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日本的霊性 の商品レビュー

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27件のお客様レビュー

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鈴木大拙の主著。彼の…

鈴木大拙の主著。彼の主張する日本的霊性は感覚的にはそんなものもあるかなと思えるのですが、よく考えてみると鎌倉以前の仏教に対する低い評価などの取捨選択があり簡単に納得できないものがあります。

文庫OFF

2025/07/29

やっとここまで来たという到達感。 濫読の途中で仏教というテーマの中間整理になった。 この本は読み出すまでは難解で近寄りがたいと思っていた。生涯の友西田幾多郎の『善の研究』を連想して勝手にそう思い込んでいた。 鈴木大拙は激動の時代にあって日本仏教の霊性の覚醒を洞察しそれを鮮やかに表...

やっとここまで来たという到達感。 濫読の途中で仏教というテーマの中間整理になった。 この本は読み出すまでは難解で近寄りがたいと思っていた。生涯の友西田幾多郎の『善の研究』を連想して勝手にそう思い込んでいた。 鈴木大拙は激動の時代にあって日本仏教の霊性の覚醒を洞察しそれを鮮やかに表現した。濃密な内容は読む者の頭に深く沁み、混沌が一つ一つ整理され得心する手応えは格別だ。戦後を生きる日本人の思考の原点となり仏教を世界に知らしめた意義は大きい。 彼は第四高等学校で西田と交流し、西洋思想に傾倒するが父の早逝で中途退学し、英語教師を経て21歳で東大専科生になる。鎌倉の建長寺で傑僧今北洪川や釈宗演から禅の指導を受ける。27歳で渡米し独宗教学者ポール・ケーラスの助手になり11年間出版活動に従事する。難解な高橋巌の『大乗起信論』を共訳し『大乗仏教概論』を著す。 39歳で帰国し学習院や東大で英語を教える。 柳宗悦はその時の教え子である。 41歳でビアトリスと結婚、ズヴェーデンボルグの 『霊界日記』を翻訳しキリスト教の神秘主義と仏教の霊性の構造的類似性に惹かれる。 1944年74歳の時、この『日本的霊性』を発表する 太平洋戦争で日本の敗色濃厚ななか、軍国主義イデオロギーの日本精神と弁別し日本仏教の霊性を考察。 1946年「大智と大悲」を天皇に進講 (‘47『仏教の大意』、’49『臨在の基本思想』出版) 戦後日本の再出発に日本の仏教の意義を説く。 1953年からエラノス会議会員となり講演をする 1967年井筒俊彦に引き継ぐ 世界を視野に神秘主義や言語・哲学を研究する。 晩年、親鸞に回帰し『教行信証』の英訳を行う。 禅宗から臨在・華厳教をへて浄土教の「絶対他力」 に行きつき、そこに日本的霊性の極致を見いだす。 96歳で没。 邦文著作百巻超、外国語著作三十巻余 確固たる宗教体験で、思惟能力・表現能力・伝導 精神が傑出した日本の最もすぐれた仏教哲学者。 本文は霊性の定義、精神との違いから始まる。 日本的霊性は鎌倉時代の禅と浄土仏教で覚醒する。 平安時代までの仏教は為政者の政治手段であり、 文献解釈と仏像や豪華建築の権威誇示であった。 万葉集や源氏物語のかな文字も有閑エリート層の 恋愛やもののあはれをうたうものであった。 浄土教の他力本願は鎌倉時代に法然と親鸞によって 大地に生きる農民の切実な宗教として確立する。 蒙古襲来で日本民族の主体性を自覚する武士の禅宗 とともに日本的霊性の発露である。 親鸞で完成する法然上人の浄土思想、この全貌を解明した後、最終章で妙高人という信仰厚く徳行に富んだ象徴的信者の実像を示す。筆頭に越中赤尾の道州、次に石見の国の浅原才市、両人の法悦三昧・念仏三昧の生活と心がけを活写する。凄まじい浄土教の実践行は当該論考の掉尾を飾って余りある。 「即非の論理」について 肯定されている概念をいったん否定し、この否定を経てもういっぺん肯定に戻ったときに初めてその概念に対応する物の真実がとらえられる。 心が主観と客観に分かれて成立する関係がいわゆる知識或いは認識であり分別とも呼ばれる。ところが主観は人によってそれぞれ異なる。こういう認識作用によって知られるものは「存りのままの存る」ではない、それは常に主観による変容が加わっている。そこでこのような分別をまず否定する、つまり主観と客観の対立を掃いのける、或いは心が主客に別れる前の状態に戻る。心はもともと一心であり絶対の一であり、これを主観と客観に分けたのは我々自身だ。いずれにせよ初めの肯定がこうして否定されるとそこへありのままの物が現出する。これが「即非の論理」の意味である。 普通に言われる知識は知性即ち分別の所産である、これに反して物の真実を直観する能力は智慧である。直観には直観するものとされるものという対立はない、「存りのまま存る」をじかに直観するのだからそこに主客の区別はない。このような智慧を般若或いは「般若の智慧」と呼び、「即非の論理」は「般若の論理」とも言われる。 このように物の真実をとらえる方法が即非の論理であり、この論理は論証的思惟で認識されるのではなく霊性的自覚という体験においてのみ得られる。例えば神や仏、自由、不死或いは不生というような概念はすべて霊性の世界での話である。

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2025/02/24

2025年2月22日、YouTubeで「本を読むこととお金持ちになること」と検索して出たショート動画「保存必須!賢くなれる本3選」のコメ欄で、皆がおすすめしてた本。 コメ欄より: ■岡潔「春宵十話」 情緒と直観の重要性を信じられるようになった。 ■鈴木大拙「日本的霊性」 平安時...

2025年2月22日、YouTubeで「本を読むこととお金持ちになること」と検索して出たショート動画「保存必須!賢くなれる本3選」のコメ欄で、皆がおすすめしてた本。 コメ欄より: ■岡潔「春宵十話」 情緒と直観の重要性を信じられるようになった。 ■鈴木大拙「日本的霊性」 平安時代の女性的な貴族文化に対する言及が、現 代の文化にも通じているのではないかと思い、大 地に立つ生活の重要さを考えさせられる。 ■小林秀雄雄「生きるヒント」 たぶんオタクの元祖。好きなものを批評する態度 を学べる。 https://youtu.be/zW1jx6LS4ko?si=EpTXRbzGwUm9u9fN

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2024/04/28

図書館で借りた。 「霊性」とはあまり聞き慣れない。本もその説明から始まるが、英訳すれば"Japanese Spirituality"だ。冒頭でも解説されるが、「日本人の精神」と捉えればそんな間違いではない。つまり、「私たち日本人のスピリッツはどこから来ているん...

図書館で借りた。 「霊性」とはあまり聞き慣れない。本もその説明から始まるが、英訳すれば"Japanese Spirituality"だ。冒頭でも解説されるが、「日本人の精神」と捉えればそんな間違いではない。つまり、「私たち日本人のスピリッツはどこから来ているんだろうか?」な日本学的ジャンルだ。 神道、仏教、サムライ、平家物語…。様々な入口から"日本的霊性"を掘り下げていく。 …う~ん、中々難しい。国語の試験を解いているようだった。まだまだ私にはハードルが高かった。

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2024/02/02

(01) 霊性という語には仏教味が少なく,著者が近代の知を浴びながら捻出した造語とも言える.しかし,精神でもなく心でもなく,ましてや無意識でもないし,もちろん物でもない霊性とは何か. 浄土真宗(*02)こそが,著者の信条を捉え,身体性に染み付いた実践でもあったと考えられる.真宗の...

(01) 霊性という語には仏教味が少なく,著者が近代の知を浴びながら捻出した造語とも言える.しかし,精神でもなく心でもなく,ましてや無意識でもないし,もちろん物でもない霊性とは何か. 浄土真宗(*02)こそが,著者の信条を捉え,身体性に染み付いた実践でもあったと考えられる.真宗の創始にあたった法然と親鸞,そして真宗の近代的な実践者である道宗や才市の例をあげ,それが他の宗派や宗教ではなし得なかった霊性に着地した思考(*03)と実践であったと説いている. (02) 浄土真宗の念仏は,常に問題となる.日蓮宗の「南妙法蓮華経」よりもさらにコンパクトになった名号「南無阿弥陀仏」が膾炙し,膾炙するだけの理由が語られていく.それは理論的なものでもなく,狂信的なものでもなく,霊性的な境地にのみ発せられる人間の表象とでも家るのではないだろうか.もちろん意味をなす言葉でないところにその六字の聖性があるする考えはよく了解される. (03) 鎌倉仏教や禅宗に至るちょっとした精神史,思想史も霊性の立場から説かれており,「大地」というイメージも面白い.また,その思考は,武士道にも引き継がれ,言わずもがな,明治以降の国家神道に差し向けたアンチなテーゼとしてもとらえられる.また,キリスト教ほかも視野に入れた世界史の中での日本的霊性の位置付けもなされている.

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2023/05/07

落合陽一氏が著作の中で、読むべき本として挙げた中にあったもの。 1944年12月という太平洋戦争敗色濃厚な時期に『日本的』というフレーズ付きで出版された本書は、どの程度時代の空気に逆らった(或いはおもねった)内容だったのだろうか?という興味で手に取った。 内容としては、日本人の...

落合陽一氏が著作の中で、読むべき本として挙げた中にあったもの。 1944年12月という太平洋戦争敗色濃厚な時期に『日本的』というフレーズ付きで出版された本書は、どの程度時代の空気に逆らった(或いはおもねった)内容だったのだろうか?という興味で手に取った。 内容としては、日本人の宗教意識の基礎は鎌倉時代に築かれた、平家物語の影響が大きい、といった主張は、既に教科書レベルで定着した説になっているように思ったが、専門家から見るとどうなんでしょう。 日本仏教を考える時、サンスクリット語→漢字→日本語と翻訳を重ねる間に、表意文字の漢字を介することで、ニュアンスが伝わりやすい面もあれば、逆に、固有名詞に過ぎない単なる音に別の意味を勝手に見出してしまうケースもありそうで、こねくり回しているうちに別の学問が生まれた、というような錬金術的側面もあるように思う。(どこぞの僧侶自身がそういうことを認めていたインタビューを聞いた気がする。)

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2023/05/01

自身の知識・価値観によるところが大きいのかもしれないが、論調や話の流れ、展開を追うことができなかった。理系的な?論理思考フォーマットで捉えがちな思想にとらわれてしまった自分が、流し聞きで理解できる価値観ではない、ということがわかった。日本的霊性は鎌倉仏教の伝来を機に形成されていっ...

自身の知識・価値観によるところが大きいのかもしれないが、論調や話の流れ、展開を追うことができなかった。理系的な?論理思考フォーマットで捉えがちな思想にとらわれてしまった自分が、流し聞きで理解できる価値観ではない、ということがわかった。日本的霊性は鎌倉仏教の伝来を機に形成されていった(もっと古代から徐々にというイメージだったけど)という説はなんとなく抑えた。

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2022/12/25

日本的霊性は大地から始まる。 自覚されるのは、鎌倉時代。 華やかな平安は「天」、実質的な鎌倉は「大地」。 親鸞は京から田舎の地に移ったから、大地から学ぶことが出来た。

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2026/04/12

25/4/12 こころの時代 ファンタジーに秘められた宗教 星の王子さま 若松英輔氏 取り上げていた   大地性を失った 13.12.7 こころの時代〜宗教・人生〜「いま・ここを生きる 鈴木大拙の生と死から」 欧米にZEN(禅)を伝えた仏教思想家・鈴木大拙。95歳で迎え...

25/4/12 こころの時代 ファンタジーに秘められた宗教 星の王子さま 若松英輔氏 取り上げていた   大地性を失った 13.12.7 こころの時代〜宗教・人生〜「いま・ここを生きる 鈴木大拙の生と死から」 欧米にZEN(禅)を伝えた仏教思想家・鈴木大拙。95歳で迎えた最期は静謐なものだった。大拙の生と死を身近で見つめた岡村美穂子さんと主治医の日野原重明さんが語る。 明治から昭和にかけ、欧米に広くZEN(禅)や仏教を紹介し、多大な思想的影響を与えた思想家・鈴木大拙。95歳で亡くなる直前まで海外を歴訪し、親鸞の『教行信証』の英訳を手がけるなど、人生をかけて東西の思想的交流に貢献した。大拙の最晩年は禅者の静けさそのものであったという。その時間を共に過ごした岡村美穂子さんと主治医の日野原重明さんが、大拙が語った「無事」という言葉や、心に残る大拙の姿について語る。 【出演】鈴木大拙館名誉館長…岡村美穂子,【出演】聖路加国際病院名誉院長…日野原重明,【きき手】木村宣彰,【語り】伊東敏恵

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2019/01/30

日本的霊性につきて 第1篇 鎌倉時代と日本的霊性(情性的生活;日本的霊性の自覚―鎌倉時代) 第2篇 日本的霊性の顕現(日本的霊性の胎動と仏教;霊性;日本的霊性の主体性) 第3篇 法然上人と念仏称名(平家の没落;浄土系思想の様相;念仏と「文盲」;念仏称名) 第4篇 妙好人(赤...

日本的霊性につきて 第1篇 鎌倉時代と日本的霊性(情性的生活;日本的霊性の自覚―鎌倉時代) 第2篇 日本的霊性の顕現(日本的霊性の胎動と仏教;霊性;日本的霊性の主体性) 第3篇 法然上人と念仏称名(平家の没落;浄土系思想の様相;念仏と「文盲」;念仏称名) 第4篇 妙好人(赤尾の道宗;浅原才市) 著者:鈴木大拙(1870-1966、金沢市、仏教学)

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