初版 金枝篇(下) の商品レビュー
本の中の本。 本からの知識で、キリスト教期限に迫る大部の書物を書いたのは、恐るべき資料の収集力、本人の情熱、今の子供おじさんの究極形か。
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上下巻1000ページにも及ぶ本書を通読した後に再度1章1節に立ち返ると、これまで挙げられてきた膨大な事例は全て円環するかのごとく最初の疑問に結びついていた。個人的には前任者の殺害、外在する魂の象徴という共通点で火の鳥・異形編を思い起こさずにはいられない。無数に例示される風習・儀礼...
上下巻1000ページにも及ぶ本書を通読した後に再度1章1節に立ち返ると、これまで挙げられてきた膨大な事例は全て円環するかのごとく最初の疑問に結びついていた。個人的には前任者の殺害、外在する魂の象徴という共通点で火の鳥・異形編を思い起こさずにはいられない。無数に例示される風習・儀礼の数々はその一つひとつが金枝篇という書物に宿るヤドリギであり、それは次なる物語を生み出す根幹となる。物語が儀式を産みだすのではない、儀式が物語を創りだすのだ。無数の驚きと発見に満ちた本書は、さしずめ人間の持ちうる想像力の博物館だ。
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膨大な博学記に圧倒された。 十分に理解できなかった点はあるが、世界中の民族伝統を多く知れたことだけでも収穫あり。
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世界の膨大な習俗・神話の森を歩き回ったような感覚。よくもまぁこれほどまで豊富な事例を、ストーリーに沿って配置したものだ。「肘掛け人類学者」を侮るなかれ。(わたしは今まで侮っていた) 彼の探求したテーマ、「ネミの森の神話において①なぜ祭司は前任者を殺さなければならなかったのか②な...
世界の膨大な習俗・神話の森を歩き回ったような感覚。よくもまぁこれほどまで豊富な事例を、ストーリーに沿って配置したものだ。「肘掛け人類学者」を侮るなかれ。(わたしは今まで侮っていた) 彼の探求したテーマ、「ネミの森の神話において①なぜ祭司は前任者を殺さなければならなかったのか②なぜ殺す前に、〈黄金の枝〉を折り取らなければならなかったのか」、を豊富な事例を用いて謎を解いていく過程もこの本の肝なのだから興味深かったが、わたしが最もそそられたのは内容を圧殺するほどの事例の合間に垣間見たフレイザーの未開観・人類学観の方だ。ちょうど上巻274~276P。 「結局のところ、われわれの蛮人との類似点は、相違点よりもはるかに多いのだ。そしてわれわれが蛮人と共通に抱いているもの、真実かつ有益なものとしてわれわれが大切に保持しているものを、われわれはわれわれの蛮人の父祖たちに負っている。」 かといって、フレイザーにとっては野蛮なものは学ぶものが多いとはいえやはり野蛮なのである。時代状況もあるだろうが、われわれとは異なる習俗、一見すると原始的な生活をしている人間に対して、「未開」だとか「野蛮」という語以外の説明する言葉をもってはいない。というか、それゆえに人類学はそれら「未開」「野蛮」を打破する、あるいはとって代わる説明言語を探求してきたんだろう。
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表紙裏 著者は二つの問いを立てた。「第一に、なぜ祭司は前任者を殺さなければならないのか?そして第二、なぜ殺す前に、〈黄金の枝〉を折り取らなければならないのか?」森の聖なる王、樹木崇拝、王と祭司のタブー、王殺し、スケープゴート、外在魂・・・大きな迂回とおびただしい事例の枚挙を経て、...
表紙裏 著者は二つの問いを立てた。「第一に、なぜ祭司は前任者を殺さなければならないのか?そして第二、なぜ殺す前に、〈黄金の枝〉を折り取らなければならないのか?」森の聖なる王、樹木崇拝、王と祭司のタブー、王殺し、スケープゴート、外在魂・・・大きな迂回とおびただしい事例の枚挙を経て、探索行は謎の核心に迫る。答えはある意味であっけないが、モティーフは素朴ではなかった。ロバートソン・スミスのセム族宗教史に多くを負いながら、それと微妙な距離をとると同時に、ルナンへの傾倒を韜晦してやまないフレイザー。本書を手の込んだ文明相対主義的キリスト教起源史と読むこともできる。さて、再び、「金枝」とは何か?初版完訳、全二巻完結。 目次 第三章神殺し 第四章金枝
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人類は太古の昔から自然を理解し、コントロールしようとして来た。その営々たる努力を膨大な資料を読み解き解説したのがこの本である。 日本のケガレ論にも通じる所があり、大変に興味深く読んだ。
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第三章神殺しの途中から補遺まで。 19世紀的な進化主義の考え方とか資料となっている事実への態度はさておくとしても、世界各地各時代の様々な宗教的儀礼がそれをする人々にとってどういう意味があったのか、どういう世界観の表現なのか、その儀礼において何が体験されるかの解釈としてはとても面...
第三章神殺しの途中から補遺まで。 19世紀的な進化主義の考え方とか資料となっている事実への態度はさておくとしても、世界各地各時代の様々な宗教的儀礼がそれをする人々にとってどういう意味があったのか、どういう世界観の表現なのか、その儀礼において何が体験されるかの解釈としてはとても面白い。 あとなんか、単純に全体として文章の展開が上手いよね。
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恐らくは、呪術的儀式を現実性から乖離せずに考察した数少ない一冊だと思う。と、同時にアニミズムへの入門書としてもかなり有益だと見れる。
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おもしろすぎる。興奮した。「多分これ、あんたが好きな本だよ」と渡したのは夫だが、夫はこれに興奮する私の気持ちがわからないそうです。
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