スノーボール・アース の商品レビュー
最近耳にすることが多くなった「全地球凍結仮説」。この本 は、そのスノーボールアース説がどのように生まれたかを それに関わった科学者に焦点を当てて紹介している本。 説そのものよりもそれを生み出した、あるいはその説の反対 陣営についた科学者たちの人となりに注目している感じだ。 説の主...
最近耳にすることが多くなった「全地球凍結仮説」。この本 は、そのスノーボールアース説がどのように生まれたかを それに関わった科学者に焦点を当てて紹介している本。 説そのものよりもそれを生み出した、あるいはその説の反対 陣営についた科学者たちの人となりに注目している感じだ。 説の主たる提唱者であるポール・ホフマンが人間として問題 性有り、ということばかりが印象に残り、説の紹介本として は損をしているような気がする。もっともそこを目指しては いない本なのかも知れないが。
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読了。スノーボール・アース仮説そのものは知っていたが、それがどのように発見され検証されてきたのかという記録は面白かった。割と新しい概念なのね。そして出てくる人物がみんな強烈すぎて楽しい。
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2004年刊行。「全地球凍結仮説」と「凍結解消後の爆発的な生物進化」の二点に関する論争と、その論争に参与した研究者の人間くさいありようとを叙述する。サイモン・シンの「宇宙創成」とまではいかないが、叙述対象のスケールが大きく、研究者の人間くさい一面も垣間見れる良書。なお、大陸移動に基づいて形成された超大陸が赤道地域に所在した場合、地球環境へいかなる影響を及ぼすかー※については、極めて興味深い記述がされている。ただ、凍結解消後の生物進化の爆発的進展に関しては、未だ論争中で、方向性が定まっていない印象を受けた。 ※-赤道付近が大陸の場合、太陽からの放射熱を大洋よりも反射しやすく、地球冷却化を進める。他方、大陸が赤道に集まり、極地が海洋化すれば、氷山など氷結部が広がり、太陽熱をますます反射し、地球の冷却化を進展させる。これが極限まで進展したのが、全地球凍結というものらしい。
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少なくとも過去二度、地球は破滅的な全凍結の時代を過ごして来たという、全地球凍結説とそれを証明しようとする、あるいはありえないと否定材料を集める地質学者達の攻防。 全地球凍結ははたして本当にあったのか、なぜそんなことが起きたのか、そして一度凍結してしまえば再び氷が止めることなどない...
少なくとも過去二度、地球は破滅的な全凍結の時代を過ごして来たという、全地球凍結説とそれを証明しようとする、あるいはありえないと否定材料を集める地質学者達の攻防。 全地球凍結ははたして本当にあったのか、なぜそんなことが起きたのか、そして一度凍結してしまえば再び氷が止めることなどないと否定された後なぜ我々がこうして存在しているのか、そして解凍後に起きたカンブリア紀の爆発的生命進化との因果。 莫大な圧力でねじまげられた岩石から、証拠をひとつひとつ積み上げていく様は推理小説のようにスリリング。 バージェス頁岩の生物化石について書かれたワンダフル・ライフも併せて読むとより理解が深まる。 大変興味深く、引き込まれる良書。
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ポプュラーサイエンスにしても、ゆる過ぎる。 これでは旅行記。旅行パートが多すぎて、本筋の流れがぼける。半分のページ数で良い。
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内容(「BOOK」データベースより) 科学界で大論争を巻き起こしている“スノーボール・アース”。この地球史上最大の事件をめぐり、科学者たちが繰り広げる白熱の探究ドラマを再現する。5億数千万年前に起こった、多細胞生物の爆発的な進化(カンブリア紀の大爆発)は何によってもたらされたのか...
内容(「BOOK」データベースより) 科学界で大論争を巻き起こしている“スノーボール・アース”。この地球史上最大の事件をめぐり、科学者たちが繰り広げる白熱の探究ドラマを再現する。5億数千万年前に起こった、多細胞生物の爆発的な進化(カンブリア紀の大爆発)は何によってもたらされたのか?これに答えるのが、スノーボール・アース=全地球凍結仮説である。かつて途方もなく厚い氷が、赤道付近も含めて全面的に地球を覆っていたことを主張するこの仮説は、ウェーゲナーの「大陸移動説」にも匹敵する革命的なものなのだ。学界のカリスマ、ポール・ホフマンをはじめとして、個性豊かな地質学者たちが、アフリカの砂漠から北極圏まで地球を縦横無尽に探り、全地球凍結の証拠を積み上げていく。そしてその過程を通じ、飛躍的な生物進化の謎が、ついに解明される―オリヴァー・サックス、リチャード・フォーティ、サイモン・シンから絶賛を浴びた注目のサイエンス・ノンフィクション。
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地層を分析すると様々な履歴の異なる岩石を含んだ層があり、氷河が運んだと考えられている。この地層は赤道付近にも見つかっている。またこの層の上にはキャップ炭酸塩岩と言う広い範囲で見つかる層があり、炭素の同位体測定から当時生物(バクテリア)が非常に少ないと考えられる。 鉄は火山や熱水噴...
地層を分析すると様々な履歴の異なる岩石を含んだ層があり、氷河が運んだと考えられている。この地層は赤道付近にも見つかっている。またこの層の上にはキャップ炭酸塩岩と言う広い範囲で見つかる層があり、炭素の同位体測定から当時生物(バクテリア)が非常に少ないと考えられる。 鉄は火山や熱水噴出孔から海水中に溶け出す。原始大気は酸素が少なく海中の鉄分濃度が高かったが、その後酸素が増加し、鉄は酸化鉄、赤サビとなって堆積し鉄鉱石の層となる。先カンブリア代の終わりには海が酸素から遮断されていたためこの層が出来たと考えられる。 これらの現象を説明する仮説が全球凍結仮説スノーボールと呼ばれ、この本の主人公で地質学会のカリスマ、ポール・ホフマンが広めた。反対派と推進派の口撃合戦が生々しく面白いのだが、副題に有る「生命大進化をもたらした全地球凍結」に関しては時期が一致する意外に何故もどうやっても書かれていないのが消化不良だった。
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赤道に大陸が集まる→極から氷が広がり、スノーボールになる→火山が噴火し、二酸化炭素が増える→酸性雨が降る→新しい生命の誕生。 ある説が正しいかは証明できない。ただ、反論に長く耐えれば耐える程、その説は正しいものに近づく。 科学者は実験出来るものにしか興味を持たない。 仮説を作って、それが証明出来なかったとする。しかし他の分野の研究者の助け、反論、後世の科学者、いろんな人の力で一つの説は出来上がるんだなと感じた。自分がすべてをやり遂げなくても、それでも意味がある。そんなことを考えさせられた一冊
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地質学者の仕事に驚く。未開の大地で岩をひたすら収集する。壮絶。 太古の地球の様子を岩から再現するというのはロマン。確かに大陸移動説のように地質学の仕事はパラダイムシフトに寄与している。 本書の内容を読むと全球凍結が確かにあったような気がしてくる。ただその原因、気候変動について単純...
地質学者の仕事に驚く。未開の大地で岩をひたすら収集する。壮絶。 太古の地球の様子を岩から再現するというのはロマン。確かに大陸移動説のように地質学の仕事はパラダイムシフトに寄与している。 本書の内容を読むと全球凍結が確かにあったような気がしてくる。ただその原因、気候変動について単純な要因に分解することはできないと思う。 生命進化との関わりはどうだろう。強い淘汰圧が速い進化、多細胞化につながるのだろうか。安易に結びつけるのはできないだろう。
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『201205 地学強化月間』 スノーボール・アース(全地球凍結仮説)に纏わる科学者列伝。 地質学者って激しやすい人が多いのかい。
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