し、あらゆる面で非常に偏っており、普遍化するのは困難を極める。個人的には食が主体となっているだけあって、関西文化圏とは異なる食習...

読了。押井守の個人史、というと表現は異なるだろうが、押井守が見た戦後を語っているというのは事実で、戦後に対するひとつの見方として興味深い一冊ではある。但し、あらゆる面で非常に偏っており、普遍化するのは困難を極める。個人的には食が主体となっているだけあって、関西文化圏とは異なる食習慣、食に対する評価が非常に違和感として残る。やはり関西の人間が東京へいってそば・うどんは食べることはできないのだろうと痛感するぐらいの違和感である。それは本来どちらがよい悪いではないのだろうが、違うのは事実で、その違和感がそのままこの小説でも感じられる。

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