永遠の仔(4) の商品レビュー
後一巻 ここまで読んで 悲しすぎる 三人の話に事件が絡んでいてストーリーを深くしている 早く続きを!
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母親を焼死させ、失踪していた聡志が笙一郎に真実を語っている途中で、警察が現れる。再び逃走した聡志は交通事故にあい、亡くなってしまう。 梁平が、子供の頃から距離をおこうとして来た養父母を横浜でもてなした際、養母が梁平にかけた言葉が刺さった。 「結婚しなくても、家族を持たなくてもいい。でもね、できれば、一緒に生きる相手は見つけてほしい。相手を認めること、相手から認められることが、生きてゆくには、大事だと思うもの。・・・人を信頼してまかせたり、まかせられたりできるのも、ひとつの成長かなって思うし。ゆっくりでもいい、自分を開いてみたら、どう・・人にすべてを託して甘えることを、自分自身に許してあげたら、どうかしら」 どんなに距離を置かれても、その心境を理解し、常に寄り添おうとしてくれる、そんな養父母に育てられたことに気付き、養母の言葉に勇気付けられて、梁平は奈緒子のところに行ったが、奈緒子はすでに冷たくなっていた。 一瞬光が見えた気がしたのに、やるせない。
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長瀬笙一郎の母まり子はまだ許せるとして、久坂優希の父、雄作の腐れ具合に心底げんなり。 それに比べると、多摩桜病院でたまたま一緒になった岸川夫妻と、有沢梁平の義父母の人柄は救い。さて、最終巻はどんな展開が待っているのか?
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「…でも、あの人が認めてくれる。メロドラマに泣くわたしも、新聞の勧誘を断れないわたしも、認めてくれる。掃除も洗濯もできなくたって、怒らない。ただ生きてるだけで、認めてくれる人がいる…。だから、どんな感情も、素直に出していいんだって、ようやく思えるようになった。そして、もうひとつ大切なことは、わたしも人を支えることができるんだって、自覚できたこと…。自分を犠牲にしたり、身を粉にしてつくす形じゃなく、ただ相手を認めるだけでよかったの。あの人が、一番望んでいたことも、結局わたしと同じだった。あの人が、あの人として生きていることを、わたしが、ただ認め、受け入れるだけで、支えになるとわかった。そんな単純なことで、わたしの人生は、意味のあるものに変わっていったの…」
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四巻。 3人のあり方が周囲の人々へ影響を与えていく… 母を亡くしたショックから少しずつ立ち直っていくように見える優希。 それを支える笙一郎。 しかし、それでも自分には「資格が無い」と言い続ける。 そんな中、警察に追われている優希の弟・聡志が笙一郎の前に現れ、 久坂家の秘密を知っ...
四巻。 3人のあり方が周囲の人々へ影響を与えていく… 母を亡くしたショックから少しずつ立ち直っていくように見える優希。 それを支える笙一郎。 しかし、それでも自分には「資格が無い」と言い続ける。 そんな中、警察に追われている優希の弟・聡志が笙一郎の前に現れ、 久坂家の秘密を知ったと吐露。 その聡志は警察に追われる最中に交通事故に遭い、亡くなってしまう。 肉親を全て亡くしてしまった優希は自分自身の存在に疑問を持ち始める。 笙一郎は優希が自分の元から離れていってしまうような錯覚を覚え、 やはり自分自身の生き方に疑問を持ち始める。 梁平もまた、地方の警察署に異動となった上に それまでの心の支えであった菜緒子が自分の元を去って行った事で 何か大きな喪失感を覚える。 その菜緒子は自室で亡くなっていた。。。 子供時代の章では、再び優希が父親に犯されてしまう。 しかしそれを人に言えば、全てが崩壊してしまうと半ば脅され、 反抗できない。 それまでは病院の運動会などで明るく振舞っていたのだが、 元に戻ってしまう。 ジラフやモウルは優希を、自分自身を救う為、そして 優希を支える力になる為に 優希の父親・雄作殺害を計画する。。。 重いです。 とことん重い。 それでも3人が懸命に生きる姿が描かれており、 儚い輝きを放っている。 だが、闇は次から次へと3人を襲う。 優希と笙一郎は周りから見ると非常に良い関係であり、 お互いがお互いの支えになりそうである。 しかし、何故か笙一郎が事ある毎に「資格がない」と言って引いてしまう。 勿体無い。 しかし、その「資格」こそ、双海病院時代の雄作殺害に繋がるのであろう。 「資格」を持つと言われる梁平もまた、 自分には優希を支えられないと感じている。 しかも梁平は殺人を犯している可能性もある(推測に過ぎないが)。 このあたり、5巻で決着するのか、非常に興味深い。
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せっかく救いの梯子がかかったと思ったのに…。普通に幸せになることって、奇跡のような巡り合わせなんだと感じた。もちろん、幸せだと決めるのは自分だから、でも、幸せなんだなって決められる尺度を持てることも、幸せであっていいんだなって自分を許せる寛容さも、そうやって育ってこれた巡り合わせ...
せっかく救いの梯子がかかったと思ったのに…。普通に幸せになることって、奇跡のような巡り合わせなんだと感じた。もちろん、幸せだと決めるのは自分だから、でも、幸せなんだなって決められる尺度を持てることも、幸せであっていいんだなって自分を許せる寛容さも、そうやって育ってこれた巡り合わせって奇跡だと思う。 至る境地は感謝だって、よく読むのだけれども、この本の最後にもそんな救いが待っているのだろうか。
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天童荒太は初めて読んだと思うが、かなり作家として気に入った。 彼自身、この本(ストーリー)には相当なチカラが入っているようで、後書きの量もかなりある。 幼児虐待が根底に流れており、参考にしたという本も謝辞を含めて列挙してあるのだが膨大な量だ。その中に「おたんこナース」も含まれてい...
天童荒太は初めて読んだと思うが、かなり作家として気に入った。 彼自身、この本(ストーリー)には相当なチカラが入っているようで、後書きの量もかなりある。 幼児虐待が根底に流れており、参考にしたという本も謝辞を含めて列挙してあるのだが膨大な量だ。その中に「おたんこナース」も含まれているのが笑えるが。 単行本で五冊にも別れているぐらい長編小説であるが、一気に読み終えてしまう。 それほど、ストーリーにグイグイ引っ張られる。続きが読みたくてしかたがなくなる。ある時は午前四時まで読み耽けてしまったぐらいだ。 そうとう内容が深いので、どういう本とかうまく表現できないのが残念なのだが、是非とも皆さんに読んでいただき、その感動をわかちあいたい。(かなり大袈裟) さて、昨夜、夕飯を食いながらTVを見ていたんだが、所ジョージが司会で「あらすじで楽しむ 世界名作劇場」というのをやっていた。 文学とか名作とか、私にはほとんど解らない。 昨夜は太宰の「人間失格」を取り上げていた。確か中学ぐらいの時に読んだかもしれない。なんとなくストーリーは解っていたから。 ただ、改めて昨日の番組を見て思ったんだが、これ、カミュの「異邦人」に似てないか?どちらも主人公はマイノリティで、ストーリーは淡々とすすむ。。。のみ。それだけ。 番組で取り上げられていた綿矢りさの「蹴りたい背中」も「インストール」もストーリーは淡々と進む、面白い展開など何もない。そもそも芥川賞って、芥川の本もなんか面白いと思った事がないからなぁ。 文学とか名作とか言われている本で、面白い、感激した・・・とかそう言う感覚を持ったことがない。今回読み終えた「永遠の仔」などと比べたら雲泥の差だ。池波正太郎とか山崎豊子とか次も次もと読みたくなる作家、内容とはまったく違う。 文学とか名作って、それほど深い物なのか、その深さが理解できないのはダメなことなのか、理解できる事が国語力なのか、、、 わからない、悩むなぁ。 さて、次は何を読もうかな
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【いちぶん】 自分ひとりでは、周囲の人々とは違う、生きる価値のない人間のように思えてしまう。なぜ、自分だけがこんな目にあうのかと、自分と周囲を呪う気持ちばかりがつのってゆく。 だか、ひとりではない。生きる価値がないかもしれないと思った自分が、ほかにふたりいる……。それは、大丈夫、...
【いちぶん】 自分ひとりでは、周囲の人々とは違う、生きる価値のない人間のように思えてしまう。なぜ、自分だけがこんな目にあうのかと、自分と周囲を呪う気持ちばかりがつのってゆく。 だか、ひとりではない。生きる価値がないかもしれないと思った自分が、ほかにふたりいる……。それは、大丈夫、生きてゆけるということだった。 (p.119)
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どうしてこうも辛い経験ばかりが与えられるのか、読んでいて辛くなる。庇うが余りその人の負担になり、そして引き返すことのできない事態になっていく。どうしたらいいんだろう。話せば心が軽くなるとは言うが、やはりなんの傷もない人に傷口を見せても同調し得ない。人の心は難しい。最終話はどう転が...
どうしてこうも辛い経験ばかりが与えられるのか、読んでいて辛くなる。庇うが余りその人の負担になり、そして引き返すことのできない事態になっていく。どうしたらいいんだろう。話せば心が軽くなるとは言うが、やはりなんの傷もない人に傷口を見せても同調し得ない。人の心は難しい。最終話はどう転がるのか。
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どんどん秘密だったことが露になっていく。 救いと危うさや絶望が行ったり来たりする。 大切に思うからこその難しさ、認め合うことで始まること。 ラストに向けて過去の秘密と3人がどうなっていくのか早く続きが読みたくなる。幸せであって欲しい。
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