損料屋喜八郎始末控え の商品レビュー
なるほど、これは先に読むべきだった。失敗。 損料屋喜八郎シリーズの事。 先に赤絵の桜を読んじゃったんだよね。確かに1話完結だけど、前作までの因果が含まれた話がずっと続いていくので、順番道理に読んだ方が面白い。 万両駕籠 騙り御前 いわし祝言 吹かずとも 職業紹介とも言われる一...
なるほど、これは先に読むべきだった。失敗。 損料屋喜八郎シリーズの事。 先に赤絵の桜を読んじゃったんだよね。確かに1話完結だけど、前作までの因果が含まれた話がずっと続いていくので、順番道理に読んだ方が面白い。 万両駕籠 騙り御前 いわし祝言 吹かずとも 職業紹介とも言われる一力さんの時代小説だけれども、あまり肩肘張らずとも、日々の生活の片隅にある粋?じゃないな、これだけは越えちゃいけない一線ってものがそこにあって、それが心地良いわけだ。 そうだよな、世の中、善人ばっかりでも悪人ばっかりでもないし、悪事オンリーの人も、善事オンリーの人もいないわけで、それが世の中の面白さってものだよねぇ、と思わせてくれる。 でもさー、やっぱり失っちゃならねえ信用ってのはあるものでね。 うう。ちゃんと生活しないといかんわ、と読むたびに反省したりするわけです。 「吹かずとも」 偽金作りの企みが二転三転していくのがとても面白かった。
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「田沼バブルのはじけた江戸で繰り広げられる丁々発止の頭脳戦」と帯にある。 貨幣経済に移行してからの江戸の経済は現代に通じるものが多々ある。武士の暮らしは、金貸しなくしては成り立たなかったようで、棄捐令の後の「貸し渋り」など、近年の銀行と類似する。喜八郎の様々な策略と、商人たちの...
「田沼バブルのはじけた江戸で繰り広げられる丁々発止の頭脳戦」と帯にある。 貨幣経済に移行してからの江戸の経済は現代に通じるものが多々ある。武士の暮らしは、金貸しなくしては成り立たなかったようで、棄捐令の後の「貸し渋り」など、近年の銀行と類似する。喜八郎の様々な策略と、商人たちの知恵比べ、幕府の動向と絡めて、面白くストーリーが展開する。 江戸の人間模様を挟めた経済小説。
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3月22日読了。山本一力のデビュー作。武家相手の江戸時代の金貸し業・札差や何でも屋・損料屋など、刀に物を言わせるサムライでない町人たちを主人公とした4つの連作短編集。町人の隆盛と裏腹に武家が困窮し、共に弱体化した幕府が打つ武家の延命策(借金の棒引き)に対し金貸しの恨みが募る・・・...
3月22日読了。山本一力のデビュー作。武家相手の江戸時代の金貸し業・札差や何でも屋・損料屋など、刀に物を言わせるサムライでない町人たちを主人公とした4つの連作短編集。町人の隆盛と裏腹に武家が困窮し、共に弱体化した幕府が打つ武家の延命策(借金の棒引き)に対し金貸しの恨みが募る・・・などの江戸末期の時代のうねりが、読み進むにつれて読者に伝わってくる構成・描写力はさすが。・・・とは言え札差たちの悪事の露見が安直に過ぎる気がするのと、無理やり人情話にしなくても・・・?という疑問はあるが。この小説が「あかね空」に結実したのならば、それでよしとするか。
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これがシリーズ1作目か。2作目先に読んじゃった(笑) こっちのほうがずっとおもしろかった♪ 悪をたくらむ相手をスコーンとやっつけたり(でもちゃんと逃げ場は残しておいてやる) なかなか爽快でした。 テレビの時代劇にしたら面白そうな感じ〜
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巨利をむさぼる札差、借金にあえぐ御家人。これをたすける為に幕府は借金棒引き令を出すが…どこまでも強かな札差相手に損料屋が知恵を絞る短編集。最初は強欲な札差をやっつけるのが痛快だが、札差にも札差の立場があり、そちらからの視点も入ってくるのが公平だと感心する。何しろ元はといえば借金踏...
巨利をむさぼる札差、借金にあえぐ御家人。これをたすける為に幕府は借金棒引き令を出すが…どこまでも強かな札差相手に損料屋が知恵を絞る短編集。最初は強欲な札差をやっつけるのが痛快だが、札差にも札差の立場があり、そちらからの視点も入ってくるのが公平だと感心する。何しろ元はといえば借金踏み倒す幕府の方が泥棒なのだ(笑)札差の逆襲などもまた読んでいて面白い。いつの世も金とは争いの種である☆
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この、一筋縄でいかない人間関係、面白い! 一筋縄でいかない感は続編の「赤絵の桜」でも更に楽しめる。あー、オール讀物でどんどんこのシリーズを書いてください!
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自分にとっての初の山本一力作品。他の作品と通ずる深川を中心とした鯔背なオトコたちと彼らを支えるオンナたちの世界にハマりました。剣の腕に頼らず頭脳戦で繰り広げられる話は今まで自分が読んできた時代小説とは一線を画すもので、この部分だけでも読み応えがあります。また池波正太郎的に劇中の食...
自分にとっての初の山本一力作品。他の作品と通ずる深川を中心とした鯔背なオトコたちと彼らを支えるオンナたちの世界にハマりました。剣の腕に頼らず頭脳戦で繰り広げられる話は今まで自分が読んできた時代小説とは一線を画すもので、この部分だけでも読み応えがあります。また池波正太郎的に劇中の食に関する部分もリアルにそそられる点も良いです。
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これまたNHKがドラマにしそうな話ですね。これから先の伊勢屋と喜八郎の関係とか、秀弥との恋の行方とか・・・気になる。。。続きが読みたいです。
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山本一力氏を初めて読んだけど、面白かったです。無駄な説明がないから最初から30ページくらいまでは話がよく分からんかったけど、一旦話に入れたら後はスムーズ。主人公喜八郎と伊勢屋との駆け引きがいい。勧善懲悪の流れも気持ちいい。
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損料屋ってなに? 江戸の昔は鍋釜などの日用品を僅かな銭で貸す商売があったそうな。それが損料屋だそうで、本来は年寄りの生業なのだけど、喜八郎はバリバリの現役男前。 札差の米屋・喜八郎Vs伊勢屋・笠倉屋の神経戦。
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