虚妄の成果主義 の商品レビュー
この本を中小企業診断士の企業系理論を受講中に読んでいたら、組織論について理解がもっと深まったと思う。
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サブタイトルは「日本型年功制復活のススメ」です。成果に対して、次の面白い仕事で報いるやり方こそが日本企業の発展の基礎~以前勤めていた伝統的な日本企業をイメージすると思い当たるところあるなー。そもそも人間はお金ではなく内発的な動機で仕事をするという断言はすごい勢いの文章です。
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2010.5.5 タイトル通り年功制のすすめ。 科学的管理法。動機付け衛生理論。内発的動機づけ理論。 といった歴史を振り返りながら、年功制のメリットをとく。 ポイントは「人が働くのは金のためではないってこと。」 職務満足と職務不満足は別々の要因によるってのは勉強になった。 中...
2010.5.5 タイトル通り年功制のすすめ。 科学的管理法。動機付け衛生理論。内発的動機づけ理論。 といった歴史を振り返りながら、年功制のメリットをとく。 ポイントは「人が働くのは金のためではないってこと。」 職務満足と職務不満足は別々の要因によるってのは勉強になった。 中身そのものは良いんだけど、伸夫さんの語り口調というか、議論の組み立て方はなんとなく好きになれないなぁ。
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『はじめに』 ・私がこの本で主張していることは,給料で報いるシステムではなく,次の仕事の内容で報いるシステムである,日本の人事システムを復活させることである. 『日本型年功制のどこが悪いのか』 ・同期の中で「エース級」だという人に対する社内評価は一致していたことがわかった.また...
『はじめに』 ・私がこの本で主張していることは,給料で報いるシステムではなく,次の仕事の内容で報いるシステムである,日本の人事システムを復活させることである. 『日本型年功制のどこが悪いのか』 ・同期の中で「エース級」だという人に対する社内評価は一致していたことがわかった.また,「箸にも棒にもかからない」人についても社内評価はほぼ一致していた.考えてみれば,これら以外の普通の人については,細かく評価に差をつける必要もないのである. ・基準が客観的の副作用.毎年査定されると明言されれば,誰もが年以内に「成果」を出せる仕事を選び,低い目標を立てる.調子の良い部門と悪い部門によって,個人の業績も変わる. ・あらかじめ結論を先に言っておこう.誤解を恐れずに明言すれば,単純な「賃金による動機づけ」は科学的根拠のない迷信である.デシの実験. ・そもそも年功序列は日本型の人事システムの核心を突いた表現ではない.年齢型生活保障給型の賃金カーブの形状を指している. ・「日本型年功性」に求める改善の余地. ①制度的に給料に差はつけれなくても,自分なりに部下の将来を考えて評価をおこなっているということを明確に部下に示すこと. ②単に評価するのではなく,部下にどの仕事を与えるのか,細かく気配りをすべきである. ③どんな大企業であっても,課長クラスぐらいまで千人程度の人については誰が今どこで何をしていて,どんなキャリアパスを歩んでいるのか,常に関心を持ち続ける努力をすべきである. 『日本的経営の評価をめぐる右往左往』 ・日本でバブル崩壊が起きたのは「日本的経営」のせいなのか?理性的に考えればおかしいと気付くこと. 『人が働く理由を知っていますか?』 ・テイラーは,①人間は楽をしたがる.②組織的怠業の説を唱えたが,①は間違い. ・デシがまとめた命題.もし,ある人の有能さと自己決定の感覚が高くなれば,その人の満足感は増加する. ・多くの場合,外的報酬は内発的動機付けを低下させているのである.外的報酬の二つの側面. ①提供することにより,受け手の行動を統制し,特定の活動に従事させ続けることを狙っているもの. ②報酬の受け手に,彼もしくは彼女が自己決定的で有能であることを伝える情報的側面である. 『未来の持つ力を引き出す』 ・社長になる人に必要な能力と,部課長になる人に必要な能力は違う.部課長には,経営方針が決まったあとの現場での実効能力が求められる.対して,経営者には方針や戦略それ自体のアイデアが求められる.社長に必要なのは,過去の実績ではない.社長からキーワードでもなんでもよいから何か一言を.「このプロジェクトを成功させたい.だめになるようなことがあったら,私は潔く責任を取る.だからついてきてくれ」との言葉があれば,社員は喜んでついていく. ・経営者の仕事は,確信に満ちて揺るがぬことである.社員に見通しを与え,明るい未来を指し示す. 『おわりに』 ・一人の人間が社会の中で評価されるようになるには,とにかく時間がかかる.逆風にさらされても,一貫して正論を掲げ,部下や後輩を守り育て,骨太に生きてきた人は,やがて力をつける.会社が必要としているのは,己の「保身のため」ではなく,「会社のために」本当に会社のことを考えて行動してくれる人物. ・本書で否定している成果主義とは,①できるだけ客観的にこれまでの成果を計ろうと努め,②成果のようなものに連動した賃金体系で動機付けを図ろうとするすべての考え方. ----------以下感想---------- 働き始めて,「人は報酬を動機付けとして働くのではない」という意味が分かった.最低限の報酬は必要だし,多額の報酬を貰えるのを聞いてうらやましく思うこともある. しかし,会社の中で自分を曲げず,責任を持って仕事をし,仕事の幅を広げて行くほうがよっぽどおもしろい.「報酬」よりも「能力」を高めることに重点を置いて仕事をしたい.
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(K) 日本に成果主義を導入しようという機運は1990年代に比べると下がってきているような気がする。富士通の成果主義導入における大失敗、日本が置かれている人員構成や経済状況から来る仕事観の変化など、一時は社員のやる気を喚起するシステムとしてもてはやされた成果主義に疑問を持つ人は増...
(K) 日本に成果主義を導入しようという機運は1990年代に比べると下がってきているような気がする。富士通の成果主義導入における大失敗、日本が置かれている人員構成や経済状況から来る仕事観の変化など、一時は社員のやる気を喚起するシステムとしてもてはやされた成果主義に疑問を持つ人は増えてきたような気がする。本書は、その成果主義の問題点に深く切り込んでいて、何となく感じていた成果主義の問題をスッキリと理解させてくれる。 本来なら人は金のために働くのではなく、人として生きることで得られる幸福感を得るために働くのである。しかし、そこに金という勘定しやすいものが介在するからややこしくなる。経済システムを上手く動かすために必要な金が人を惑わすそうだ。 人には未来がある、その未来をより明るいものにする日本型年功序列方式。こう考えると年功序列も決して否定されるものでもないように感じる。大切なのは、最終的に個々人がどれだけ幸せを感じるのかである。人生の多くを占める会社生活が持つ意味は大きく、そこから得られる満足感は家族、地域など広い範囲に影響を及ぼすのである。それだけに、日本型年功序列から得られる安定感というものは人生にとって価値あるものなのであろう。とはいっても、健全な競争はなくてはならないと思うが。
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中途半端な成果主義のお陰で、私の様なバカ壮年デブは、生き残れる。ありがたい制度である。日本の場合欧米の成果主義のようなスタンスは取れないのではなかろうか? 色々な意味で、この手の本は勉強になります。自分を見つめるために。
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人事施策に係わるコンサルタントやスタッフが、ビジネスの「一般常識本」として目を通しておくといい本です。 タイトルの煽情性や時代背景に後押しされて、多くのビジネスパーソンが目を通した本ですので、前述なようなプロフェッショナルがお客様や社内のステークホルダーと議論するとき、一応の「常...
人事施策に係わるコンサルタントやスタッフが、ビジネスの「一般常識本」として目を通しておくといい本です。 タイトルの煽情性や時代背景に後押しされて、多くのビジネスパーソンが目を通した本ですので、前述なようなプロフェッショナルがお客様や社内のステークホルダーと議論するとき、一応の「常識」として押さえておく必要はあるかと思います。 著者の主張の是非がポイントなのではなく、そのような主張があるということ理解しておくことが重要な類の本です。
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成果主義の欠点のみではなく、日本の給料体系や給料に対する経営(学)者の意見の移り変わりに関しても書かれている本。 さまざまな理論体系や過去の歴史から日本的経営の素晴らしさを説明しているのが大筋の流れでした。 しかし、今まで読んだ本(若者はなぜ3年でやめるのか等)と組み合わせて考え...
成果主義の欠点のみではなく、日本の給料体系や給料に対する経営(学)者の意見の移り変わりに関しても書かれている本。 さまざまな理論体系や過去の歴史から日本的経営の素晴らしさを説明しているのが大筋の流れでした。 しかし、今まで読んだ本(若者はなぜ3年でやめるのか等)と組み合わせて考えてみると、 やはり日本的給与体系の本当のポイントは『人を常に大切に扱うことを考え、無闇なリストラをしない』に尽きると思いました。 成果主義というのは人のことを考えなくてもいいシステム(日本的給与体系と比較して)となっているので、やはり運用が命となるということを実感しました。 ただ、給与体系関連のみならず、あるべきリーダー像といった、一見関係がなさそうないろいろな部分に話が飛んでいたため、それで少し一貫性が無いかなと思いました。 (運用が命ということを考えると、関係ないわけではないんですけどね)
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タイトルどおり、いわゆる「成果主義」を批判し、日本型の年功序列制への復帰を説く本である。タイトルは手厳しいが、内容はさまざまな研究の結果を積み上げたもので、実証的な態度と明確なロジックに貫かれている。いいかえれば、成果主義の導入がいかに非合理的で非論理的なものかを、本書は明らかに...
タイトルどおり、いわゆる「成果主義」を批判し、日本型の年功序列制への復帰を説く本である。タイトルは手厳しいが、内容はさまざまな研究の結果を積み上げたもので、実証的な態度と明確なロジックに貫かれている。いいかえれば、成果主義の導入がいかに非合理的で非論理的なものかを、本書は明らかにしようとしているといえる。 http://d.hatena.ne.jp/hachiro86/20061114#p1
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成果主義がいかに人のモチベーションをそいでしまうかを明らかにしたものです。成果主義で「お金で報いる」のではなく、年功制で「仕事で報いる」システムがモチベーションをあげるという点を先行研究や統計解析で実証しています。全般的に装丁に比べ、中身はしっかりした本ですが、年功制・成果主義の...
成果主義がいかに人のモチベーションをそいでしまうかを明らかにしたものです。成果主義で「お金で報いる」のではなく、年功制で「仕事で報いる」システムがモチベーションをあげるという点を先行研究や統計解析で実証しています。全般的に装丁に比べ、中身はしっかりした本ですが、年功制・成果主義の代替案を示していないという点では☆ひとつ減点。いままでの年功制に戻すことが可能なのであれば、☆は文句なしの5つです。
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