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ラス・マンチャス通信 の商品レビュー

3.3

19件のお客様レビュー

  1. 5つ

    3

  2. 4つ

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2018/03/22

歪。 世界観が独特過ぎて凄い。 自分にはちょっとキツい描写が少なくなくて、ご飯時(昼休み)にちょこちょこと読み進めようと思ったのが間違いでした。えらい時間がかかってしまいました(苦笑)。

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2017/02/12

 作品解説(帯より)僕は常に正しく行動している。姉を犯そうとした「アレ」は始末されるべきだし、頭の足りない無礼なヤンキーが不幸になるのは当然だ。僕のせいではない。でも、なぜか人は僕を遠巻きにする。薄気味悪い虫を見るように――  第16回日本ファンタジーノベル大賞 大賞受賞作  ...

 作品解説(帯より)僕は常に正しく行動している。姉を犯そうとした「アレ」は始末されるべきだし、頭の足りない無礼なヤンキーが不幸になるのは当然だ。僕のせいではない。でも、なぜか人は僕を遠巻きにする。薄気味悪い虫を見るように――  第16回日本ファンタジーノベル大賞 大賞受賞作  …ん?(帯を確認し、再度読み始める)………あれ?(帯にある「鈴木光司氏絶賛」を再確認する)…おかしいなあ。……いや、ひとりごとですので気にしないで下さい。  この作品は終始一貫して一人称で描写されていますので、周囲で起こる不可解な出来事は、主人公が自分で謎を解明するか、あるいは周囲の人物が主人公に説明する意外に、読者がそれを知ることは出来ません。にも関わらず、主人公の性格は「我関せず」。ラストだけは、キレイにまとめている印象を受けましたが、「アレ」「施設」「次の奴」他、ほとんどの謎が謎のままで終わってしまうので、かなり不完全燃焼。どうせなら最後の最後まで、不安定な世界観を描き続けたら良かったのではないだろうか。

Posted byブクログ

2014/01/23

こわい、とにかく怖い。誰がとかではなく、人間のこわさに引き込まれていく感じで、こわい。ともすれば自分にも降りかかりそう、と思ってしまうこわさを感じました。また、物語の始まりは唐突なのに、なぜか入り込みやすく、終わりは尻切れな感じなのに、満足感のある作品だと思いました。運命なのか?...

こわい、とにかく怖い。誰がとかではなく、人間のこわさに引き込まれていく感じで、こわい。ともすれば自分にも降りかかりそう、と思ってしまうこわさを感じました。また、物語の始まりは唐突なのに、なぜか入り込みやすく、終わりは尻切れな感じなのに、満足感のある作品だと思いました。運命なのか?わかっていても断ち切れない何か、幸せを生む反面、恐ろしさも秘めている。そう考えさせられた作品でした。

Posted byブクログ

2013/06/15

5つの章からなるひとつながりのお話。 最初は“僕”が同一人物って気付けなくて戸惑い。 短編集の気で読んでた〜 “アレ”とか“奴”とか得体の知れない気持ち悪いのが沢山出てきて気味が悪いのです。 でもなんてゆーかゾワゾワするような感覚がもっと欲しかったなぁ〜 結末もあっけなくて違...

5つの章からなるひとつながりのお話。 最初は“僕”が同一人物って気付けなくて戸惑い。 短編集の気で読んでた〜 “アレ”とか“奴”とか得体の知れない気持ち悪いのが沢山出てきて気味が悪いのです。 でもなんてゆーかゾワゾワするような感覚がもっと欲しかったなぁ〜 結末もあっけなくて違う意味で気持ち悪かった。 残念。

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2012/01/21

やばい! やりたい放題だ。 小説ってやつは、日ごろのうっぷんや妄想を晴らす手段でもあるんだ。 あとから理論のつじつまを考えたけど、合わない。 冒頭の姉と共謀して撲殺してしまった「ヤツ」とは、だれなの~? 変だよね。 ファンタジー小説大賞を受賞されています。 つまり・・・、こう...

やばい! やりたい放題だ。 小説ってやつは、日ごろのうっぷんや妄想を晴らす手段でもあるんだ。 あとから理論のつじつまを考えたけど、合わない。 冒頭の姉と共謀して撲殺してしまった「ヤツ」とは、だれなの~? 変だよね。 ファンタジー小説大賞を受賞されています。 つまり・・・、こういう反社会的な小説もOKならのね。 筆は立つと思います! 引きこまれます。上手です。

Posted byブクログ

2011/08/04

 平山瑞穂のデビュー作にして第16回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。その変幻自在な作風の原点はここにある。  しかし読者は戸惑うに違いない。この小説は多彩な作風を持つ平山瑞穂そのものを表すかのように、幻惑の世界に誘い込むからだ。  何処にいても何をしていても僕を追ってくる「...

 平山瑞穂のデビュー作にして第16回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。その変幻自在な作風の原点はここにある。  しかし読者は戸惑うに違いない。この小説は多彩な作風を持つ平山瑞穂そのものを表すかのように、幻惑の世界に誘い込むからだ。  何処にいても何をしていても僕を追ってくる「黒い染み(ラス・マンチャス)」。僕の行く手を覆うそれから、決して逃げることはできない。僕は常に正しく行動している。姉を犯そうとした「アレ」や、灰が降り続く町の「ゴッチャリ」、無為に過ごす「山荘」の日々―。様々なものが僕を待ち受けているけど、僕の逃げ場はどこにも、ない。  奇怪でいて耽美、奇妙でいて美麗。この作者にしか描けない世界を作り上げ、日本ファンタジーノベル大賞選考委員の鈴木光司をして「選考委員になっていちばん面白かった作品」と絶賛させた。  そこらのなまぬるいファンタジー小説と比べたらその雰囲気はひと味もふた味も違う。というか、違いすぎる。その異様なまでに独特な世界観はきっと誰とも似ていない。  ストーリーは何とも説明し辛い。それは5つの章に分かれていて、一応主人公の“僕”とその家族、そしてその周囲の人々を巡る物語らしきものがある。  しかし、文章からは想像するしかない謎の異形が次々と登場し、どことも知れぬ空間を描きだすのだが、そこは紛れもなく現代の日本のようでもある。  なんとも説明し辛い。  この本の帯には<カフカ+マルケス+?=正体不明の肌触り>というキャッチコピーが書かれているが、きっと版元の編集者たちもこの不思議な小説を一言で表すコトバを探すのに苦労したのだろう。  でもカフカの不条理さ、マルケスの魔術的手法、それらが融合した雰囲気というのは確かに言い得て妙だ。そんな感触の中、主人公である“僕”の視点から彼の成長が語られていく。  何だかよくわからないうちに物語にぐいぐいと引っ張られて先へ先へと読み進んでしまう感じは、ドラッグのトリップ感にも似ているのかも知れない。その目が眩む感覚の足元には確実に現実の世界がある、この世界と地続きの悪酔いというか、そんな感じ。   グロテスクになるギリギリの部分でグロテスクになっているようで、どうも読み手を選ぶ作品ではあるけど、この筆致には間違いなく新人離れした力がある。 「ああ、自分は今、取り返しのつかないことをしつつあるな、と認識していた」 「地獄から抜け出す方法がわかっていながら、どういうわけか自力で抜け出すことができない」  主人公は様々な町に移り住みながら、思わぬ事件に遭遇し不本意な人生を送っていくことになるのだが、僕は後半ではすっかりこの主人公に感情移入してしまっていた。  そして意外な事に、ラストではある衝撃的な事件が起きるクライマックスのようなものもある。そしてそこでこれがあくまでも正気の世界での出来事であることを読者に再認識させるのだ。それはあくまでこの世界での正気であるのだけど。  ダークな世界で生きていく主人公にまとわりつく「染み(ラ・マンチャ)」。外国で製作された映画のように現実感のない現実が浸食されていく。  きっと本読みの玄人もうならせることは間違いない。どこでも味わえない小説体験を求める人に。闇の世界からの通信を平山瑞穂が届ける。

Posted byブクログ

2011/03/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

何をしていても僕を追ってくる「黒い染み」、逃げ場はどこにも、ない―。 “僕”は姉を守るために“アレ”を始末し、家族と離れ施設に入れられる。 やがて辺境の地に流され、過酷な日常と我慢の日々を過ごしていく。 カフカの「変身」を日本という閉鎖的な環境で長編にトランスレートしたような作品。それでいて恒川光太郎の「雷の季節の終わりに」にあるロールプレーイング感。 行き付く場所も安らげる場所も、逃げ帰る場所もない長い長い旅。 主人公である“僕”の主観で語られる本書では“アレ”についての詳しい記述も“次の奴”に関する更なる情報も特にない。 人伝に聞いた話と、おそらく20代であろう主人公の見たままの景色が淡々と綴られていくだけだ。 物事の輪郭はどこか朧げであり、残酷なまでにリアルである。 “僕”の認識が誤っている部分もあるかもしれないが、それが“僕”の見る世界の全てで、この歪んだ世界の全てなのだ。 “僕”の両親が過去に何があったのかは描かれていないが、その血を引く“僕”と姉の辿る運命を見るに、決して消えない“痣”を残していることは確かで、その周囲を取り囲む異質な人間関係も断ち切ることの出来ない呪いである。 たったひとり、それに抗おうとした“僕”の物語は一旦の終息を迎えるが、これから先に向かう地が、彼にとって喜ばしい場所であるのかどうかはわからない。 変わってしまったのは自分なのか、周囲なのか。 グレーゴル・ザムザが見た世界を“僕”も辿っていくのだろうか。 そう思うと悲しくてやり切れない。 平山瑞穂 その他の著書 ・忘れないと誓ったぼくがいた ・冥王星パーティ ・株式会社ハピネス計画

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2011/03/05

各章の途切れ方が短編っぽくもありながら、先を急ぐ手を止められないという長編の魅力もある。でも序盤に出てきた、私がこの世でいっとう苦手なスカトロジー描写に一時は心が折れかけたのも事実。言うなればホラーものが苦手なのに誰よりも率先して怖いものを見たがる、例のマゾじみた嫌悪と同じなんだ...

各章の途切れ方が短編っぽくもありながら、先を急ぐ手を止められないという長編の魅力もある。でも序盤に出てきた、私がこの世でいっとう苦手なスカトロジー描写に一時は心が折れかけたのも事実。言うなればホラーものが苦手なのに誰よりも率先して怖いものを見たがる、例のマゾじみた嫌悪と同じなんだけど。それは。 こういう限りなく現実世界と近い場所に引かれたパラレルな直線上にあるファンタジーは、しばらく人間不信の気持ちを起こしてくれるからやっぱり好きだなー。結局は生きてる人間が一番怖いっていう、お約束。 そういえばこのエロとグロの書き方からして女の人なんだろうなあ、と勝手に思い込んでいたら男性作家なのだと先ごろに知ってびっくりした。

Posted byブクログ

2010/07/12

日本ファンタジーノベル大賞受賞作品。個人的に好きでした。 作者の作り出す世界が絶妙でたまに染み込んでくる不可解で非現実な世界が素晴らしい模様を作っている気がします。

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2009/12/09

不気味な雰囲気は良かったのです。タイトルも、また設定も、聞けばエログロ嗜好が疼き出すものです。しかしものの見事に内容を憶えてません。内容を忘れるなんてそうそうないのですが……。 ファンタジーノベル大賞受賞作です。

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