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図書館の興亡 の商品レビュー

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7件のお客様レビュー

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2023/12/18

アレキサンドリアから現代まで、図書館の変容とその節目、読者や著者、司書と図書館の関係やその意味を、宗教や政治、戦争などの歴史と絡めて紐解く。それぞれの時代の価値観によって尊ばれる書物は変わり、文字で伝わるという時間を越えた性質を持ち、人々の思想や行動に影響を及ぼす書物だからこそ、...

アレキサンドリアから現代まで、図書館の変容とその節目、読者や著者、司書と図書館の関係やその意味を、宗教や政治、戦争などの歴史と絡めて紐解く。それぞれの時代の価値観によって尊ばれる書物は変わり、文字で伝わるという時間を越えた性質を持ち、人々の思想や行動に影響を及ぼす書物だからこそ、政治に利用され、焚書の憂き目に遭う図書館。逆に、利用を制限するという形で図書館が一定の人びとに対する抑圧の道具になることもある。 読みながら、日本はどうだったのだろうと思うことが多く、そのあたりを書いた本を探してみたい。

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2021/04/29

子供の頃から図書館が大好きだった。今訪れるととても小さな地方の公共図書館だけど、当時は私にとっての世界の総てのようだった。読書好きな方には、そんな思いを持った経験が少なくないのではないかと思うが、本書は、「世界の総て」としてではなく、「世界の一部」として歴史的・文化的な観点からも...

子供の頃から図書館が大好きだった。今訪れるととても小さな地方の公共図書館だけど、当時は私にとっての世界の総てのようだった。読書好きな方には、そんな思いを持った経験が少なくないのではないかと思うが、本書は、「世界の総て」としてではなく、「世界の一部」として歴史的・文化的な観点からも図書館を俯瞰し、図書館がどのように世界の「一部」を構成しているのかについて思いを巡らせてくれる本。 古代から現代まで、支配者や大学、公共セクターの奉仕者たちはそれぞれどのように図書館を見てきたのだろうか? それは、あるべき文化を体現するものなのか、それとも、多様な世界への扉を開くべきものなのか? 出版物の数が天文学的数字になる一方、物理的な限界がある図書館にはどのような意味があるのだろうか? 読み終わって、書物というもののもつ力を改めて感じる。そして、自分たちで生み出したにも関わらず魔術的な書物を、どうにかコントロールしようと奮闘する人間の努力が、今ある図書館の中に見えてくるかのような思いにとらわれた。

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2019/07/17

図書館所蔵 https://opac.ll.chiba-u.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=FB00134410&opkey=B156334630622907...

図書館所蔵 https://opac.ll.chiba-u.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=FB00134410&opkey=B156334630622907&start=1&totalnum=1&listnum=0&place=&list_disp=50&list_sort=0&cmode=0&chk_st=0&check=0

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2011/05/16

司書課程の図書館史の勉強のために読んだ本。 どんなテーマの歴史でも、ちゃんと西洋史とか日本史は把握しておいた方がいいなと痛感しました……。 戦争や迫害、人種差別といった大きな問題に、すごく図書館は関わっている。 全ての人のための図書館、誰をも受け入れる図書館が必要なのだと思う...

司書課程の図書館史の勉強のために読んだ本。 どんなテーマの歴史でも、ちゃんと西洋史とか日本史は把握しておいた方がいいなと痛感しました……。 戦争や迫害、人種差別といった大きな問題に、すごく図書館は関わっている。 全ての人のための図書館、誰をも受け入れる図書館が必要なのだと思う。

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2010/09/25

「図書館」の歴史が躍動的に記述されている好著。西洋世界が中心だが、書物を通してヨーロッパとイスラームが学問上つながっていた記述はもちろん、興味深いエピソードが多くあってじつにおもしろい。太古から、知識を編むドラマは連綿繰り返されてきたんだな…と静かな感動をおぼえた。

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2009/10/04

うーん。これは面白い。アレクサンドリアからボスニアの図書館破壊まで図書館をめぐる人間の歴史といとなみ。著者はワイドナー図書館等で長らく司書をつとめた方らしい。まあ、この著者紹介が『いったい何のことやら…』という方にはつまらない本かもしれません。【2005.11.5】

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2009/10/04

ワイドナー図書館で司書をしていた著者による、図書館の過去〜未来の記述。 アレキサンドリア図書館やバチカン図書館なんかの話は、まさにファンタジーで好きなんだけど、 現代史のナチによる図書館破壊、焚書は読んでて非常にしんどい。 20世紀はこれと文革くらいかと思ってたら、 中国...

ワイドナー図書館で司書をしていた著者による、図書館の過去〜未来の記述。 アレキサンドリア図書館やバチカン図書館なんかの話は、まさにファンタジーで好きなんだけど、 現代史のナチによる図書館破壊、焚書は読んでて非常にしんどい。 20世紀はこれと文革くらいかと思ってたら、 中国によるチベット侵攻、セルビアでも行われていて、何万もの稀覯本が灰燼に帰した。 なんと悲惨なこと。 また、現代の電子化も、本の破壊という点では同じ様なもの。 ネットとかでマンガの画像を大量に集める輩は、本が好きなわけじゃないんだろうなぁ。 その一方で、未来を起点に考えると、現在の電子BOOKやCD化は、いわば揺籃本であり、 未来の司書は決して無味乾燥ではなく、楽しく電子BOOKの目録化をするはずだ、 と言うのが、なるほどと頷いてしまった。 この手の本には必ず『バベルの図書館』が出てくんだけど、読んでないんだよなぁ。

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