汀にて の商品レビュー
内容(「BOOK」データベースより) 身を潜めていた修道院を抜け出し、長崎・五島列島に向かった朧とアスピラントの教子。島に残る隠れキリシタンの痕跡を巡る旅の中、朧は“殺人者の横貌”を垣間見せる。そして教子は自分が心身ともに朧に囚われてゆくことを確信した。『ゲルマニウムの夜』に始ま...
内容(「BOOK」データベースより) 身を潜めていた修道院を抜け出し、長崎・五島列島に向かった朧とアスピラントの教子。島に残る隠れキリシタンの痕跡を巡る旅の中、朧は“殺人者の横貌”を垣間見せる。そして教子は自分が心身ともに朧に囚われてゆくことを確信した。『ゲルマニウムの夜』に始まる『王国記』シリーズ第三弾は、『汀にて』と『月の光』の二編を収録
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『王国記』シリーズの3作目。とはいいつつ、本作の舞台は「王国」つまりは修道院兼教護院を飛び出しており、語り手は2作品とも朧ではない。ただ、作品じたいのクオリティにはとくに影響しておらず、むしろ個人的には前作よりもおもしろく読めた。やはり眼を引くのは朧の人物造形で、間違っても立派な...
『王国記』シリーズの3作目。とはいいつつ、本作の舞台は「王国」つまりは修道院兼教護院を飛び出しており、語り手は2作品とも朧ではない。ただ、作品じたいのクオリティにはとくに影響しておらず、むしろ個人的には前作よりもおもしろく読めた。やはり眼を引くのは朧の人物造形で、間違っても立派な人間とは呼べないであろうが、それでもなぜか心惹かれてしまう。あまりに衒学的な場合、通常は厭味な感じになってしまうが、朧の場合はそれが幼さの象徴として機能していて、こういう描写のしかたはじつは非常にレヴェルが高いと思う。ほかにも、このシリーズには、人間的にはどうしようもなくクズで、実在していたら間違いなく心底軽蔑してしまうような人物が何人も登場するが、それにもかかわらず、彼らの一挙手一投足を読んだあとにはなぜだか共感してしまうことが多い。なぜだろうと考えてみれば、それはやはり善人であれ悪人であれ誰もが多かれ少なかれ抱いているような感情を率直に描いているからではないか。トマス・ホッブスは「万人の万人に対する闘争」という語句で「自然状態」を規定したが、ちょうど人間の本質がそのようなところにあるとすれば、このシリーズで描かれている世界は、まさにこのことにほかならない。ヘンにウソで彩らない姿勢が、嫌悪感よりもむしろ行為を抱かせる結果となっている。わたしがこのシリーズに惹かれてしまう理由も、こういったところにあるのかもしれない。
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3巻で完結する物語かと思いきや、まだまだ続くのね…。こうなったら最後まで読むよ。痛いシーンや気持ち悪いシーンが激化しないといいなあ。 朧君は心に残ることを言う。知に淫している、と自尊心の奴隷だ、がお気に入り。 長崎の、鎖国中に独自の進化を遂げてガラパゴス化したキリスト教のエピソー...
3巻で完結する物語かと思いきや、まだまだ続くのね…。こうなったら最後まで読むよ。痛いシーンや気持ち悪いシーンが激化しないといいなあ。 朧君は心に残ることを言う。知に淫している、と自尊心の奴隷だ、がお気に入り。 長崎の、鎖国中に独自の進化を遂げてガラパゴス化したキリスト教のエピソードが面白い。長崎にいってみたくなる。
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シリーズ3作目も期待を裏切ることなく、 独特の色彩の中に引き込まれた。 露骨な性表現やグロテスクな汚物表現満載なのに、 読後感は悪くない。 作者の器の大きさの為せる業だ。
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王国記第3弾。 教子と朧の何気ないやり取りから窺える宗教の意味。 造花の場面が好きです。 教子が可愛らしく思えました。
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教子という女性の視点で描かれた物語。「宗教とは排除である」という言葉、そしてお墓に供えられている造花。とても印象に残った。
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彼女の視点で読めたのは、また斬新でした。月の光は読んでてむかむかした…馬鹿だなあと思う反面、仕方ないとも思ってしまう。
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教子と朧が修道院を抜け出す、第3巻。 世間に出てからの二人の会話が可笑しい。それまで有無を言わせぬ力があった 朧のセリフにそれがなくて、あしらう教子との関係から、この後 朧はどう書かれるのか、ここまできて前ふりが長すぎたような感じすらする。 「無」も、朧のただの屁理屈にすぎない。
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