子どもが減って何が悪いか! の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
煽り系のタイトルに驚きますが 中身はいたってまじめな統計のからくりを ほどいていく本でもあります。 有意差等懐かしい言葉が出てきて ちょっとにんまりした本でもあります。 (一応多少なりとも統計学は学んだので) 要するに、いかにも説得力がありそうな 少子化に関する統計が ちょっと条件を変えてみるだけで データなんぞはいくらでも都合よくできるということ。 そしてそれを鑑みて大事なのは どの選択肢を選んでも、問題ないような 社会を作らねばならないということ。 ま、今の上世代のがいたら無理だわな(笑)
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この本を読んで、改めて、少子化対策がことごとくうまくいっていないのは、「各対策にそもそも効果がない」、あるいは「前提が間違っている」という思いを強くしました。 少子化は、ある意味、自然な流れなので、それを前提にした社会設計には大賛成です。 もちろん、男女平等の実現は大前提。...
この本を読んで、改めて、少子化対策がことごとくうまくいっていないのは、「各対策にそもそも効果がない」、あるいは「前提が間違っている」という思いを強くしました。 少子化は、ある意味、自然な流れなので、それを前提にした社会設計には大賛成です。 もちろん、男女平等の実現は大前提。 以前読んだ、『昔話はなぜ、お爺さんとお婆さんが主役なのか』や『デフレの正体』の内容とも合致しており、非常に納得できる内容でした。 「誰が正しいか」ではなく「何が正しいか」という視点の大切さを改めて感じた、という意味でも有意義な本でした。
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リサーチリテラシーを軸に、子供が減るということの本当に意味するところを問い直す。決して少子化を積極的に推進しようとしている訳ではなく、あくまで少子化の意味するところって、本当に世間一般に言われているようなものなのですか?ってことを、真摯に再考している内容。
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再読。 一つ一つの主張にしっかりとデータをつけ、実名を挙げて反論する論の進め方は、やはり説得力があるし痛快。 ただ、今って著者の予想とはちょっと違って、ゆるやかに少子化は解消してきてるよね。 これをどう考えるべきか。「パート2」をぜひ執筆してほしいなあ。
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少子化はたしかに問題であるかもしれない。しかし、出生率を回復させるための方策は、コストに見合わない結果しか残していない。それよりも、少子化は不可避の条件として、それを織り込んだ社会制度決定をするべきだ。 という主旨を、衝撃的な裏付けをもって主張するのがこの本。いままでのデータ...
少子化はたしかに問題であるかもしれない。しかし、出生率を回復させるための方策は、コストに見合わない結果しか残していない。それよりも、少子化は不可避の条件として、それを織り込んだ社会制度決定をするべきだ。 という主旨を、衝撃的な裏付けをもって主張するのがこの本。いままでのデータ分析・およびそれに基づく政策の問題点を鋭く追求している。 仕事と子育てのトレードオフを解決できれば子供は増えるか? 子育て支援をすれば子供は増えるか? 本書はこういった「少子化対策」について説得力ある考察をしている。のみならず、少子化によって起こりうるデメリットに対してもがんばって答えようとしている。 統計の扱いなどに納得できる説得力があると同時に、読み物としても著者の思い入れやルサンチマンが強く表明されていて読み応えがある。読んで楽しい好著。
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リサーチ・リテラシーについての本。 データに騙されるな!という『社会調査のウソ』の実践版という感じかな。 著者は問いと答えを以下のように記している。 p.24 ・男女共同参画は少子化対策と結びつくべきなのか。→「否」 ・少子化は問題なのか→「多少、問題」 ・仮に少子化が問題だと...
リサーチ・リテラシーについての本。 データに騙されるな!という『社会調査のウソ』の実践版という感じかな。 著者は問いと答えを以下のように記している。 p.24 ・男女共同参画は少子化対策と結びつくべきなのか。→「否」 ・少子化は問題なのか→「多少、問題」 ・仮に少子化が問題だとして、出生率回復策で対応することが容易ことなのか→「否」 ・出生率の回復よりも、優先すべき課題はあるか→「ある」 ・少子化を食い止めることは可能か→「不可能」 ・人口減少社会が到来する今後、どのような政策が望ましいか→「出生率低下を与件とする制度設計が望ましい」 これらの問答に「えっ」と感じた方は是非読んで欲しい。 少子化のメリットデメリットについての言説も興味深い(私も著者もそれを支持しているわけではない)。 pp.119-121 【メリット】 ・住宅問題の解決 ・財政の好転 ・通勤地獄の解消 ・レジャーをより楽しめる ・高齢者や女性の基幹的雇用が確実になる (森永卓郎『<非婚>のすすめ』 pp.175-177) 【デメリット】 ・人口減少、若年労働力の減少により、日本経済社会の活気が失われ、衰退する。子どもや若者をターゲットとした産業(教育市場やおもちゃ産業)が衰退する。 ・若者は新たな産業への順応性が高く、新製品開発などの創造性が高いと考えられるため、若年労働力が減少すると、全体の労働生産性が低下する。 ・高齢化に伴い、年金や社会保障費が増大する。が、少子化のため給付が減る。 これらについてさらに突っ込んで議論している。特に年金制度に強い思い入れがあるのか詳述している。私も著者同様に積み立て方式を支持したい。いままで割賦方式で払っていた人たちの年金をどうするのかという問題には答えられないが、私がもらうならこれがいいな。変に長生きしたら大変そうだが。 最もに興味深いのが、第6章。特にハイパーガミー(女性が自分より地位の高い男と結婚する)が面白い。経済が低成長に転じると、自分の父親より経済力がない男が増える。そんな男と結婚して生活水準が低下するくらいなら、実家で両親と暮らした方がまし、という説は経験からしても納得。まぁ、お金だけで決めるのではないことはわかっているが。『結婚の社会学』と『パラサイト・シングルの時代』が読みたくなった。 (まっちー)
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少子化問題について、ひらきなおりか? 著者の明確な主張が、いまいちよく分からなかった。 「性への自由」と「性からの自由」とは。 結論、少子化問題への解決策などない。子供を生む、生まないは、選択の自由がある。しかし、少子化に伴い、デメリットとなるのは、年金問題が挙げられる。老人=も...
少子化問題について、ひらきなおりか? 著者の明確な主張が、いまいちよく分からなかった。 「性への自由」と「性からの自由」とは。 結論、少子化問題への解決策などない。子供を生む、生まないは、選択の自由がある。しかし、少子化に伴い、デメリットとなるのは、年金問題が挙げられる。老人=もらえない。若者≒負担増。産む女性からすれば、機会費用の減少(性差別ともからむが)。また、何をもって、少子化とするか、データの取り方、使い方にも疑問が残る。重回帰分析?よく分からず。原因の無いところに結果も無い。
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少子化の話というより、データの正確性の話でした。常識のように使われているデータ、たとえば「女性の就業率が高い国ほど子供が多い」などといった統計は、ものすごくチャチいヤラセだったりする。
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2004年発行。「男女共同参画社会は、少子化を防げるか」というテーマについてリサーチ・リテラシーの観点で検証、また、少子化の弊害に対して子どもを増やすして対応するのではなく、少子化と人口減少をすでにある事実・与件・前提としたうえで、選択の自由と負担の分配に配慮した制度を設計してい...
2004年発行。「男女共同参画社会は、少子化を防げるか」というテーマについてリサーチ・リテラシーの観点で検証、また、少子化の弊害に対して子どもを増やすして対応するのではなく、少子化と人口減少をすでにある事実・与件・前提としたうえで、選択の自由と負担の分配に配慮した制度を設計していくことが訴えられている。少子化のデメリットの一つ、少子高齢化が進むことによる年金制度などの破綻。そもそも年金制度自体を見直すべきというのは著者同じく常々思っている。今の状態で子どもが増えても現役世代にとっては扶養という負担が増すというのはなるほどと思った。
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全ての章に渡って、データを慎重に見ること、算出された数値をいかに解釈するか、子供を持つ・持たない家庭、結婚の意思がない人への配慮など、選択の自由に重きを置いて男女共同参画社会と少子化の関係について批判的に論じている。「子供を育てやすい社会になれば一件落着」とマスコミが伝える情報を...
全ての章に渡って、データを慎重に見ること、算出された数値をいかに解釈するか、子供を持つ・持たない家庭、結婚の意思がない人への配慮など、選択の自由に重きを置いて男女共同参画社会と少子化の関係について批判的に論じている。「子供を育てやすい社会になれば一件落着」とマスコミが伝える情報を鵜呑みにしていた自分に、衝撃と自分で考えることの大切さを気づかせてくれた一冊。
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