東海道と伊勢湾 の商品レビュー
「街道の日本史」シリーズの第30巻。東海道および伊勢路を中心とした地域史を、大和時代から近現代まで駆け足で記述している。このような構成なので、一つひとつのトピックの描写がどうしても浅くなりがちなのは仕方のないところ。戦国時代における伊勢湾海運の争乱についての記述は興味深かった。戦...
「街道の日本史」シリーズの第30巻。東海道および伊勢路を中心とした地域史を、大和時代から近現代まで駆け足で記述している。このような構成なので、一つひとつのトピックの描写がどうしても浅くなりがちなのは仕方のないところ。戦国時代における伊勢湾海運の争乱についての記述は興味深かった。戦国時代における伊勢湾海運の利権というと、津島を地盤とする織田氏の利権に今川氏が横槍を入れたという構図で理解しがちだけど、実際はもっとはるかに複雑怪奇。伊勢神宮は内宮・外宮ともに伊勢湾岸に大量の廻船在所をもっていたし、足利一門の一色氏(吉良氏の分家筋)が三河湾の大半と伊勢湾の一部を掌握していた時期も(短いながら)あったらしい。 ということで、それなりに面白い部分もあったけど、私が知りたかったことはほとんど書いてなくて残念。 【川崎市立中原図書館 682.1】
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