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仰臥漫録 の商品レビュー

4.5

27件のお客様レビュー

  1. 5つ

    15

  2. 4つ

    8

  3. 3つ

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2014/09/22

9月19日糸瓜忌に開催のBBで紹介するか悩んだ。自分もこの4半世紀、使ったお金や食べたものをほぼ毎日記録してる。病気療養の思いにもシンクロする。膿を出すときの絶叫と号泣、わかる!沢山の句があったりサラっと終わったり日によって分量が違うし誕生日の9月17日が少し長いのは当然だが、そ...

9月19日糸瓜忌に開催のBBで紹介するか悩んだ。自分もこの4半世紀、使ったお金や食べたものをほぼ毎日記録してる。病気療養の思いにもシンクロする。膿を出すときの絶叫と号泣、わかる!沢山の句があったりサラっと終わったり日によって分量が違うし誕生日の9月17日が少し長いのは当然だが、その2日後の9月19日即ち亡くなる丁度1年前の記録が重い。夜になって呼吸が苦しくなりそれが寒さのせいならこの冬は持たないとある。今ほどじゃないけど残暑でしょ。辛かったろうね。この後10日ほど日記が途絶える。死神がすぐそこに居たな。

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2014/03/06
  • ネタバレ

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嵐山光三郎『文人悪食』がきっかけで購入、読了。 原作・壬生篤/作画・本庄敬『文豪の食彩』に触発されて再読。 上記2冊とも、文豪達の食生活にまつわるもの。『仰臥漫録』は脊椎カリエスに侵され、自力では寝返りを打つこともままならなくなった晩年の子規の、鬼気迫る「食欲」の記録として取り上げられておりました。 歯茎や身体に開いた穴からは絶えず膿が流れ出ているような状態なので、食う飯が美味いわけがない。でも食う。猛烈に食う。食ったら食っただけ出すがほとんど未消化で全く身になっていない。でも食う。生きている以上は食う。 動けぬ子規にとってはまさに「病牀六尺」が全世界。 三度の食事の内容から、便通の時間帯・回数、泣き喚かずにいられない程の激痛を和らげるための麻痺剤の服用記録、黒めがねをかけながらやっとの事で読む新聞の内容、来客、その際もらった見舞いの品、そして、頭をもたげて眺める庭の景色。およそ病床にあって感受できる全ての事を、書いた、というより刻み込んだ印象です。 明治34年10月13日の記述と、伯父宛にしたためた手紙の内容は忘れられません。

Posted byブクログ

2012/05/31
  • ネタバレ

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坂の上の雲を読んでから、より、正岡子規が知りたくなって購入しました。 これ読んで、本当にこの人が好きになった。ファンになった。 「俳句書いてる人」くらいの認識しかなかったのですが、、、、、 病床で、亡くなる前までつけていた日記です。 なんと人間味のあふれた、強い、そして弱い、皆に愛されていた子規。読んでるだけで、いとおしくなってくる。 食べ物もたくさん出てきますが、それもまた笑えてしまう。そんなに具合悪いのに、まんじゅう10個とか、食べちゃう。 よめばファンになると思います。

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2012/04/07

身体の其処此処に穴が開き、痛さに喚き泣き叫ぶ。それでも食べる食べる。これでもかという程食べる。だが、食べ過ぎて腹膨れて苦しむ。判っていても子規にとっては食べることだけがほとんど唯一の楽しみなのだ。こんな我儘な兄を律は一所懸命介護しているのに、兄には美味いものを食べさせ自分は「野菜...

身体の其処此処に穴が開き、痛さに喚き泣き叫ぶ。それでも食べる食べる。これでもかという程食べる。だが、食べ過ぎて腹膨れて苦しむ。判っていても子規にとっては食べることだけがほとんど唯一の楽しみなのだ。こんな我儘な兄を律は一所懸命介護しているのに、兄には美味いものを食べさせ自分は「野菜にても香の物にても一品あらば彼の食事はをはるなり」なのに、 子規は「義務的に病人を介抱することはすれども同情的に病人を慰むることなし」と怒っている。友人もたくさん訪れ、みんな子規のことが好きなのに。律も可哀そう。そして母も。

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2012/03/13
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脊椎カリエスに侵され、死を迎えつつある床で書かれた正岡子規の日記。 自らの命を絶とうかと考えた時の描写などとても生々しくて、いったいどんな精神状況でこれを書いているのだろうか。 かと思えば、毎日の食べたものの羅列。菓子パン10個など、どう見ても病人とは思えないほどの量を食べる。病床では食べることくらいしか興味がなくなるらしい。そして、食べ過ぎて吐く、下痢をする。もはやそれは悲しみを通り越して滑稽ですらある。 人の生きざまを感じさせてくれる作品でした。 この本のお面白さを感じるためには、正岡子規の人柄なども知っておくと良いと思われます。「坂の上の雲」あたりをあわせて読まれることをおすすめします。

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2011/09/03
  • ネタバレ

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来月私は背中の手術を受ける。 しばらく痛みで動けない状態になる予定なので、病人の心構え(?)を大先輩に学びたいと思い本書を手にとった。 寺田寅彦の随筆にあったとおり、苦しい苦しい闘病の記録のはずなのになんだか可笑しみが感じられる。不思議だ。 病床に臥せりながらも、俳句・絵画など文化の愉しみを忘れない子規の姿に心を打たれる。どんな状況にあっても、こうした心構えは忘れないようにしたいものだと思う・・・そしてそれを現に実行できるのが、子規の凄さである、とも。 しかしまあ、なんといっても印象的なのはその日の食事を克明に書き留めたくだり。健啖家というかなんというか・・・食べ過ぎ。

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2011/08/20

 正岡子規が、死の直前まで書き綴った日記。  元来、人の日記を読むのがすきなせいもあり、夏目漱石(の日記)つながりで手にとったものなのだけど、ここまで気に入りの一冊となったのは、やはり生きること=食べること、への執着が赤裸々に綴られているからなのだと思う。  もちろん、綴られて...

 正岡子規が、死の直前まで書き綴った日記。  元来、人の日記を読むのがすきなせいもあり、夏目漱石(の日記)つながりで手にとったものなのだけど、ここまで気に入りの一冊となったのは、やはり生きること=食べること、への執着が赤裸々に綴られているからなのだと思う。  もちろん、綴られている俳句や、日々の徒然にも生への執着、もっと言えばゴールの見えてきた人生ゲーム(しかも一発逆転ホームランの存在しない)で、一体なにをし、なにが出来るのかということを考えさせられるのだけど―――。  けれどやはり、その人間の本質がもっともよく現れるのは、食欲・性欲・睡眠欲であると思っている次第なので。  自分は死の直前にあっても、これだけ「おいしいものを食べる」ことに執着し続けることができるかどうか、というのは人生の課題のひとつでもある。  そして生徒達(小学生)にも、 「テレビの「坂の上の雲」のハゲのおっさん」 「野球という言葉を発明したひと」 「たる柿26個を胃弱の「我輩は猫である」の人(夏目漱石)の前でたいらげて、漱石をへきえきさせたひと」 「法隆寺のひと」 で、いいから、どうか覚えていて、いつかこの本を手にとってくれるといいなあ、と!

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2011/02/21
  • ネタバレ

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子規が死の前年の明治34年9月から死の直前まで、俳句・水彩画等を交えて赤裸々に語った稀有な病牀日録。現世への野心と快楽の逞しい夢から失意失望の呻吟、絶叫、号泣に至る人間性情のあらゆる振幅を畳み込んだエッセイであり、命旦夕に迫る子規(1867‐1902)の心境が何の誇張も虚飾もなくうかがわれて、深い感動に誘われる。  2011年2月20日読了

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2011/02/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「坂の上の雲」を読んでから気になっていた、正岡子規が書いた本。亡くなる約一年前から書き始めた、病床日記です。 日々の事だけでなく、俳句や水彩画等もあります。 一番驚いたのは、食事の量です。身動きが困難なことによるストレスを、食事によって解消していたのではないかと思えるほど、多くて種類も豊富。当時では珍しいだろうものも含まれています。 魚が大好きだったようで、一ヶ月で家賃に迫る金額を食べているのがわかる記述があります。 俳句もすばらしく、惹かれる句もいくつかありました。 自殺しようしたことが書かれていた所では、鬼気迫る文章にこちらまで力が入ってしまうほどでした。

Posted byブクログ

2010/11/06

正岡子規が、喀血と闘いながら、死の直前まで書きとめた日記。 脊髄カリエスで耐えがたい痛みで寝返りも打てぬ病状のなか、タイトルどおり仰向けの状態で日々の生活を写生したという。 ”坂の上の雲”に、正岡子規が無名歌人に対して送ったこんな手紙があったそうな。 「血をはきし病の床のつれ...

正岡子規が、喀血と闘いながら、死の直前まで書きとめた日記。 脊髄カリエスで耐えがたい痛みで寝返りも打てぬ病状のなか、タイトルどおり仰向けの状態で日々の生活を写生したという。 ”坂の上の雲”に、正岡子規が無名歌人に対して送ったこんな手紙があったそうな。 「血をはきし病の床のつれづれに 元義の歌よめばうれしも」 まったく、「人間というこの痛々しいいきものは、どうやら仕事をするために生きているものらしい。」というフレーズが悲痛にも伝わってくる。 三度の食事の内容が記録されたり、直筆の俳句や水彩画が挿絵として載っていたりと、非常にユニークな作品でもあるが、かえってリアルなだけに当時の様子がありのままに感じ取れる実に貴重な一冊です。

Posted byブクログ