忘れられた日本人 の商品レビュー
1955年あたりから、村々の年寄りから、聞き集めた伝承をまとめたものです。幕末から、戦後まぎわあたりの話で、まさに忘れられた日本人の姿が、老人たちの口から語られています。
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世に名を残した偉人だけでなく、一生懸命生きた普通の人達のおかげで今の豊かな暮らしがある。そのことが、地道な取材を方言を交えた臨場感溢れる描写で描かれていて、白黒の昔の映像が鮮やかに蘇るような感覚になった。なんとなく知識としてはあったけど、現実に落とし込むとこういう感じか!とか、え...
世に名を残した偉人だけでなく、一生懸命生きた普通の人達のおかげで今の豊かな暮らしがある。そのことが、地道な取材を方言を交えた臨場感溢れる描写で描かれていて、白黒の昔の映像が鮮やかに蘇るような感覚になった。なんとなく知識としてはあったけど、現実に落とし込むとこういう感じか!とか、えっそうだったの!!という事実までが生き生きと見えてくる。 『土佐源氏』については映画や小説のような読みごたえがあって印象的
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あとがきより 「一つの時代にあっても、地域によっていろいろの差があり、それをまた先進と後進という形で簡単に割り切ってはいけないのではなかろうか。」 「私の一ばん知りたいことは今日の文化をきずきあげて来た生産者のエネルギーというものが、どういう人間関係や環境の中から生れ出て来たかと...
あとがきより 「一つの時代にあっても、地域によっていろいろの差があり、それをまた先進と後進という形で簡単に割り切ってはいけないのではなかろうか。」 「私の一ばん知りたいことは今日の文化をきずきあげて来た生産者のエネルギーというものが、どういう人間関係や環境の中から生れ出て来たかということである。」
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こういう民俗学的な話はやはり「エロばなし」が面白い。ある地方では男女共に誰と寝ても良かった!めちゃオープン。
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ほんの100年前の日本人の暮らしが垣間見れる、とても貴重な本だった。 改めて現代の移り変わりの速さに愕然とする。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
辺境の地で黙々と生きる日本人の知恵。 村では、寄合制度が形成され、そこでは表面的には村の取り決めや自治が行われていたが、本質的には村の人々との知識の共有がメインだった。 今から120.130年前は、読み書きができない人の方が多く、読み書きができるひとの役割が非常に大きかった。そのような人々は、正確に村で起きていることを記録し、伝承し、のちの世代を発展させることを目的としていた。今の時代で考えてみると、文字は溢れんばかりに存在していて、その存在意義を考える暇もない。のちの時代へと伝えていくという文字の一面を考えてみると、もう少し責任を持たないといけないかもしれない。 今、日本にある村は絶滅しつつあるが、昔はそのコミュニティで人々が生活を営み、生きた知識を繋いで行ったという事実をこれからの時代にも伝えていかなければならない。
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人々がまだ世界とつながっていなかった頃のエピソード 日本各地における特有の文化、風習などが生き生きと書き留められている良書 人々が混ざらないことによって産まれた凝縮された営みはとても豊かで、健気で、セクシャルだったりする。 一言でいうと「おおらか」といった感じか。 ものす...
人々がまだ世界とつながっていなかった頃のエピソード 日本各地における特有の文化、風習などが生き生きと書き留められている良書 人々が混ざらないことによって産まれた凝縮された営みはとても豊かで、健気で、セクシャルだったりする。 一言でいうと「おおらか」といった感じか。 ものすごい勢いで変わっていく世の中で、少し立ち止まって読んでみたい本。
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難しい… 文字の読める人と読めない人とで伝承に差が出てくるって所はさすが、民俗学の権威だなと思った 話が本物であろうがなかろうが、その話から文化を見出すだけでなく、地域、日本とファイリングすることによって見えてくるものもある それは全国を渡り歩いた宮本常一だからこそのことだし、具...
難しい… 文字の読める人と読めない人とで伝承に差が出てくるって所はさすが、民俗学の権威だなと思った 話が本物であろうがなかろうが、その話から文化を見出すだけでなく、地域、日本とファイリングすることによって見えてくるものもある それは全国を渡り歩いた宮本常一だからこそのことだし、具体にとらわれていないところにすごさがあると思う
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民俗学者である宮本常一の著作。民俗学に触れるのは初めてだったが、本書で江戸時代末期から昭和にかけての地方での生活を知ることができた。当然ではあるが自分の生きている時代との違いが大きく衝撃を受けた。現在の方が桁違いに便利で豊かではあるが、精神面では昔と比べてむしろ乏しくなっているん...
民俗学者である宮本常一の著作。民俗学に触れるのは初めてだったが、本書で江戸時代末期から昭和にかけての地方での生活を知ることができた。当然ではあるが自分の生きている時代との違いが大きく衝撃を受けた。現在の方が桁違いに便利で豊かではあるが、精神面では昔と比べてむしろ乏しくなっているんじゃないかと感じたし、今の時代の生き方を考えさせられた。
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2020/12/13 読了 貧乏で命をつなぐのにも苦労しただろうに、不幸に感じない。それどころか、できること、目の前にあることをひたすらやっていて、むしろ幸せに感じる。 モノが豊かになることイコール幸せではない。民俗学はそのことを勉強できる学問だなとつくづく思う。
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