ヒッコリー・ロードの殺人 の商品レビュー
秘書のミスレモンの依…
秘書のミスレモンの依頼で彼女の姉が寮母を務める学生寮を訪れるポアロ。寮で起きた盗難事件を調べたポアロは警察を呼ぶようにいう。
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トリックはイマイチだ…
トリックはイマイチだが英国らしい上品なユーモアに酔いしれた。
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1955年発表。エルキュール・ポワロシリーズ第26作。学生寮で頻発する奇妙な盗難事件が発端。盗難とその後に起こる大事件とのミッシングリンクを探す楽しみはある。一方で、犯罪の質や犯人もより現代的になるのに加え、ポワロ自身も過去の遺物となりつつあるように思え、少し悲しくもなる。ミス・...
1955年発表。エルキュール・ポワロシリーズ第26作。学生寮で頻発する奇妙な盗難事件が発端。盗難とその後に起こる大事件とのミッシングリンクを探す楽しみはある。一方で、犯罪の質や犯人もより現代的になるのに加え、ポワロ自身も過去の遺物となりつつあるように思え、少し悲しくもなる。ミス・レモンファンは必見。
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ポアロもの。 ポアロの秘書ミス・レモンの姉であるハバード夫人が寮母を務める学生寮で、盗難騒動が次々と発生。 件の寮を訪れたポアロは、学生たちの前で警察を呼ぶべきだと主張します。 そしてその直後、盗難の一部は自分がした旨を打ち明けた寮生が謎の死を遂げてしまい・・・。 今回の舞台...
ポアロもの。 ポアロの秘書ミス・レモンの姉であるハバード夫人が寮母を務める学生寮で、盗難騒動が次々と発生。 件の寮を訪れたポアロは、学生たちの前で警察を呼ぶべきだと主張します。 そしてその直後、盗難の一部は自分がした旨を打ち明けた寮生が謎の死を遂げてしまい・・・。 今回の舞台は外国人留学生の多い学生寮(学生だけでなく社会人も寄宿)ということもあって、登場人物が多く、誰が誰なのかを一致させる為、冒頭の登場人物一覧をいつも以上に行ったり来たりしながら読みました。 多種多様な寮生というだけでも大変なのに、寮の経営者・ニコレティス夫人は異常にヒステリックだわ、料理人のイタリア人夫婦もイマイチ鈍いわで、唯一まともなハバード夫人の激務っぷりに同情しつつ、試しに妹のミス・レモンに“一日寮母”をさせたらどうなるのかな・・なんて思ってしまいました(特にミス・レモンVSニコレティス夫人は見てみたいかもw)。 で、盗品&破損品と人物を結びつけたり、寮生たちの関係性を洗ったりしていくうちに、第二第三の殺人が起こり、さらには思わぬ組織犯罪が浮かび上がってくる展開です。 今回もポアロは“いい仕事”をしてくれるのですが、いつもに比べて前面に出てこず、“整理と紐づけ作業”に徹している印象です。 そして一緒に捜査をするシャープ警部も、ニコレティス夫人にブチギレされながらも、辛抱強く関係者たちへのヒアリングをしたりと地道に頑張っておりました。 余談ですが、西アフリカ人のアキボンボ君の「(被害者が殺されたのは)部族間の血の恨みだったのでは・・」という証言には、“大喜利の回答か!”とツッコミたくなりました・・勿論、彼は大真面目なんですけどねw 犯人に関しては、“一周廻ってそこですか!”という感じでしたが、“あの人”と“あの人”が母娘だったというのは驚きで、見抜いたポアロは流石です。 事件解決後は、急にカップルが誕生するなどほっこりしたラストで、ミス・レモンもノーミスになり、めでたしめでたしでございました。 ところで、前述したようにこの話には多種多様な人種のキャラが登場するのですが、今だったらポリコレ的にマズイんでねーの?という程差別表現満載で、これも時代なんかなー・・と思った次第です~。
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スーシェ版ポワロさんに合わせて手に取りました。 しばらくはドラマのエピソードに先駆けて読むタイトルが決まりそうですが……この次は『ゴルフ場殺人事件』。じゃあいいか笑。そしてその次が『もの言えぬ証人』。おおこれは気になります。 さて今作は、ポワロさんの優秀な秘書ミス・レモンが仕事...
スーシェ版ポワロさんに合わせて手に取りました。 しばらくはドラマのエピソードに先駆けて読むタイトルが決まりそうですが……この次は『ゴルフ場殺人事件』。じゃあいいか笑。そしてその次が『もの言えぬ証人』。おおこれは気になります。 さて今作は、ポワロさんの優秀な秘書ミス・レモンが仕事上のミスを犯すところから始まります。 それにしても、ドラマ版ではあんなにチャーミングなミス・レモンですが、原作では「実務的な観点から見れば、彼女は女ではなくて、機械だった――完璧な秘書だった」と表現されているのがちょっと面白い。良い改変だ。 そんなミス・レモンの気が散ってしまっていたのは、お姉さんの悩み事のせい。 ということで、彼女が管理を任されている学生寮が今作の舞台となります。 「学生寮」といっても、暮らしているのは学生だけでなく社会人も。様々な国籍の人物が出てくるので、当時のアメリカやアフリカの人々がどう見られていたかも垣間見られて興味深いです。 いつものごとく、国籍と専門(職業)と性格を一致させるのに苦労したのですが……今回それより気になったのがポワロさんの口調! 年配の訳者さんだったので予想はしていましたが、ミス・レモンや学生相手に「あんた」と呼びかけるのはなんだかなんだか〜!ドラマではどんな表現になっているのか、よくチェックしたいと思います。 そんな引っ掛かりはありつつも、中盤からするするとページを繰る手が進んでしまうのはやっぱりいつものクリスティー。 「いかにも怪しい人物はシロ」「いかにも怪しい人物がクロ」、両方のパターンがありますがさて今作は。私は裏をかいて見破れませんでした笑。 たくさんの人物が出てきますが、読み終える頃にはすっかり認識できるのがクリスティー作品のすごさですよね。アキボンボ、いいひとだなぁ。
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ロンドンの学生寮で起こる盗難騒動。 盗まれたものは靴の片方、電球、聴診器、リュックサックといった他愛のないものばかりで、まるで一貫性がない。 個性豊かな寮生達の言動も怪しく、そのうちの一人は謎の死を遂げる。 この二つの出来事の繋がりに気づけるかどうか。 それが事件解決の鍵だった。
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学生寮で起こる盗難事件。そこから起こった連続殺人事件。盗難事件と殺人事件は繋がっているのか。学生の名前が誰が誰だか分からんくなる!!
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ロンドンの学生寮で謎の盗難事件が起こる。それはほんの些細なことだと思われたが、ポアロは違った。そして事件が起き・・・。一見わけのわからない盗難事件から推理を進めるポアロに心踊らされた。クリスティの隠れた名作。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
クリスティの長編ミステリー。ポアロシリーズ。 ポアロの周辺も優秀な人材で固められているが、ミス・レモンが三箇所も手紙を間違えるのは確かに衝撃だ(笑)(昔の作品の個人描写は辛辣だなぁとつくづく思う) とある学生寮で不思議な盗難事件が起こる。靴の片方が盗まれたり、リュックサックがズタズタに切り裂かれたり、家中の電球が盗まれたり。一見、何の脈絡もない盗難事件であり、しかしそれによりミス・レモンの姉ハバート夫人は大変に困り、ミス・レモンのミスに繋がる。ポアロは盗まれたリストに興味を持ち、謎を解決するためにヒッコリー・ロードにある学生寮を訪ね、講義をする名目で調査を開始する。 物語序盤は一体この不思議な盗難事件がどの様に広がって行くのか楽しみで、原因を追及する事により何が起こるかを期待していた。学生寮は特殊な設定で、多種多様な人種の学生が在籍しており出身国もバラバラ、人数も多く、クリスティ作品で過去一にわかりにくい作品だった(登場人物一覧で見ても基本学生の為似たり寄ったりの状態で名前での見分けも難しかった。) そんな中で女学生が殺害され、警察の捜査の合間に第二、第三の殺人が発生していく。 背後にあるのはとある密輸事件であり、密輸事件を紐解いていく事により学生寮で起きた奇妙な盗難事件の真相も見えてくる。 残念ながら犯人の意外性という面においてのインパクトは小さかった。冒頭に提示した様に人物描写がこんがらがってしまい、犯人が明かされた際に単純に驚く事が出来なかった。 ネタバレになるが、二人組の犯人だが、男性の方はバックボーンがしっかりしており、父親が母親を殺害し、それに反発し名前も変え家族との関わりを絶っていると語っているが実際は学生の彼が母親を殺害しており・・・という裏切りは今作にある程度深みを出していたが、女性の方があまり特徴的では無くピンと来なかった。 読み逃したのかも知れないが、一部盗難事件で説明がない部分もあり、更には第二の被害者がバーで犯人と遭遇した際の話し方が余りにも他人行儀な話し方だった事もあり(自身の寮に住む学生にあの様な対応をする性格ではない様におもうが。)後半から更なる展開があるかも知れないと期待したが、ドンデン返しは無くそのまま丁寧に警察の捜査と並行して起結したイメージだ。他のクリスティ作品と比べると濃厚さは少なく感じてしまう。 終始、殺人についてはフーダニットがテーマであり殺害方法等に特殊性はない。今作最大の魅力であった学生寮での不思議な盗難事件もきちんと決着はしているが驚きは小さい。もう少し読みやすさがあればと思う反面、原作で読めない、外国人の名称に馴染みがない部分はしかたのない事だ。
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学生寮で頻発する失せ物という重大事と感じるのも難しいトラブル 一見すると何か法則性が存在するかも想像できない失せ物リスト。それを丁寧に紐解いていく事で見えてくる犯人やそれ以外の者達の思惑 探偵エルキュール・ポアロが関わった事から事態が意外な展開を見せる流れはアガサ・クリスティーの...
学生寮で頻発する失せ物という重大事と感じるのも難しいトラブル 一見すると何か法則性が存在するかも想像できない失せ物リスト。それを丁寧に紐解いていく事で見えてくる犯人やそれ以外の者達の思惑 探偵エルキュール・ポアロが関わった事から事態が意外な展開を見せる流れはアガサ・クリスティーの巧みさを感じるね また、本作の特徴を上げるとすれば、事件に関わる者達が殆ど学生という点。それによりクリスティー作品に多い遺産や金品を巡る争いではなく、もっと単純で若々しい若者の感性が前面に出た人間関係が事件を複雑にしているね ただ、まあ、事件の要素を紐解いていけば最終的に別の顔を見せるのだけどね いや、本当に学生寮の問題というスタートから意外な着地点へ至ったと感じられる終盤だったよ 一つだけ、難点というか困った点を上げるとすれば、最後まで誰が誰だか判別が付かなかった事だろうか…… ドラマ版を見てればもう少しイメージを固めた上で読めたのかな…?
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