村上春樹全作品 1990~2000(5) の商品レビュー
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期待した割には主人公夫婦と間宮中尉の戦時体験の相関性が希薄。後者の方が面白い。 加納姉妹が1・2部でナツメグ・シナモン親子が3部でと主人公と綿谷ノボルとの関係性(距離感や敵対性を含めて)が描かれるがどれも短い短編のつなぎあわせのようで長編を読んでしっかりとしたテーマが伝わった実感がない。 特に致命的なのは本作でもっと描くべき綿谷ノボルとクミコ兄妹の背景や関係性が描き切れていないからだと思う。
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暗示的ことがらばかりの内容から 一歩踏み出し めずらしく その後の結末らしきものが かなり表現されている作品 個人的経験もあってか 涙が溢れた 巻末の解読の村上氏の文章は とても貴重 全作品集ならではのものであろう
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中2で読み始めた村上春樹、この3部で追いついた。 十代で出会ったモノは一生付き合っていかねばならんのだ。 好きとか嫌いとかではない。なんやもうよう分からん。
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相変わらず読みづらく、わかりづらい。 私の読解力の低さも相まってのことだけれど。 言葉選びが独特で、個人的には嫌味に感じてしまい、最後まで気になった。 登場人物が終始一貫してセリフが抽象的で曖昧で疲れる。 読み終わって晴れ晴れと言うより、なんとか読みきったなぁという状態です。...
相変わらず読みづらく、わかりづらい。 私の読解力の低さも相まってのことだけれど。 言葉選びが独特で、個人的には嫌味に感じてしまい、最後まで気になった。 登場人物が終始一貫してセリフが抽象的で曖昧で疲れる。 読み終わって晴れ晴れと言うより、なんとか読みきったなぁという状態です。 この作者とは合わないのかもしれないが、カフカは読みたいと思う。
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面白くないわけではない。けれども、一部二部の深さからすると何だか物足りなさを感じる。そういえば、あまりにも前半の印象が強すぎてその後のこの小説の話の展開をすっかり忘れていた。それぐらい一部〜二部の印象が強かったから。そこで描かれたノモンハン事件前後の満州や外蒙古国境近くでの突然陥る、闇夜とは実は今でも京都の街中を歩いていて迷い込みそうになる「何か」と同じではないかと考えてしまう。
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この本の解題でも述べられていたが、いくつかの謎が残されつつも、一応一区切りついた感じ。しかし、実際よくわからない、ってのもある。『海辺のカフカ』もそうだったけど、『ねじまき鳥クロニクル』も現実といわゆる「非現実」の間の往復が重要な点であると感じた。そこは感じたけれども、やっぱり連...
この本の解題でも述べられていたが、いくつかの謎が残されつつも、一応一区切りついた感じ。しかし、実際よくわからない、ってのもある。『海辺のカフカ』もそうだったけど、『ねじまき鳥クロニクル』も現実といわゆる「非現実」の間の往復が重要な点であると感じた。そこは感じたけれども、やっぱり連関性とか話の筋が若干見えにくいのは否めない。ただ、やっぱり文章には何か惹かれるものがあると思いました。
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赤坂ナツメグに拾われた僕はあの家をとり戻す代わりに 彼女とシナモンの仕事を手伝うことになった。 僕はただ目隠しをして座っているだけ。 そこに見知らぬ女が来て僕のあざで癒されては帰っていった。 他に僕がすることといったら 井戸であの場所に行くために瞑想をすることだ。 しかしいわくつ...
赤坂ナツメグに拾われた僕はあの家をとり戻す代わりに 彼女とシナモンの仕事を手伝うことになった。 僕はただ目隠しをして座っているだけ。 そこに見知らぬ女が来て僕のあざで癒されては帰っていった。 他に僕がすることといったら 井戸であの場所に行くために瞑想をすることだ。 しかしいわくつきの場所に親族が住むことを よく思わない綿谷ノボルがクミコを交換条件に出してきた。 彼女とチャットをするが話は平行線をたどったまま。 そしてついに僕はあのホテルにたどり着く。 装丁:和田誠 謎はいろいろ残されたままです。 最初はもどかしかったのですがそういう雰囲気も ひっくるめて楽しむものなのかと思うようになりました。 結局クミコはどうなったのだろう?
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春樹氏自身が語っているように第3部のテーマは「闘争」と「救済」。?部から一貫して底部に流れている「血なまぐさい暴力」が、理解できる「暴力」として描かれています。大事な人を連れて帰るためには、そうしてしまうでしょう、私も。もちろん力は弱いけれど。 シュールな現象を通して、あちら側の...
春樹氏自身が語っているように第3部のテーマは「闘争」と「救済」。?部から一貫して底部に流れている「血なまぐさい暴力」が、理解できる「暴力」として描かれています。大事な人を連れて帰るためには、そうしてしまうでしょう、私も。もちろん力は弱いけれど。 シュールな現象を通して、あちら側の世界とこちら側の世界を行き来できる主人公、岡田トオルが、最終的に決断した「待つこと」。そのたくましい優しさに脱帽です。男性はどこまで女性を許せるのだろう?と男性の読者に聞いてみたい気がします。ボリュームのある3部作を完成させた春樹氏の圧倒的な力量!やはり稀有な作家だと実感します。初版時に読了。再読。
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雰囲気としては対決姿勢のはっきりしていない1・2部までの方が好き。 主人公の素朴で前向きな姿勢には好感が持てる。 なぜ間宮中尉とボリスの結果はああにしかならなかったのだろうか。
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第一部・二部と比べたら、するすると話が進んでいく印象。 謎が解明されないままのところもたくさんあったけれど、なんとなく、希望が見えるようなラストだと思った。 第一部からもう一度読み返して、自分なりに解読したい。
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