合成怪物の逆しゅう の商品レビュー
児童向けSF。なぜ読んだのか、はっきり覚えてないが、何かの本で参照されていたのかも。 人工頭脳に死んだ人間の脳が組み込まれているという話なのだが、今となっては、人間の脳とAIでは構造も働き方の仕組みも全然違っているということがはっきりしてきたので、これを読んで現在のシンギュラリテ...
児童向けSF。なぜ読んだのか、はっきり覚えてないが、何かの本で参照されていたのかも。 人工頭脳に死んだ人間の脳が組み込まれているという話なのだが、今となっては、人間の脳とAIでは構造も働き方の仕組みも全然違っているということがはっきりしてきたので、これを読んで現在のシンギュラリティが来るかもという時代を予言していると思うのは、的外れ。 現在のAIみたいに大量のデータから統計的に正解を導くという仕組みのシステムに、種数のデータから推測で回答を出す人間の脳を組み込んだら、破綻してしまうと思う。
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人間の脳を機械の中に移植するSFとして最初期の作品であり、トラウマ本としても知られるジュヴナイル。この救いのない作品を少年少女向けに紹介していいのか?という思いと、こういう作品だからこそ読んで欲しいという思いが相半ばする。子供の頃に読んで何となく心にひっかかり、大人になって再読して哲学的・宗教的にあれこれと考える、という読み方の出来る本だ。SFとしてはそれほど特異なわけではないが、詩情溢れ考えさせられるラストが印象に残る。子供のうちに読んでおきたかった本だと言えよう。
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「ハッピーエンドではない」という事と「ゴセシケ」という妙に記憶に残る単語が気になったので(情報源は「バーナード嬢曰く」)読んでみた。 幼少期に読んでいたら結構なトラウマ体験を植え付けられたかもしれないが、既に汚い大人なので普通にハッピーエンドだと感じた。 まぁ主人公含め主要人物は全員死ぬのだが志半ばではなくきちんと目的を達成しているので後味の悪さは無かった。 しかし私が想像していた「何者かの謀略による事故で脳だけになった主人公が合成生物を手足として復讐を目論んでいたのだが、次第にその合成生物達が自我を持つようになり人類に取って代わる」という展開ではなかったので少々拍子抜けした。 いや、そんな話だったら子供にはトラウマどころの騒ぎではないかもしれないが。
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けっこう重いテーマというか、ネタというかなので、いちいち平仮名で子供向けな表現をしているのとのギャップがすごい。ページ数を少なくするため?か、あっさり殺すし、ていうかめっちゃ人が殺されてて、こりゃ江戸川乱歩もビックリだよ。死んだり生き返ったり、でも実は死んでたり、やっぱり死んじゃ...
けっこう重いテーマというか、ネタというかなので、いちいち平仮名で子供向けな表現をしているのとのギャップがすごい。ページ数を少なくするため?か、あっさり殺すし、ていうかめっちゃ人が殺されてて、こりゃ江戸川乱歩もビックリだよ。死んだり生き返ったり、でも実は死んでたり、やっぱり死んじゃったりと、忙しく。 最後の展開も、もうちびっこ達には意味不明というか、レベル高すぎ。でも大人は大人で、なんで二人はキレイになったの、ってそこだけファンタジーじゃんか、納得いかん、ってなるし。 などと文句を言いつつ、さらっと読めて楽しげだったんだよね。でもこんな本ばっか読んでるちびっ子は面倒くさそうで嫌だ。
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「冒険ファンタジー名作選」1期、2期まとめて全20巻を大人買い。これが『ゴセシケ』かぁ。確かに子供のころに読んでいたらトラウマになりそうなハードなストーリー。ゴセシケ自体は終盤までは、犬になぶり殺しにされたりと、なにやら可愛らしい印象も。(笑
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とあるブックカフェで ~トラウマシリーズ~ などというおどろおどろしいタイトルで紹介されていた。 トラウマシリーズと称して幾つかの本が並べられているのを眺めていると、表紙にとても可愛らしい怪物が描かれている。 興味を惹かれて手に取ってみると、オーナーさんから「以前に読まれたことが...
とあるブックカフェで ~トラウマシリーズ~ などというおどろおどろしいタイトルで紹介されていた。 トラウマシリーズと称して幾つかの本が並べられているのを眺めていると、表紙にとても可愛らしい怪物が描かれている。 興味を惹かれて手に取ってみると、オーナーさんから「以前に読まれたことが?」と聞かれた。 残念な事に初めて手に取ったのだが…どうやらその時行っていたトラウマシリーズの紹介は、「子どもの頃トラウマになった本を。もう一度読み返したくなってしまうような本を。」ついでにトラウマを蘇らせちゃえといったような、お茶目な企画だったらしい。 「合成怪物の逆しゅう」は対象年齢が小学校中学年~中学生。 小学3・4年生も対象に入ってるの?!と思ってしまうような内容。 文章はばっちり平仮名と簡単な漢字のみ。そのおかげで悲劇的な場面が少しはマイルドに……なってなかった。むしろ平仮名で書かれ、簡潔な表現によって淡々と語られてしまっている為に効果が倍増しているように思う。 SFとしても内容が濃い。ここから長編に書き直しても面白いだろうなあ。 子どもの頃に読むのと・成長してから読むのとでは違った感想が出て来易い、ある意味読書感想文にはもってこいのお話である。
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頭のいい人を殺して、その人の脳を装置の中に入れてコンピュータにする、国家権力・人工頭脳センターに立ちむかう、脳の逆襲。 60年前に書かれた本とは思えないし、児童書とは思えない…。 痛快に読み進んでいける本なのに、じつはいろんなメッセージが隠れている。いや、深く考えなくても、怪物、きもちわるー!でもがんばれー!って、そういう本。そしてラストは切ないのです。
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小学生の頃に図書館で読んだ時は「ゴセシケ」の登場する怖い話という印象だったと思う。 読み直してみると子供向けにしてはハードな内容で、大人でも十分楽しめる短編SF小説だった。
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