カッティング・ルーム の商品レビュー
読み終わってからしばらくたつ。推理小説か、サスペンス小説をかけないかなあ、と思いながら、そのジャンルを中心に読んでいたことがある。この本は材料がそろえば、ストーリーは成立することがよくわかる作品になっている。 ただし、それが、作者の努力や思い入れに比例して面白いものになるかどう...
読み終わってからしばらくたつ。推理小説か、サスペンス小説をかけないかなあ、と思いながら、そのジャンルを中心に読んでいたことがある。この本は材料がそろえば、ストーリーは成立することがよくわかる作品になっている。 ただし、それが、作者の努力や思い入れに比例して面白いものになるかどうか、ということは別の話で、翻訳ものという垣根ごしのものであっても、どこか物語の進む推進力が、すこし落ちるような感触がある。 どこか、総花的な材料が結び付くのにもう一段ステップがいるような、熟成のいるような、そんな感触があったこと思い出す。実在した売春宿と、現在の売春のシンジケートの事件が輻輳的に交錯するが、かえってストンとおちる感じを阻害してはいないか。たぶん、資料のほうが物語にたいして、重すぎるのだ。 文章は読みやすい。
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ミステリとしてはいまいち。主人公リルケの魅力(屈折した)だけで読ませる。ロバート・カーライルがやったらぴったりだと思う。
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