わたしのおじさん の商品レビュー
これから生まれる女の子は出会う。死んでしまった自分のおじさんに。おじさんは女の子のお母さんの子どもの頃に死んでしまった弟。閉じたお母さんの心に呼びかけるおじさんとの旅。おじさんとの思い出は忘れてしまってもきっと心の奥底に根付いてくれる。 死ぬこと、生きること。死んだ人、残された人...
これから生まれる女の子は出会う。死んでしまった自分のおじさんに。おじさんは女の子のお母さんの子どもの頃に死んでしまった弟。閉じたお母さんの心に呼びかけるおじさんとの旅。おじさんとの思い出は忘れてしまってもきっと心の奥底に根付いてくれる。 死ぬこと、生きること。死んだ人、残された人、これから生まれる人。死と生が交差する世界。死んだ人も生きている人も同じ世界にあるってことだ。続く。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
いつか、わたしは思い出すだろう。 遠い昔、はるかな草原をあなたと旅したこと。 草原が広がるこの地で、わたしがコウちゃんと過ごしたこと。 しりとりしたりトランプをしたり、コウちゃんのお父さんとお母さん それはわたしの祖父母で、コウちゃんはわたしのおじさんだった。 コウちゃんはわたしのお母さんの弟で、 お母さんが11歳のときに、交通事故で亡くなった。 縄跳びをするお母さん。 コウちゃんやこの草原と別れてお母さんに会いにいくよ。 わたしはいつかきっと、ここで過ごしたことを覚えているはず。 こういう雰囲気の話、書くのは簡単そうで難しいだろうなあ。 絵がまた雰囲気が出ていていい。
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独特の死生観。 これから生まれる少女と、その叔父にあたる死んだ少年。 生まれる前に見守り、送り出してくれる自分に繋がる人たち。その想いは生まれた後もきっとそこにある。
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“何もかもぬれそぼっているのに、わたしののどはからからだ。雨粒をなめると、舌がしびれた。 「飲んじゃだめだよ、今は」 コウちゃんはひざに埋めていた顔を上げた。シャツより青い顔をしている。 「コウちゃん」 するとコウちゃんは、「よるな」というように手をふって、顔をそむけた。 「ごめ...
“何もかもぬれそぼっているのに、わたしののどはからからだ。雨粒をなめると、舌がしびれた。 「飲んじゃだめだよ、今は」 コウちゃんはひざに埋めていた顔を上げた。シャツより青い顔をしている。 「コウちゃん」 するとコウちゃんは、「よるな」というように手をふって、顔をそむけた。 「ごめん、少しほっといて」”[P.24]
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テーマは命?生まれてくること? 謎が多すぎるところから始まり、読み進めるうちに少しずつ主人公や登場人物たちの置かれている立場や状況がわかってくる、不思議な形態。 「あたし」のいる場所がどこか、「こうちゃん」が誰か分かったときにとてつもなく切なくなった。 挿絵がかわいらしくておし...
テーマは命?生まれてくること? 謎が多すぎるところから始まり、読み進めるうちに少しずつ主人公や登場人物たちの置かれている立場や状況がわかってくる、不思議な形態。 「あたし」のいる場所がどこか、「こうちゃん」が誰か分かったときにとてつもなく切なくなった。 挿絵がかわいらしくておしゃれです。
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死の世界を描いた透明感のある物語。 生の世界に行くとは、崖から飛び降りること。その通り。うまい!
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さすが湯本さん。優しい日本語が心地いい。 本のデザイン・画・フォント、どれをとっても素晴らしい!!
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不思議な世界観。少し切なくて、でも、また逢えるとわかっているから哀しくなくて。植田真さんの挿画が優しい。
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すごく不思議な世界だった。 多分内容としては、生と死についてなんだけど、最初はよくわかんなかくて、ん?って思ってたんだけど… 不思議な世界だね…!! 生まれる前の子供と、その母の死んでしまった近親者が同じ世界に居る、という考え…。 ううんなんかすごい。 読んでたら、姉ちゃん...
すごく不思議な世界だった。 多分内容としては、生と死についてなんだけど、最初はよくわかんなかくて、ん?って思ってたんだけど… 不思議な世界だね…!! 生まれる前の子供と、その母の死んでしまった近親者が同じ世界に居る、という考え…。 ううんなんかすごい。 読んでたら、姉ちゃんに「怪しい本読んでる」って言われて、たしかにって思った。笑 わたしのおじさん でも、その想像とは全然違う物語でしたよ、お姉さん!
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こんな死生観は初めてだった。 誕生と死が同じ系譜上にいる同等のものとして描かれている。なんか素敵。 植田真の絵は白色の分量が多く、薄ぼんやりとした色合いやだだっ広い構図から、どこか寂寞とした印象を残す。好き。
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