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道教の神々と祭り の商品レビュー

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3件のお客様レビュー

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2024/06/23
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中華文化圏の民族宗教である道教の神々、およびその祭祀や信仰を概説した書。玉皇や三清、武神や財神など今日でも崇拝される神々を紹介すると共に、彼らを祀る祭典や儀礼についても解説する。 本書は『月刊しにか』1997年1月号の特集「道教の神々―その由来と信仰」を基に、内容を大幅に加筆・増補したものである。全体の構成としては2部構成となっており、第Ⅰ部「道教の神々―その由来と役割」では主要な道教神の縁起や神話、その歴史をそれぞれ解説している。ここでは玉皇や三清といった最高神クラスの神から自然神、武神・財神や仙人に至るまで幅広い範囲の神々取り扱っており、道教のパンテオンにおける主要な神仙を一望することが出来る内容となっている。続く第Ⅱ部「神々の祭りと信仰」では、実際の信仰の場における祭祀や儀礼についてを具体的な事例を挙げつつ紹介する。こちらも著名な台湾の台湾の媽祖進香や王醮などの大規模な祭典からポエや扶鸞といった個人的な儀礼までを解説しており、道教における信仰の形(ひいてはそこに見える神観)を知ることが出来るものとなっている。初学者向けの参考文献集や神名索引も巻末に付されており、まさに初学者向けの概説書としてうってつけの一冊と言える。 個人的に興味を引かれたのは、第Ⅰ部の「体内の神々」(p130~135)の項である。人間の身体を神仙の住まう崑崙山と見立て、体内に宿る神霊を観想(存思)し一体化するという思想は、大宇宙と小宇宙を相応させる西洋の諸々の神秘思想にも通じるものを感じた。また醮などの道教儀礼の際、祭祀者である道士と信者である一般民衆とでは儀礼の主体となる神が誰であるかの認識にズレがあるという記述(p179~180)には驚いた。

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2018/12/22

<抜粋> 道教とは?  道教は、人間を宇宙・自然から超越したものではなく、つまり自然を支配するものではなく、その構成要素の一つとして位置つげ、 自然を一体化することを選んだ宗教である。さまざまな意味での陰と陽との均衡と調和を重視し、目に見えるもの,耳にきこえるもの、肌に感ずるもの...

<抜粋> 道教とは?  道教は、人間を宇宙・自然から超越したものではなく、つまり自然を支配するものではなく、その構成要素の一つとして位置つげ、 自然を一体化することを選んだ宗教である。さまざまな意味での陰と陽との均衡と調和を重視し、目に見えるもの,耳にきこえるもの、肌に感ずるもののみではなく、心の動きにも神が宿るという宗教観をもつ道数は.己れを取り巻くすべてのものに神性を認める。日々の不安、将来の無事、死後の安福など、人のさまざまな願望・欲望の多様性を反映して、それに応える霊験と機能を持つ神が.新たに次々とうみ出される。(略) それらの神々は太古以来存在していたものの、ようやく熟機を得て人間世界に出現した.と説かれることが多い。 神々と人間  現世・来世の安福を手にするために.人は自己を取り巻くさまざまな神の意向を知り、精神的・肉体的苦痛をもたらした?や邪などを排除するための祈りを棒げる。自然との調和のなかに、福・禄・寿などの現世的な利益に恵まれながら生活を営むことを理想とし、永遠の宇宙・自然との一体化を願望する道教は.人々に永世への願いを抱かせる。一道教の神々道教は「道」を神格化して信仰する宗教である。「道」はあらゆるところに存在するから、それを具体化した神もきわめて多数になる. -仙術の由来 仙人は丹砂から黄金を作り、それにより不老不死をもたらすことができるという。このような考え方は、薬学と金属精練の発展を踏まえているはずで、戦国時代の命を張った武器テクノロジーと毒薬・解毒薬の開発の伝統にもとづくと思われる。  (略)こうして戦国時代の諸技術は、生命の危険にさらされる現実の下で、いかに敵を殺して己を生かし自身の子孫を繁栄させて権力を待つか、という問題に答えていたわけだが、統一国家になっていわば平和利用されたのである。 -日本と道教(P.239) 仏教が存在の神?信仰とは異質な外国の宗教と認識され(略)たのに対して、道教は存来の神祇信仰を補強する形でとりいれられたことにある。  (P242)ただし、その密教が、すでに中国において道教と習合していた、 <要約>  吉田神道は、ふるくは卜占を行っていて、中世には「日本書紀」を伝える家系だった。しかし、陰陽道・修験道・真言、天台の仏家神道、伊勢神道をとりいれることで、独自の「吉田神道」を打ち立てた。

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2009/10/04

●未読 2009年7月11日(土)〜9月6日(日) 特別展 知られざるタオの世界 「道教の美術 TAOISM ART」 −道教の神々と星の信仰− http://www.mitsui-museum.jp/exhibition_01.html で紹介

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