楽園の鳥 の商品レビュー
主人公の恋に盲目的というか恋人がいないと深い水底に落ちているような夢から出てこられないような気質にも、恋人のいつまでも子どものような責任感のない言動にも、共感しにくい。 ただそのあたりの感情面をこういう人もいると流し読むと、分厚い一冊ながら難解な文ではなく、タイのカオサンやインド...
主人公の恋に盲目的というか恋人がいないと深い水底に落ちているような夢から出てこられないような気質にも、恋人のいつまでも子どものような責任感のない言動にも、共感しにくい。 ただそのあたりの感情面をこういう人もいると流し読むと、分厚い一冊ながら難解な文ではなく、タイのカオサンやインドの香りや色彩の描写が美しく、夢で旅をしているような感覚になれる。 香りを物語から感じ、深く息を吸い込み、吐き出して、こみかみの手前からスーッと感じる物悲しさや芳醇なひと続きの言葉の力、この時間がとても好きだ。 好きなフレーズ “自然は物語を生み、物語は自然と呼応している。遠い昔から、人は物語にすることで、世界を理解しようとしてきた、”
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異国耽美主義。文化や言語ではない。美を見る。それが異国さ。カルカッタさ。楽園さ。小説は楽園を作りだす装置さ。
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読み終えた記念に。異国の風土の描写は極めて秀逸。鮮麗で迫真、過不足なし。登場人物の人格は、評価というより好悪が割れそう。奔放で闊達な世界に浅い心理や心象が不釣り合いに見えてもどかしく思える。
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分厚いよ。。でも、スイスイ読めちゃうよ。作者から離れようとする けれど、作者の母性愛を感じはじめてからは、泣けちゃうんだ。まるで、エミリーワトソンが奇跡の海を演じてるみたいでさ。。
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人って、落ちていく物語が好きですよね。 世代的に共感する部分あり、反発する部分あり。 長い物語ですが、飽きずに読むことが出来ました。
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登場人物には全く感情移入できず、読んでいてイライラがつのるばかり。最後まで読みきったのは、ひとえにインドの描写が読みたかったから。ねっとりした、香料のまじる空気の描写はうまい。
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