野ブタ。をプロデュース の商品レビュー
ドラマと違う展開
おどおどしたデブを人気者にしてみせる!教室を舞台に修二のプロデュースがスタートした。いじめられっ子を守るイイ奴に見える修二だが、その内面は……。ちなみにドラマとは展開が違うので、別物として読む方が◎。
ちだ
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修二が転校生として登場するラストシーン。雨の日だが教室には光が差していて、あれは希望に満ちたラストシーンということなのだろうか。新しい学校でまた「桐谷修二」をプロデュースしていく、ということは、これまでの高校生活や人間関係を自身の中でゲームのようにリセットしまったようでゾッとする気持ちにもなるし、一方、心機一転してすやっていこうとする前向きさのようにも感じられる。 マリ子に惹かれていたことに気づいて着ぐるみが脱げそうになっていたのに(から?)、腹を割らないまま転校してしまったのだろうか。そこには進歩がないように感じてしまったのだが……。ともあれ自分をプロデュースするという感覚は、わかる気がするし、悪いことではないと思った 。演じている自分もまた自分なんだし。 20年ほど前の作品で、ドラマ版しか観たことがなくずっと読みたいと思いながら読めずにいたが、もっと早く読めばよかったと思った。会話や心情にも古さを感じず、とても読みやすく文章も面白かった。ぜひ、他の作品も読んでみたい。
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話のテンポが良くて読みやすかった。 やっぱり上辺だけの人間は化けの皮がはがれるととても弱い。人から本当に心から好かれている人は幸せだと思った。 1度自分が作り上げたキャラクターは、既に自分の一部分となり、そのキャラクターなしでは生きられない。
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スクールカーストに関する資料の一つとして、読んでみた。 若い時のデビュー作だから文章がまだこなれていないのは仕方がないとも思うが、出版社も受賞させたなら、せめて本にする際にきちんと文章が書けるように育てたらいいのにとも感じた。 ただドラマ化されて話題になっただけのことはあり、プロ...
スクールカーストに関する資料の一つとして、読んでみた。 若い時のデビュー作だから文章がまだこなれていないのは仕方がないとも思うが、出版社も受賞させたなら、せめて本にする際にきちんと文章が書けるように育てたらいいのにとも感じた。 ただドラマ化されて話題になっただけのことはあり、プロデュースのアイディア自体は面白く読めた。ひどいいじめから逃れることを条件に、より軽いいじめを受け入れさせるというお話はなかなか興味深くはある。ただその「いじめられキャラ」として、クラスで居場所を得た人が、そのプロデュースをした人を100%評価し尊敬しているような描き方は、陽キャの幻想なのではないかとも思える。
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ーーー俺はマリ子の優しさを突っぱねると、声を張り上げながら教室に戻っていった。ーーー 舞台は教室。プロデューサーはオレ。イジメられっ子は、果たして人気者になれるのか!? 軽快で一人称の口語調、ライトに読める本だった。内容は“イジメられっ子“を扱っているので深刻になりそうだが、主人公の一人称で進んでいくので暗い雰囲気がほぼ無く読めた。これは主人公の心情が写り込んでいる表現のおかげだと思って分かりやすかった。 自分をプロデュースしている時の修二の『無敵感』が、学生のノリそのもので、学生が読むのに共感しやすそうだし、歳を取った今読むと眩しいなと思って読んだ。 修二のキャラクターは、理想と現実の間を上手く取っていて物語の主人公としてとても面白かった。『あー。こういう人気者だけど一線引いてる奴クラスにいたなぁ。いたかも』みたいな所を突いてると感じた。男子生徒からの憧れの的、みたいな。それでいて、時々胸の内の“孤独感“を滲ませて神視点の読者を掴んでこようとするような。キャラメイクが上手いんだろうなあ。読者ターゲット層がしっかりしてる物語だ。 修二がそんな“憧れ“のキャラクターだから、修二自身の動揺が凄く響いて、弱い所が生々しかった。いい気味だと感じるか、ヒーローの弱い所を見た気持ちになるか……。だけど、ラストのオチがああだから、前者的な効果だったんだろうか。 ラストは結構強引に感じたけど、転生モノが流行っている今、突然やり直し生活が始まるのも普通に受け入れてもいいか。 ストーリーとしても興味深かったし、高校生時代に読んだらやっぱりハマっていたんじゃないかと思うし、作者さんの傾向も気になったし、面白かった。
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2007年11月13日 ドラマとはだいぶ違う話らしい。 私はドラマはしらないけど、この本は好きだった。 野ブタ君が、どんどん人気者になっていくところは、爽快に読めたけど、修二が仲間はずれになるあたりからは、苦しかった。
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相手と本気で向き合わなければ、相手も向き合ってくれない。あたりまえなんだけど、多分、自分もできてないと思う。きっかけほんの些細なことで、人生なんてあっという間に変わってしまう。だけど、そこからどうするか。 修二は結局、桐谷修二を演じ続けることを選んだのだ。新しい環境で、もう一度やり直す。今度は素直に、自分に正直に生きよう、じゃなくて、改めて桐谷修二を演じ直すところが、修二らしいのかも。それがいいのかは置いといて。
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ふとしたきっかけでいじめられっ子だった転校生のデブの小谷信太をみんなの人気者としてプロデュースすることになった主人公桐谷修二。彼の計画は成功するのか?軽いノリの笑える青春ストーリーかと思ったのですが、予想外の展開で切なくなりました。熱苦しく重い人間関係はいやた。だけどまったく無視...
ふとしたきっかけでいじめられっ子だった転校生のデブの小谷信太をみんなの人気者としてプロデュースすることになった主人公桐谷修二。彼の計画は成功するのか?軽いノリの笑える青春ストーリーかと思ったのですが、予想外の展開で切なくなりました。熱苦しく重い人間関係はいやた。だけどまったく無視され孤独なのは耐えられない。適度な距離で友情や愛情を確認したい──。そう思っているのは修二だけでは無いはず。軽いノリの文体が今どきの若者の心の中を表しているようで笑ってしまいつつもやはり心からは笑えませんでした。 軽いと見せかけて実は重かったです。
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堀北真希主演のドラマが放送されていたのは私が中学生の時だった。 ドラマが面白くて原作も読んだのだが、10年も前でレビューも書いてないので内容を覚えていなかった。 今になって、本棚の整理のために処分するべきか悩み、再読。 結論としては、処分することにした。 小説は小説で味があるの...
堀北真希主演のドラマが放送されていたのは私が中学生の時だった。 ドラマが面白くて原作も読んだのだが、10年も前でレビューも書いてないので内容を覚えていなかった。 今になって、本棚の整理のために処分するべきか悩み、再読。 結論としては、処分することにした。 小説は小説で味があるのだが、ドラマの方がおもしろすぎた。 ドラマではいじめられっこの野ブタは堀北真希演じる女子高生だが、小説では太った男だ。 山Pに相当する登場人物も小説にはいない。 主人公の修二はクラスの人気者だがそれは演じているだけ、というのは変わらない。 小説は一人称で進められるが、修二のキャラもあって痛々しい感じ。 始めはなんだかライトノベルを読んでいるような気がした。 余談だが、第一文が「辻ちゃんと加護ちゃんが卒業らしい。」だったことに時代を感じた。 しかし、キャラに慣れてからは、比喩表現がおもしろい。 彼のプロデュースによって人気者になっていく野ブタの様子も気分がいい。 序盤は軽々しい文章も、ある事件をきっかけに重々しく空虚さを増していくのはうまいなと感じた。 でも途中までは面白いのに、やはり結末がすっきりしない。 多分修二はこの先何も変わらないな。 修二の正体に唯一気づいていた様子のマリ子が最後の救いだったはずなのに。 テスト中にこっそり手を振りあうところ、結構好きなシーンだった。 私は単行本を買っていたので、場所をとるんだよな。 単行本はかなり気に入った作品しか残しておかない。 文庫だったらとっておいてもよかったかも。 ドラマをもう一度見たい。
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最初の方はプロデュースが面白くて、次は何してくれるのか、どう信太は人気者になっていくのかと思っていたけれど、春休み、どうして仮面が剥がれちゃったのか、森川事件だけで、あんなに人の評価って変わってしまうのか。うーむ。後半は悲しい展開。なんで、あんなこと言っちゃうの?ってところがいく...
最初の方はプロデュースが面白くて、次は何してくれるのか、どう信太は人気者になっていくのかと思っていたけれど、春休み、どうして仮面が剥がれちゃったのか、森川事件だけで、あんなに人の評価って変わってしまうのか。うーむ。後半は悲しい展開。なんで、あんなこと言っちゃうの?ってところがいくつか。転校って逃げ道も悪くないけど、信太やマリ子がいたのに、なんであそこまで?って思っちゃうね。
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