青いイルカの島 の商品レビュー
島で暮らしていた少女は、ラッコ狩りに来た、アリュート人に親類や村の人々を殺されてしまう。 アリュート人がいなくなってしばらくすると、白い帆の船に乗ってきた白人の人たちに船にのせてもらえ、島をでることになるが、少女と弟のラーモは船に乗り遅れてしまい、島で2人ぼっちになってしまった。...
島で暮らしていた少女は、ラッコ狩りに来た、アリュート人に親類や村の人々を殺されてしまう。 アリュート人がいなくなってしばらくすると、白い帆の船に乗ってきた白人の人たちに船にのせてもらえ、島をでることになるが、少女と弟のラーモは船に乗り遅れてしまい、島で2人ぼっちになってしまった。その後少女とラーモは2人で島で暮らすが、島にいた野犬の群れにラーモが殺され、ついに少女は1人で島に暮らすことになる。 この物語は、そんな少女が色々な動物に会い、色々な動物と別れ、沢山の事を学び、島で暮らす物語です。 僕は、少女が多くの生き物から学んだ事を島での生活にいかしていくというところが心に残りました。
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島で暮らしていた少女は、ラッコ狩りに来たアリュート人に 親や 部落の人たちを殺されてしまう。 生き残った老人や女の人たちは その後やって来た別の船に乗り島から脱出したが、少女の弟が乗り遅れて島に2人ぼっちになってしまう。さらに、弟が 野犬に襲われて命を落とし、結局ひとりきりで 島で暮らしていくしかなくなる。 生きるために、ありとあらゆる物を見よう見まねで作り、自然や動物とたたかい、仲間の犬や小鳥などと共に幾年も過ごしていく。 最後は、ラッコ狩りに来た船に乗り、島から脱出していくところで終わる。 この物語は すごい昔に実際にあった出来事に脚色をして著者が書きあげたとのこと。 島は、アメリカのサンニコラス島。 自分だったら絶対ムリ。なんて絶対言えない。 そうするより他 無かったんだものね。 とはいえ、少女の逞しさを見習いたいです。
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19世紀半ばに、アメリカ・ロサンゼルス沖の島で実際にあったことを基にした物語。 ネイティブ・アメリカンのガラサット族が平和に暮らす島に、アリュート人(井上靖の「おろしや国粋夢譚」にも出てきたアリューシャン列島に居住する狩猟民族…イヌイット?日本人的な顔の人々)がラッコを大量に狩った(ロシア人に売るためだろう)上に、礼儀を欠いたことから争いとなり、大きな痛手を受けたガラサット族。やがて訪れた白人の船に、全員移住を決意する。船に全員が乗り込んだと思われた時、6歳の少年が1人島に取り残されていることが分かり、その姉カラーナは海に飛び込み島に戻る。 再会の喜びも束の間、弟は野犬に殺されてしまい、カラーナは一人で自然や野獣の脅威と戦いながら、いつか訪れる白人の船を待ち続ける。 カラーナが島に一人で生活することになったのは、12歳の時。もともと島の生活は厳しいため、基本的な生活能力は身についていたが、それでも現代に引き替えれば中学1年生である。なんと賢く、判断力のある少女なのだろう。 彼女の待ち望んだ迎えはなかなか来ず、代わりに恐れていたアリュート人の船が来てしまったりするのだが、常に冷静な判断力で対処する。 最終的に彼女がこの島から出られたのは、取り残されてから18年後。そんな長い時間を生き抜く知恵は、今の時代の我々にはカケラもないだろうなぁ。 本土に連れて来られても、彼女の話す言葉を理解する人はなく…18年前に島を去った仲間たちを乗せた船は、沈んでしまい一人も助からなかったらしい…彼女の18年間をつぶさに知ることは叶わなかったようだ。 作者は、当時のネイティブ・アメリカンの史実や残っている話を調べてこの物語を書いたようだが、創作というにはカラーナの生活の様子はとてもリアルで、細部に渡っている。のぺーっとした今の中学生に是非読んでもらいたい刺激的な一冊だが、いかんせん表紙がイマイチ。 パッケージデザインがカギの時代なので、表紙を変えて、詳しい島内図などもつければ読み込む読者も増えると思うんだけどね〜…。埋もれてしまうのは実にもったいない本だ。2019.8.31
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19世紀前半、カリフォルニア沖のサンニコラス島で18年間にわたってたった一人で暮らしていた少女の実話にもとづいた物語。 カラーナは、島の住民たちが白人の船に乗りこんで本土に移住しようというとき、乗り遅れた弟に寄り添うため、みずから海に飛びこんで島にもどった。ところがふたりで暮らし始めた矢先、幼い弟は野犬の群れに殺されてしまう。 衝撃の出だしなのだけど、それが感情を交えず淡々と綴られているところがすごい。やがてカラーナは、武器や狩猟の道具、衣服、さらには家まで自分で作ってたくましく暮らしていく。 そしてある日、弟を殺した野犬のボスに矢を射かけるが、死んだと思ったその犬が息も絶え絶えになりながら生きているのを見つけたとき、とどめを刺す代わりに自分の家に連れて帰り、傷の手当てをしてやった。それからは犬に「ロンツー」と名前をつけて、唯一無二の友人としていっしょに暮らすようになる……。 このロンツーがやがて老衰でしんだとき、カラーナは声をあげて泣く。弟がかみ殺されたときも、悲しみこそすれ泣きはしなかったのに。その前にも父がアリュート人との戦いで殺されたり、家族と生き別れになったりという悲痛な体験をしているけど、そこは淡々と描写され、ロンツーとの別れではじめて感情があふれ出す。 それは、子どもだったカラーナがひとりで生きるようになって、何もかも自分の手で作り、育て、世話をしてはぐくんでいったことの現れのようにも感じる。 さいごには、白人の船がきてカラーナは18年ぶりに「救出」されるのだけど、究極の孤独から解放され、究極の自由を失った彼女は果たして幸せだったんだろうか。
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「二年間の休暇」と併せて。実際あった話を著者が脚色したとのこと。余り記録が残っていないようだ。 アマラとカマラも女の子だったし、いざとなった時に生き残る可能性が高いのは女なのかしら。生命力が強い。
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震災後 新聞で紹介され知り読んだ。 19世紀にアメリカ西海岸に浮かぶ島で暮らしていた原住民の娘が 村をおそった悲劇と弟を救いたい一心で、結局18年間たった一人で島で暮らした記録である。 少女の独白の形式でつづられている。12歳から30歳までの18年間という途方もない年月を一人で暮らすというのはちょっとやそっとでは想像ができない。 一人で暮らすまでに見聞きした武器のつくりかたや薬草の知識や、食糧の保存法に関する知識があったから生き延びることができたのであろう。 また犬や鳥やラッコとも心を通わせ、生きる糧としている。 たった一人で生きるとことにより、人間にとって本質的に重要なものがなにかが見えてくる。 生きるために 計画し、行動し、未知のことに挑戦し、また天候の変化を察知したから生き延びることができたのであろう。 白人に救出されたあとの人生も知りたくなる。 それにしても村をおそったアリュート族と村の酋長が会話ができていることも考えてみるとすごいことである。 我々が思う以上に海洋の原住民は交流があったということか。
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