忘れられた日本人 の商品レビュー
日本の成長前
昭和10年から20年代の日本の田舎の事が書かれている。四国88か所参りの接待の話、高知は女性がお参りするには危険だとされていた話、病気の女性がほとんど人に会わず、山道を通って徳島県から愛媛県に行けた話など徳島県に住む私にはおもしろかった。字の読める人は時間にしばられた生活をするが...
昭和10年から20年代の日本の田舎の事が書かれている。四国88か所参りの接待の話、高知は女性がお参りするには危険だとされていた話、病気の女性がほとんど人に会わず、山道を通って徳島県から愛媛県に行けた話など徳島県に住む私にはおもしろかった。字の読める人は時間にしばられた生活をするが、他地域との交流で地元を変える事が出来る、過去の歴史で貧農の事に書かれたついて書物は無いなど盛り沢山な興味深い記述が有りました。高度成長前の日本の原風景を記録していると思います。
岡博文
これは名作!民俗学は…
これは名作!民俗学は面白そうだと思ってはいたものの、ここまで面白いとほとんどエンターテインメント。橋の下の盲目の乞食の色ざんげの話がきわめつけです。創作かと疑うほどのスゴイ昔話です。
文庫OFF
こんな日本があったの…
こんな日本があったのか、こんな日本人がいたのかと思わず唸らされます。フィールドワークの重要性を改めて感じました。
文庫OFF
宮元常一のあったかい…
宮元常一のあったかい視線と、忘れられかけている日本のあったかい生活が文章からにじんでくる一冊。本当のロハスがここにあります。
文庫OFF
現代の日本人が失った…
現代の日本人が失った何かを再認識させられる名著。どの章も、一気に読み通せる程の吸引力がある。
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民俗学の古典。文字を…
民俗学の古典。文字を知らない、文字社会に生きていない農民たちは時間の概念をあまり持たず、今何時であるかということはあまり気を使わないが、読み書きができ文字社会に生きている人は、農民であっても時計を気にするという記述は興味深かった。とても読みやすく書かれていて面白い。
文庫OFF
歴史の教科書、メディ…
歴史の教科書、メディアでは語られることのないお百姓さん達の歴史が生々しく語られており、かなり新鮮でした。日本の歴史を考える上で外せないのではないでしょうか?
文庫OFF
宮本民俗学の代表作…
宮本民俗学の代表作。その土地で伝承されてきた話を、聞き取り、生き生きと描く。昔の農村の情景が自然と脳裏に浮かぶ。フィクションかと思うほどに面白い。
文庫OFF
民俗学の要素を盛り込…
民俗学の要素を盛り込んだ多彩な作品。 すごく深いです!!!
文庫OFF
とても興味深く読んだ。しばらく前に100分de名著で放送されており、その際に面白そうと思って購入していたが、読めずにいた。今回、機が熟して読んでみたが、想像以上、期待以上に面白みを感じた。 東日本で育ち、東日本を出たことのない身としては、違和感があったがそれも、東と西では違う、と...
とても興味深く読んだ。しばらく前に100分de名著で放送されており、その際に面白そうと思って購入していたが、読めずにいた。今回、機が熟して読んでみたが、想像以上、期待以上に面白みを感じた。 東日本で育ち、東日本を出たことのない身としては、違和感があったがそれも、東と西では違う、とのことで納得。伝承者、というにはあまりにおおらかな土地の人々の話は、つい笑顔になってしまうような話が多くあった。 油を売る、という言葉が当時当たり前だったけど、それを文字で説明することの意義。そんなところで、ふと、子供の頃、トマトに砂糖をかけて食べる、ということを職場で話した際の皆の反応が面白かったことを思い出した。私にでさえ、既に記憶の中だけの風習、習慣ってあるものだ。それを学問にするかどうかは別として、私たちと同じように一生懸命に生きて亡くなっていった人々がいて、今の私たちが存在するのだと当たり前のことだけども、感じた。 文字を知る人と知らない人とでは話し方、考え方が違うということも興味深かった。もはや、日本に住む私たちは文字を知らない人と話す機会はほぼない。ということは、文字を知らない人たちの思考も知らぬままに生きていくのだ。それは誇りでもあるし、私自身が書くこと、読むことで人生を豊かにしていることを考えると複雑な気持ちになるのだが、多様性といいつつも、つまらぬ時代だなと思う。 民俗学というと、柳田國男のイメージでほんわかとしていたが、もっと知りたいと思うようになったし、時代を書き記すことの意義を強く感じられた。
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