マレー蘭印紀行 の商品レビュー
高橋源一郎の小説家になるための推薦本である。金子光晴全集(中央公論)六巻で読んだ。100ページ弱である。土地や国名が当時の漢字で書いてあるのでわかりにくいこともある。印象的なことはジャパユキさんの境遇について書かれていることである。聞き書きでもあろう。
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バトゥパハほかのマレーシア、インドネシア各地の昔の旅行記。戦争前に、かなり奥地まで日本資本が食い込んでいた様が感じ取れる内容。 文は詩人の書く散文なので、いつ読みかえしても良いであろう。また読み返したい
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ママレーシア・バトゥパハの茶餐室で本書を読むという、この世で1番趣のあることをしてしまった。 金子光晴文章うますぎる。 朝霧のところと、バトゥパハの最後の女の人の描写。
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昭和初期の南国マレーシアの湿度をたっぷりと含んだ情景をまるで静謐な水墨画で描き上げたかのような旅行記。 旅行記と言っても、本人がほとんど登場しない。 熱帯林、ゴム農園、椰子の木や人食い鰐、マラリア蚊、蝙蝠と女衒たち。まだ未開の地での血生臭いマレーシアの人々の暮らしも、金子光晴は美...
昭和初期の南国マレーシアの湿度をたっぷりと含んだ情景をまるで静謐な水墨画で描き上げたかのような旅行記。 旅行記と言っても、本人がほとんど登場しない。 熱帯林、ゴム農園、椰子の木や人食い鰐、マラリア蚊、蝙蝠と女衒たち。まだ未開の地での血生臭いマレーシアの人々の暮らしも、金子光晴は美しい日本語でただ見たままに書き残している。 この間読んだ夏目漱石の『草枕』にとても似ている気がした。 どちらも旅をしながら目に映る自然のあるがままの姿を美しい日本語で絵を描くように綴っている。
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アジアを題材にしたエッセイのトーンで読み始めたので、あまりに「純文学」的過ぎて途中でギブアップ。名著なんやろうけど、オレにはハードルが高すぎた。
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本書の来歴について、「解説」で紹介されている。下記に引用する。 【引用】 「マレー蘭印紀行」は昭和15年10月20日の奥付をもって上梓されたが、これは昭和3年から昭和7年にわたるほぼ4年間の異国放浪の途次におけるシンガポール、マレー半島、ジャワ、スマトラでの見聞をもとに、この旅...
本書の来歴について、「解説」で紹介されている。下記に引用する。 【引用】 「マレー蘭印紀行」は昭和15年10月20日の奥付をもって上梓されたが、これは昭和3年から昭和7年にわたるほぼ4年間の異国放浪の途次におけるシンガポール、マレー半島、ジャワ、スマトラでの見聞をもとに、この旅の途中、また多くは帰国後じょじょに、出版のあてもなく書きつがれていったものである。 【引用終わり】 金子光晴の本を読むのは3冊目だ。 「どくろ杯」と「ねむれ巴里」を、これまでに読んでいる。ブグログで調べてみると、読んだのは2007年と、かなり前のことだ。その時の感想によれば、相当に強い衝撃を受けていることが分かる。いずれも、放浪記、貧困滞在記として、強い印象を受けている。強い印象を受けたこと自体は、よく覚えている。 この「マレー蘭印紀行」は、それとは、随分と異なる本だ。本書で、金子光晴は、自身の旅を、どちらかと言えば淡々と、また、訪れる熱帯各地を詩人らしい美しい言葉で描写している。上記の通り、本書が発行されたのは、昭和15年のことのようであるが、私が読んだ2冊は、実際の放浪から、随分と時間が経ってから、書かれている。 金子光晴と言えば、紀行文の三部作が有名であるが、「どくろ杯」「ねむれ巴里」に加え、この「マレー蘭印紀行」が、三部作の3冊目であると私は誤解していた。 誤解していた方が悪いのであるが、前の2冊と同じような放浪記を期待していたので、少し拍子抜けしてしまった。
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自伝三部作にえがかれた旅の途中で著者が立ち寄った、東南アジアの国々の土地と文化およびそこに暮らす人びとのようすをえがいた旅行記です。 「跋」のなかで著者は、「旅行記の方法は、自然を中心とし、自然の描写のなかに人事を織込むようにした」と述べています。ゴム園や鉱山の現場についての取...
自伝三部作にえがかれた旅の途中で著者が立ち寄った、東南アジアの国々の土地と文化およびそこに暮らす人びとのようすをえがいた旅行記です。 「跋」のなかで著者は、「旅行記の方法は、自然を中心とし、自然の描写のなかに人事を織込むようにした」と述べています。ゴム園や鉱山の現場についての取材も含んでいますが、紀行文というよりも、詩人である著者のまなざしを通して見られた土地の印象がつづられている作品といえるように思います。 東南アジアおよび南洋の旅行記は、これまで多くの日本人作家によって書かれていますが、本書もそのうちのひとつにかぞえ入れられる作品です。自伝三部作では、さまざまな土地をおとずれながらも、どん底からのまなざしによってとらえられた普遍的な「人間」が中心的なテーマとして浮かびあがっているように感じましたが、本作では詩的な表現によって現地の自然と文化が描写されており、いわゆる「南洋幻想」の一端をかいま見ることができます。そのことについて、現在の観点からどのような評価をくだすにせよ、興味深く読むことのできる作品であると思います。
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詩人 金子光晴の、風景、風俗を描写する言葉のひとつひとつ 文章のならびが とにかく 美しい 流れるような文章とは こういうことを いうのだろう
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はじめての金子光晴さん 脈絡がわからなくても だんだんすこし楽しく読めるようになる すごくではなくすこし
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この本はちょっとすごい。 旅の切なさを、いくら当時の東南アジアが、からゆきさん問題や、現地人の貧困など問題が多くあったとしても、ここまで書けるとは。 とは言え、描写は写実的で、風俗にも触れているので、歴史的な価値もある。全くすごい本である。
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