人間の安全保障 の商品レビュー

佐藤誠(編者),安藤次男(編者)

2015/05/16

人間の安全保障への脅威が持続し悪化するのは、国家の怠慢すなわち政治的意思の欠如に棋院すると本当にいえるのだろうか。もし国家および現存する国際的システムが、グローバル化し、今もなおグローバル化しつつある世界の運営のために必要であるのならば、そして、国家の政治的・敬愛的性質が、かくも巨大な人類の受難に責任がありかつ（または）非応答的であるのならば、「安全保障の今日的課題」の規範的かつ実際的な機動力がどういうものでなければならないかは自明である。すなわち、われわれは国家の利益と優先事項を新たに方向付けなければならないのである 。

どのような人間や人間集団を念頭において「安全が保障されるべき客体は人間であると」主張しているのか。学術的な議論の場において有力な見解の1つに、国家安全保障と「人間の安全保障」は対立する概念ではないとの解釈がある 。