エリカ 奇跡のいのち の商品レビュー
平和を願うための絵本として手にした作品になります。1944年の第二次世界大戦中、主人公は生まれて2~3カ月程度の女の子の赤ちゃん、ユダヤ人強制収容所に向かう汽車が村を通過中、車窓から母親は赤ちゃんを放り投げ…ドイツ人に拾われた赤ちゃんは、エリカと名づけられ成長し家族を持てたとい...
平和を願うための絵本として手にした作品になります。1944年の第二次世界大戦中、主人公は生まれて2~3カ月程度の女の子の赤ちゃん、ユダヤ人強制収容所に向かう汽車が村を通過中、車窓から母親は赤ちゃんを放り投げ…ドイツ人に拾われた赤ちゃんは、エリカと名づけられ成長し家族を持てたというストーリーです。 ヒトラーのユダヤ人虐殺において600万人もの尊い命が犠牲になっています。そんな中、少しでも生き残れる可能性があるのなら…と、赤ちゃんを汽車から放り投げる母親…その気持ちを思うと、いたたまれない気持ちになります。そして、赤ちゃんをエリカと名付けて大事に育てたドイツ人の彼女も、そしてエリカの夫となった彼も…そこにあるのは、尊い命を守りたい…その気持ちだけだったのだと思います。 戦後、そして今の時代でも変わらないのは、命はどんなこと、どんなものよりも尊い…!!絵本だけれど、メッセージ性の強い内容なので多くの人に読んでもらえたらいいなって感じました。
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「エリカは、1944年ユダヤ人強制収容所へと向かう、ぎゅうぎゅう詰めの貸車の中から、毛布に包まれて外へと投げられた。その赤ん坊は村の人に拾われ、エリカと名付けられ、大切に育てられた。ーわずかな可能性にかけた母親の決意と、危険を冒して育てた人の両方があって、「奇跡のいのちは生き延び...
「エリカは、1944年ユダヤ人強制収容所へと向かう、ぎゅうぎゅう詰めの貸車の中から、毛布に包まれて外へと投げられた。その赤ん坊は村の人に拾われ、エリカと名付けられ、大切に育てられた。ーわずかな可能性にかけた母親の決意と、危険を冒して育てた人の両方があって、「奇跡のいのちは生き延びた。」(別冊太陽『こわい絵本』にて紹介)
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ナチスの話や映画に共通している生と死。 この話は、生の本質というか、生きることの意味を静かに、確かに、真っ直ぐに届けてくれました。
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『神さまの貨車』みたいな本だな、と思って読んだら神さまの貨車よりだいぶマイルドだった、絵本だけに。ただ、ホロコーストの悲惨さはこの絵本でも十分伝わる。ユダヤ人だった、ただそれだけの理由でこんなに悲しいことがあってはいけない。
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原題は"Erika's Story"というらしい。 そこに副題として、「奇跡のいのち」と名づけたのはとても素晴らしく、訳者の愛がこもっていると感じた。 「お母さまは、じぶんは「死」にむかいながら、わたしを「生」にむかってなげたのです。」 という文...
原題は"Erika's Story"というらしい。 そこに副題として、「奇跡のいのち」と名づけたのはとても素晴らしく、訳者の愛がこもっていると感じた。 「お母さまは、じぶんは「死」にむかいながら、わたしを「生」にむかってなげたのです。」 という文がとても胸に突き刺さる。深く刺さって抜けない。どうしてこの文章が生まれたか、ぜひ手に取って読んでみてほしい。またこのお話は実話だというのだから、余計刺さるというもの。 平和な現代だって、いろんな事情で生き延びられない子どもたちはたくさんいる。 わたしたちのひとりひとりが、過去も未来も、すべて奇跡なのだと思うと、胸がぐっと熱くなったり、苦しくなったりする。 奇跡。なんて希望に満ちて、重たい言葉なんだろう。 訳者は「子どもも大人も一緒になって読み、一緒に考える本だ。」とあとがきを締めくくっている。 ほんとうにそう思う。 あと緻密で美しい絵も必見。 白黒主体の絵も、鮮やかな色をふんだんに使った絵も、どれも美しい。 死と生。 それは絵からも感じられる。
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お母さまは、 自分は『死』に向かいながら、 わたしを『生』に向かって投げたのです。 ----------------------------------------- (中1の息子が書きました) 1944年、ドイツで生まれた名前もなかった赤子の話です。 当時、ドイツではヒトラー...
お母さまは、 自分は『死』に向かいながら、 わたしを『生』に向かって投げたのです。 ----------------------------------------- (中1の息子が書きました) 1944年、ドイツで生まれた名前もなかった赤子の話です。 当時、ドイツではヒトラー率いるナチス・ドイツが権力を握っていました。 その間、実に600万人ものユダヤ人が殺されました。 その中に、ある夫婦と生まれて間もない赤子がいました。 彼らは牛用の輸送列車に詰め込まれました。 ある村を通るとき、列車が速度を落としたので、母親は「今だ!」と思って、窓から投げました。 親は「死」に向かいながら、私を「生」に向かって投げたのです。 ----------------------------------------- (母のコメント) 冒頭の柳田邦男先生の訳が、生きることへの緊迫感を伝えてくれるものでした。 先日、講演を拝聴しましたが、ますますファンになりました。 ちいさな絵本や”ひだまり”さんセレクト、 10才までに読みたい”こころが豊かになる110冊”より。
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ルース・バンダー ジー (著), ロベルト インノチェンティ (イラスト), Ruth Vander Zee (原著), Roberto Innocenti (原著), 柳田 邦男 (翻訳)
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表紙を見てすぐに強制収容所に行く列車とわかった。そして兵士の横にある白い乳母車。当時、列車に乗せられた人たちはどうなるのか、多分知らされていなかった。それでも、母親は子供を救うため、列車の外へ投げた。誰かに助けてもらえるかもわからなかったのに。そして、危険を冒して養母は育ててくれた。エリカと名付けて。 ユダヤ人虐殺に加担したのも、危険を顧みず助けたのも人間。戦争によっておかしくなってしまう人もいるし、そうならない人もいる。運かもしれないが、助ける側の人間になりたい、と思う。
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本当にあった実話のようです。 今の時代からは考えられない境遇を持った少女の話です。お母さんは「どうして娘をほうり投げることができたのか。」他人を信じることについて、とても考えさせられる絵本です。
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自分は収容所行きが決まっていて、子どもだけは列車から投げ放った。赤ん坊を保護してくれる人がいるのかいないのか、いたとしてもどんな人か全くわからないのに。
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