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国盗り物語(一) の商品レビュー

4.3

188件のお客様レビュー

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2009/10/07

不勉強な者で、斎藤道三という人を知らなかった私ですが、いつもながらの 魅力的な人物描写に魅了され、楽しく読めました。 戦国時代の群雄割拠な時代背景というのがどんな雰囲気だったのか、分かりやすくて とても楽しいです!

Posted byブクログ

2020/07/15

この小説が面白いのは、主人公がいわゆる「いいヤツ」ではなく、どちらかというと「悪いヤツ」だという、ピカレスク小説であることだ。 戦国大名の中でも、斉藤道三というのは、出自がただの僧侶であるというところが相当変わっている。何の権力も仲間もいない一人の男が、本当の裸一貫から始めて、一...

この小説が面白いのは、主人公がいわゆる「いいヤツ」ではなく、どちらかというと「悪いヤツ」だという、ピカレスク小説であることだ。 戦国大名の中でも、斉藤道三というのは、出自がただの僧侶であるというところが相当変わっている。何の権力も仲間もいない一人の男が、本当の裸一貫から始めて、一国の主にまで成り上がっていくというのは、最高に痛快な物語だと思う。 その天下統一の志は、後に信長、秀吉へと引き継がれていくことを考えると、この道三こそはその大事業の先鞭をきった人物であって、それだけに、その器も才能も相当に大きい。 その型破りな思想と智謀から起こるエピソードには面白い場面がたくさんあるのだけれど、特に、最高に良かったのは、次の場面だった。 ・絶世の美女の深芳野を、美濃国の地頭である頼芸から奪う場面(1巻p.441) ・内親王である香子に、美濃に来るよう説得する場面(2巻p.39) ・お万阿を助けに行く時、赤兵衛を殴りつける場面(2巻p.299) この道三とほとんど同年にイタリアで生まれたマキャベリのことが、小説の中で引き合いに出されているのだけれど、その「君主論」で描かれているところの理想の君主に非常に近い資質を持った道三という人物が、遠く離れた日本という国に存在していたということはとても面白い。 斉藤道三や明智光秀は、一般世間的には悪役のイメージのほうが強いキャラクターだけれども、司馬遼太郎氏の視点からは、逆に、この二人にこそとても強い愛着を持っているのだということがよくわかる。その意味で、教科書的な価値観とはまったく違った視点を与えてくる、歴史の醍醐味を存分に含んだ小説だと思う。 (僧房の生活は退屈だった) しかし無益ではなかった。学んだものは法華経である。内容は愚にもつかぬ経典だが、法華経独特の一種、強烈な文章でつづられている。すべてを断定している。はげしく断定している。天竺語を漢文に訳したシナの訳官の性格、文章癖がそうさせたものか、どうか。それはわからない。(p.125) 「わしはいつも街道にいる。街道にいる者だけが事を成す者だ。街道がたとえ千里あろうとも、わしは一歩は進む。毎刻毎日、星宿が休まずにめぐり働くようにわしはつねに歩いている。将軍への街道が千里あるとすれば、わしはもう一里を歩いた。小なりとも美濃の小地頭になった。」(p.342) 「お万阿、世のこと宇宙のことは、ニ相あってはじめて一体なのだ。これは密教学でいう説だが、宇宙は、金剛界と胎蔵界の二つがあり、それではじめて一つの宇宙になっている。天に日月あり、地に男女がある。万物すべて陰陽があり、陰陽相たたかい、相引きあい、しかも一如になって万物は動いてゆく。宇宙万物にしてすべてしかり。一人の人間の中にも、陰と陽がある。庄九郎と勘九郎はどちらが陰か陽かは知らぬが、とにかく、厳然とこの世に二人存在している。お万阿、疑わしくば美濃へ行ってみるがよい。勘九郎という男はたしかに実在している。」(p.345) 「もし深芳野様を頂戴しましたあかつき、それにかわるものとして、殿のお手もとに美濃一国を差しあげまする。 殿、大志を抱かれませ。この西村勘九郎がこのひと月のうちにみごと殿のために美濃の国主の座を奪ってさしあげまする」(p.444)

Posted byブクログ

2009/10/04

斉藤道三カッコヨス。かっこよすぎる。 1・2巻は道三編、3・4巻は信長(光秀)編ですが 私は1・2巻の道三の化け物っぷりが好きです。 3・4巻は信長&光秀両方の話に行ったりきたりちょっと疲れるかも。 でも光秀の苦悩は読みどころだと思います。

Posted byブクログ

2009/10/07

のちの斎藤道三・松波庄九郎が美濃一国を自分のものにしよう――盗ろうと画策し活躍する。最初は乞食の身分だったのにあれよあれよと油屋になったり執事になったり、まさに計画通りキラーンな行動力にはびっくりです。 獣のように溢れる野性味もありながら坊主だったので理知的なこともばしばし語れる...

のちの斎藤道三・松波庄九郎が美濃一国を自分のものにしよう――盗ろうと画策し活躍する。最初は乞食の身分だったのにあれよあれよと油屋になったり執事になったり、まさに計画通りキラーンな行動力にはびっくりです。 獣のように溢れる野性味もありながら坊主だったので理知的なこともばしばし語れる庄九郎sugee!な前編でした。そしてどうでもいいけどえろひ。司馬遼のえろ描写ってほんとうっとりあつーくなれるよな… 後編も楽しみ。どうやって乗っ取るのかな…

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2009/10/04

とりあえず。 斉藤道三についてまったく知らなかった。こんなに魅力的な人物だったとは。 ほとんど身一つで、どんどん出世していく。封建社会のことだとは思えない。 戦国武将っていうものはなんだかんだいって血筋がすべてだと考えていた。 あまり知能は必要ではなく、武芸もそれほどではないと...

とりあえず。 斉藤道三についてまったく知らなかった。こんなに魅力的な人物だったとは。 ほとんど身一つで、どんどん出世していく。封建社会のことだとは思えない。 戦国武将っていうものはなんだかんだいって血筋がすべてだと考えていた。 あまり知能は必要ではなく、武芸もそれほどではないと思っていた。 だけど、そうではなかった。 やはり歴史に名をのこすということは、その人のちからによるものなんだと考えるようになった。 のし上がるためには、とくに権謀算術へのこころの細やかさが必要なようだ。 考えることまでならできるが、それを実行し、我欲をすてて、時期を待つというのが難しい。 その我欲を捨てるためには、野望が必要だなぁ。

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2009/10/04

戦国時代の最も早い時期になりあがって戦国大名として名を馳せた齊藤道三の物語。 岐阜の話というだけあってやはり身近な地名が多くそれだけでもおもしろい。 前半から後半の道三が成り上がるところは非常に展開もスリリングであり、面白いが後半の道三が老いてからはややトーンダウンか。 この時期...

戦国時代の最も早い時期になりあがって戦国大名として名を馳せた齊藤道三の物語。 岐阜の話というだけあってやはり身近な地名が多くそれだけでもおもしろい。 前半から後半の道三が成り上がるところは非常に展開もスリリングであり、面白いが後半の道三が老いてからはややトーンダウンか。 この時期を描いた司馬作品は歴史観というよりも出し抜き合戦のような戦国時代のなかで生きる人間ドラマ的要素が多く読み物としては面白い。

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2009/10/04

男一代出世紀行。美濃のマムシ、かっこいいー。だまされるかも。笑 やっぱ、道三時代がおもろいです。信長・光秀時代は、ちょっと勢い落ちちゃったな。

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2009/10/04

戦国前期の混沌から、斎藤道三が美濃一国を盗る、その過程が実に興奮します。「国盗り」という生々しいタイトルから連想されるようなハードな展開よりも、道三の男としての魅力が強く印象に残ります。私が変なのかわからないですが、道三の言っていることは全て正論で、正義のように感じます。ヤられた...

戦国前期の混沌から、斎藤道三が美濃一国を盗る、その過程が実に興奮します。「国盗り」という生々しいタイトルから連想されるようなハードな展開よりも、道三の男としての魅力が強く印象に残ります。私が変なのかわからないですが、道三の言っていることは全て正論で、正義のように感じます。ヤられたかな、庄九郎に(笑)

Posted byブクログ

2009/10/04

初めて読んだのは小学校高学年のとき。親父に借りて読んだ。 当時日本史(特に戦国時代)に異常なまでに興味があり、ついには司馬遼太郎の名作に手を出すにまで至った。ストーリーも面白くスラスラ読んだが、分からない箇所も多かった。一部の卑猥な箇所の対処に苦慮した思い出がもはや懐かしい。

Posted byブクログ

2009/10/04

世は戦国、乱世。何も持たない乞食が、いかにして京の大富豪になり、そして大国美濃に食らいつくかを描く第1巻。果たしてこんな御仁が今の世にいるかと問われれば、はなはだ疑問ではあるが、その権謀術数の魅力に取り付かれ、思わず一気読み。

Posted byブクログ