道徳の系譜 の商品レビュー
ニーチェの思想の構造…
ニーチェの思想の構造、とりわけその道徳批判およびこれに関連する独自の価値思想の理論的な筋道をとらえるのに最も役立つ一書。
文庫OFF
すげぇ。 20世紀の傑物達(フーコー、バタイユ 、サルトル、フロイト)、彼らの思考の源泉がこの本に詰まっている。 熱烈で過剰、奔放な文体と軽快なリズムで綴るニーチェ中期の最重要作。 理解七割って感じだからまた読み直したい。
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久しぶりにニーチェを手に取ったが、あふれ出てくるパワーはやはり「生」という感じで、近いうちに行きたいと思っている岡本太郎展のことを思い出したりしていた。。その前に著作も読みたいところ。。 『善悪の彼岸』と合わせてイントロダクトリーな本ということで、そちらも読まねば(先に読めばよ...
久しぶりにニーチェを手に取ったが、あふれ出てくるパワーはやはり「生」という感じで、近いうちに行きたいと思っている岡本太郎展のことを思い出したりしていた。。その前に著作も読みたいところ。。 『善悪の彼岸』と合わせてイントロダクトリーな本ということで、そちらも読まねば(先に読めばよかったと思いつつ)。高校生の時にツァラトゥストラを読もうとして挫折したな…と思いながらビクついていたけれど、本作はすらすら読めました。本当に初心者向き笑 ニーチェを読んでいると生・強さ・力といった言葉が連想されてくるようで、それに心の底から同意するとか同意しないとかいう話ではなく、そういう考えも確かにあると視線を広げてくれるのは良い。テンションはパワフルすぎて時々置いて行かれるんだけど…笑 頑張ってこの一度限りの生を生きていこうと思いました。ともすると「無への意志」を発揮してしまいそうになるので。
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入門書を何冊か読んだおかげか、哲学書とは思えないほど読みやすかった。それでも時間はかなりかかったけれど。
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いまの、「良い」は、弱い人たちにとってだけの「良い」。 弱い人たちは、善良・謙虚・敬虔・従順…そんなものを無上の武器にして叛乱を起こし、ついに強い人たちから道徳を奪い取った。そしてずっと独り占めにしている。 それからは、強い人たちを、強いからという理由で責め続けている。ウ...
いまの、「良い」は、弱い人たちにとってだけの「良い」。 弱い人たちは、善良・謙虚・敬虔・従順…そんなものを無上の武器にして叛乱を起こし、ついに強い人たちから道徳を奪い取った。そしてずっと独り占めにしている。 それからは、強い人たちを、強いからという理由で責め続けている。ウサギがライオンになれないのと同じように、ライオンだってウサギにはなれないのに。 昔は違った。道徳は強い人たちのものだった。強い人たちの持つ、力強さそのものが道徳だった。 今の道徳は、弱い人たちが、弱さのエネルギーをそのまま強さに変えて作り出した、歪んだうらみの道徳。それってどーなの?そんなとこでみんなで開き直って自分を押し込めて、うじうじと弱さ競争してるよりは、みんなでナポレオンや戦国大名のような強さを求めて頑張ったほうが健康的なんじゃないの。っていう本。…というように読みました。もっともっと複雑だけど。 キリスト教やプラトン主義やカントの定言命法などから成る既存道徳と…いや、それらを笠に着た偽善と、すっかり当たり前のようにそんな色に染まった民主主義社会に風穴を開けるアンチテーゼとしてはすごく納得できるし、力強くて魅力的な思想だと思う。弱者の広める禁欲的姿勢が、生を抑圧している、というのもよくわかる。こういう強烈で懐疑的な思想は、次なるジンテーゼを生む意味でも、風通しの意味でも必要だと思う。 なにより、ニーチェが何故かどんどん興奮していく感じが読んでいて楽しいし憎めないです。「もうたくさんだ!もうたくさんだ!」って。 豊かな比喩表現やユーモアたっぷりの言い回しなど、文学としても一流だと思う。 でも個人的には、実際ニーチェの求めるような世界になったら嫌だなあ。力強さそのものの道徳―君主道徳って、もはや道徳ではないような気がします。 この『道徳の系譜』を、一人ひとりの人生目標としてや文学としてではなく、そのまま現実的に解釈すれば、力だけが意味を持つ、善悪のない世界がいいってことになる。 恐ろしすぎです。私は、ナポレオンや戦国大名なニーチェの思想を踏まえたうえで、やはり、道徳は必要だと感じる。 それにしても、ニーチェの道徳を言葉のまま咀嚼もせず受け止めて現実世界に持ち込んでしまった例として、土浦の殺傷事件が挙げられるのかなと思います…。
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ニーチェには読者を煽るような文句が多い。それに流されて、ある種の人間はルサンチマンである、また別種の有り様は超人であるなどと、人間の高低の判別を説いているのだと思ってしまっていた。 しかし、この本を読んで、ニーチェが人類について、特にその進化についての議論をしていると気づいて...
ニーチェには読者を煽るような文句が多い。それに流されて、ある種の人間はルサンチマンである、また別種の有り様は超人であるなどと、人間の高低の判別を説いているのだと思ってしまっていた。 しかし、この本を読んで、ニーチェが人類について、特にその進化についての議論をしていると気づいてからは、その捉え方が変わった。ニーチェは、ルサンチマンを生み出す禁欲主義的理想について、「禁欲主義的理想は人類に一つの意義を提供したのだ!それがこれまで唯一の意義であった。何らかの意義を有するということは、全く意義を有しないということよりはましである。わけても禁欲主義的理想は、確かにこれまでに存在した限りでの優れた《間に合わせ》であった。」(p270)と述べる。この《間に合わせ》が破綻したのが、神は死んだ時代であり、その先にツァラトゥストラがおり、超人の理想世界がある。 こういう風にニーチェが読めるのだと気づいて、初めて思想家としてのニーチェを感じた。以前は、説教臭い狂人のイメージがあった。AだかBだかしらないが人間や民族を区分し、悦に浸る思考とは、スケールの違う平原が原著にはあった。
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ニーチェはつよみ。軽い気持ちで読んだけど難しかったのでなんとなく雰囲気を理解した程度。良心がサディズム。禁欲主義者が嫌いなこととか、わかった。カントの美の定義やショーペンハウエルのそれは印象にのこったあたり、僕はニーチェにむかないかもしれない。Evernote。
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訳:木場深定、原書名:ZUR GENEALOGIE DER MORAL(Nietzsche,Friedrich)
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考え方が天才すぎる この本を読んでから俺は常にニーチェの視点で考えてしまう。現代のポピュリズムの台頭まで説明できうる考え方。最高の哲学者ではないだろうか。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ツゥアラトゥストラの後、あらゆる価値転倒の意志をより鮮明化させた後期ニーチェは得意の系譜学を用いてその思想を詩ではなく論理として構築することを試みた。 人を善きものとしようとする道徳と考えられているもの、それこそが支配者の巧妙な企みの核心であり、結果、人は支配者にとって好都合なものーーニーチェにとっての堕落したものとなる。 フロイト、ウェーバー、ベルクソン、フーコーらの名をあげるまでもなく、以降の目覚めた思想はすべからくここを源流とする。 現在に目を向けてみよう。支配するものとしてのエコノミーとテクノロジー。これらは未だに解決せざるニーチェ的課題なのである。
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