国盗り物語(三) の商品レビュー
基本的に明智光秀目線で話が進んでいっていて、・・・明智いがいと悪い人ではないのだなぁと思いました。 なるほど、織田とは、主と家来というよりは「道三の弟子」の二人だったのね。まったく知らなかった・・・!
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国盗り物語、いよいよ後半戦である。主人公は前2巻の斎藤道三から、織田信長&明智光秀へとバトンタッチしていく。本作品では信長と光秀をあくまで道三の弟子同士のライバルとして描いている点が特徴的である。特に、光秀の信長への意識がかなり強い。この点が、本作品のフィナーレである本能寺の変へ...
国盗り物語、いよいよ後半戦である。主人公は前2巻の斎藤道三から、織田信長&明智光秀へとバトンタッチしていく。本作品では信長と光秀をあくまで道三の弟子同士のライバルとして描いている点が特徴的である。特に、光秀の信長への意識がかなり強い。この点が、本作品のフィナーレである本能寺の変への伏線となっており読者の気持ちを盛りたてていくのだ。 今回も以下に、興味深かった記述を引用したい。 ・「城中、何百の人間が駆けまわって葬儀の支度ばかりしている。僧侶を何百何千人呼び、供華を山ほどに飾っても父(信秀)の生命は蘇らぬ。古来、何億の人が死んだが、いかに葬式をしても一人も蘇ったものはないわ。だから無駄じゃというのじゃ。何の役にもならぬものに熱中し、寺に駆け入り、坊主を呼び、経をあげさせてぽろぽろと涙をこぼしおる。世の人間ほど阿呆なものはない」 ・「馬鹿め、人の世はもともと、不吉なことだらけだ。人の世が吉であれかしと祈っている世間の者こそ、よっぽど変人だ」 →信長の、妻:濃姫に対する言である。この一文で信長が観念論を否定し唯物論を主張している点が読み取れる。私が信長を好きな理由はこんな点にあるかも知れない。 ・「よいか、そちはいくさで偵察にいく。敵のむらがっている様子を見て、そちはとんで帰ってきて『敵が大勢むらがっておりまする』と報告する。ただ大勢では分からぬ。そういう時は『侍が何十人、足軽が何百人』という報告をすべきだ」 →信長が家臣に指示した言葉。これは現代の仕事にも言える。具体的な数字を絶えず意識して判断しなければいけない。「来客者が多かった」「請求書が山ほど溜まっている」などというよりも、その中身の数字を把握すべきなのだ。 ・「むずかしい大将じゃと人は言うが、なんの一つ鍵がある。この大将を好いて好いて好きまくって、その方角からのみひとすじにあたっていけば、以外に人情脆いところがある」 →信長の家臣:佐久間七郎左が信長を評した言葉。苦手な上司などと関わりを持たねばならない場合、こんな接し方、攻め方もあるのだ。 ・「くだらぬ双六だったと思うか。人の世はたいていそんなものさ。途中、おもしろい眺めが見られただけでも儲け物だったと思え」 →道三晩年の言葉である。虚無感の中にあって実利的な、道三らしい人生観である。 ・「ともかく若い間は行動することだ。めったやたらと行動しているうちに機会というものはつかめる」 →道三が光秀に語った言葉。行動の大切さが凝縮された言である。
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斎藤道三が死に、その婿の織田信長に話が移ると思いきや、後半のほとんどは道三の正室の小見の方の甥である明智光秀がメイン。 どうやら、司馬遼太郎は明智光秀が好きらしい。というか、そう書いてある。 足利家復興のために尽力する姿は新撰組と似ていると思った。
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主人公は尾張の織田信秀の息子、信長へと移る。 美濃の庄九郎(斎藤道三)は隣りに位置する尾張との関係を考え娘である濃姫を信長へと嫁がせる。 噂のうつけ殿とは違い、何かを感じた庄九郎は、彼に天下統一の夢を託して果てる。 唯一の理解者であった父親と道三を失った信長はその才覚...
主人公は尾張の織田信秀の息子、信長へと移る。 美濃の庄九郎(斎藤道三)は隣りに位置する尾張との関係を考え娘である濃姫を信長へと嫁がせる。 噂のうつけ殿とは違い、何かを感じた庄九郎は、彼に天下統一の夢を託して果てる。 唯一の理解者であった父親と道三を失った信長はその才覚を序々に開花させる。 時同じくして、明智十兵衛光秀は道三の才能を余すことなく受け継いでいた。それは若きころの庄九郎と似ているとおまあに言わせるほどであった。 彼は斎藤道三が亡くなったために一城の主から浪人へと転落するも将軍家の再興を果たすために各地を回る。また、濃姫とは従兄弟の関係にもあり、一時は将来が約束されたかのようにも見えたこともあった。 信長と光秀が京へと上る日くるのか… 道三の愛弟子たちが合い間見えるのか… また天下の行方は…
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第3巻、織田信長前編。 信長ってあんな奇人だったんだね。中学の社会までの知識しかないから「鳴かぬなら殺してしまおうホトトギス?」とかしか知らなかった・・・ 残忍!っていうイメージだったけど、親密な者(例えば正妻の濃姫、(お濃))に対しては情があったんだなーと。 いつの時代も、閉...
第3巻、織田信長前編。 信長ってあんな奇人だったんだね。中学の社会までの知識しかないから「鳴かぬなら殺してしまおうホトトギス?」とかしか知らなかった・・・ 残忍!っていうイメージだったけど、親密な者(例えば正妻の濃姫、(お濃))に対しては情があったんだなーと。 いつの時代も、閉塞感を打ち破るのは常識離れした人間な気がする。 今の時代にはそんな人いるのでしょうか? 自分は常識で凝り固まってしまっています。
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いよいよ織田信長編。桶狭間の奇跡的勝利の描写は随一。濃姫とのむつまじいやりとりなど、意外に人間らしい信長の一面が。
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6/29 読了 織田信長編に入りました。信長の奇人ぶりは、やはり当時としては相当なものだったようだが、その功利主義的な行動は目を見張るものがある。明智光秀も相当イケメンとして描かれていた。面白かった。
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「おぬしは、人間か」 と、光秀にしては間のぬけた問いを発してしまった。 「人間だ」 相手は落ち着いて、その愚問に答えた。人間とすればよほど出来た男であろう。 とぼけた光秀が可愛くてにやにや。
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後半の信長編。 ちゃんと歴史物を読んだことがないので、信長について知らなかったかも、って思いながら読んでいます。 前半とは作風が違う気がするのは気のせいかしら? 人生の中身が違うのか興味が強かったのが斉藤道三だったせいか、信長編になってから読むペースが落ちてしまいました。
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ああ、道三の若いころの勢いがなくなりさみしく感じた。代わって道三の娘婿信長の話になります。光秀も出てきます。
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