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思い出のマーニー(上) の商品レビュー

3.9

54件のお客様レビュー

  1. 5つ

    12

  2. 4つ

    16

  3. 3つ

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2014/01/04

人に心を開くのが苦手な、そして人と対話するのを諦めているかのようなアンナ。両親と祖母を早くに亡くし、「おばちゃん」に引き取られていたが、アンナの性格にも良かれと思い、おばちゃんはアンナを海辺の田舎町で夏の間暮らさせることにする。海辺の町でもひとりぼっちのアンナだが、その町にたたず...

人に心を開くのが苦手な、そして人と対話するのを諦めているかのようなアンナ。両親と祖母を早くに亡くし、「おばちゃん」に引き取られていたが、アンナの性格にも良かれと思い、おばちゃんはアンナを海辺の田舎町で夏の間暮らさせることにする。海辺の町でもひとりぼっちのアンナだが、その町にたたずむ古い「しめっ地やしき」で、アンナはマーニーという不思議な女の子と出会う…。 上巻ではアンナの孤独さがよく伝わってくる。その孤独さゆえに、マーニーという輝かしい存在がより一層、幻想的で、美しく、そして儚く消えてしまいそうな思い出のように感じさせられる。ただ、文章の難しさ、アンナの孤独さの描き方が難解で、あまり子ども向きではないかもしれない。大人でも「果たしてこの物語がどう帰結するのか」と思ってしまうが、それは下巻をぜひご覧あれ。上巻を読んで、読むのをやめてしまわぬよう…

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2013/12/27

下巻12.25読了 孤独を好む少女アンナが幻のような少女マーニーとの出会いを経て心を開いてゆくお話。 最後にはアンナの心にマーニーの愛が届いていたことがわかって景色が一変するような感動があった。 ミス・リンゼーの可愛らしい台詞が印象的でした。 アンナも孤独の中で愛情を求め続けて...

下巻12.25読了 孤独を好む少女アンナが幻のような少女マーニーとの出会いを経て心を開いてゆくお話。 最後にはアンナの心にマーニーの愛が届いていたことがわかって景色が一変するような感動があった。 ミス・リンゼーの可愛らしい台詞が印象的でした。 アンナも孤独の中で愛情を求め続けていたからこその出会いだったんだろうと思う。 物語の展開も面白くてこの本を知れて良かった。

Posted byブクログ

2013/12/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

次回作のアリエッティの監督のジブリ作品のもとになっているお話ということで、読んでみました。 一見、孤独だろうとおもえるアンナという少女は 孤独を孤独とは思わない少女。ぼけーっとしてることが好きで、自分ひとりの時間を大切にしてました。アンナの背景に両親とすんでない、親族ではなく他人のおばさんと住んでいることがあるからかもしれません。 アンナは田舎のまたちがう家で違う人と暮らすようになりますが、毎日あるひとつの家に目をつけて通うようになります。 空き家と思われた素敵な家についに人が帰ってきました。そこで住んでいたのがこの題名の名前、マーニー。不思議なマーニーの点をまだ上では語られていません。今から下巻を読みます。

Posted byブクログ

2014/01/02

図書館落ちの本。きれいな本でした。 岩波少年文庫は廃棄せずに ずっと 図書館に置いていても いいんじゃないかな。

Posted byブクログ

2013/11/19

育ての親を信じることができず、心を開ける場がどこにもなかったアンナが、不思議な少女マーニーと出会い、傷を癒していく。 とにかくアンナとマーニーとの交流、何よりラストが美しくて儚くて、大好きな作品です。

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2013/07/15

岩波の名作児童書シリーズなのですが、このシリーズの本を読み続けてきて、なんとなく海外の名作古典児童書というのもパターンがあるなぁときづきました。 孤独を抱え、無理解な大人や世の中にうまく馴染めない少年少女、が主人公というのがまず多い。 そういう子どもが今までと違う環境のところへ...

岩波の名作児童書シリーズなのですが、このシリーズの本を読み続けてきて、なんとなく海外の名作古典児童書というのもパターンがあるなぁときづきました。 孤独を抱え、無理解な大人や世の中にうまく馴染めない少年少女、が主人公というのがまず多い。 そういう子どもが今までと違う環境のところへ引越し、そこでなんらかの秘密を持つ。その秘密を楽しんでいるうちに、友人を作り、健康的になったり朗らかになり、大人たちとも和解する、というのが共通する大筋。 「秘密」のところにはバイリエーションがあるが、タイムトラベルだったり、不思議な世界だったりと、これもある程度お決まりがある印象。 現代の子ども達の好みや内面からすると、ちょっとズレがある感があるのは否めませんね。

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2011/10/23

河合隼雄さんの「こどもの本を読む」の紹介文をななめ読みして、気になって借りてきました。 子どもはもちろん、おとなの人にも読んでいただきたい本です。 少女アンナの心の癒しの物語を通して、自分自身の気持にも、すぅっと溶けこんでゆくやさしいものが、この本にはあります。 決してどきどきわ...

河合隼雄さんの「こどもの本を読む」の紹介文をななめ読みして、気になって借りてきました。 子どもはもちろん、おとなの人にも読んでいただきたい本です。 少女アンナの心の癒しの物語を通して、自分自身の気持にも、すぅっと溶けこんでゆくやさしいものが、この本にはあります。 決してどきどきわくわくするような、冒険の物語ではなく、どちらかと言えば地味でとても不思議な物語ですが、なんだか気になって読み返したくなる魅力があります。

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2011/04/15

読み終えたあと、すぐにもう一度最初から読み直したくなるような、そういう素敵な作品でした。  上巻は情緒豊かで内面的な世界を丁寧に描いた感じ、下巻は止まっていた時間・モノクロ画像のようだった上巻の景色・心が動き出し、ミステリーでもないのに謎解きまであって、少しずつ彩色されていくよう...

読み終えたあと、すぐにもう一度最初から読み直したくなるような、そういう素敵な作品でした。  上巻は情緒豊かで内面的な世界を丁寧に描いた感じ、下巻は止まっていた時間・モノクロ画像のようだった上巻の景色・心が動き出し、ミステリーでもないのに謎解きまであって、少しずつ彩色されていくような感じ。  神秘的で、ミステリアスな物語でした。 「自分の殻」という言葉がよく使われるけれど、この物語の主人公アンナはまさにその「自分の殻」から抜け出すことができずに苦しんでいる女の子です。  その殻は決してアンナが独り勝手に作ったものではないんだけど、その殻に苦しんでいることを自覚しているにもかかわらずそれを自力で割ることが出来ないほど固くしてしまったのはやっぱり、アンナ自身でした。  アンナは自分を「外側」にいる人間だと考えます。   なぜかというと、ほかの人たちは、みんな「内側の人」---- なにか、目に見えない魔法の輪の内側にいる人だからです。  でもアンナ自身はその輪の「外側」にいました。  だから、そいういうことは、アンナと関係のないことなのでした。  (本文より転載) アンナにはうまく説明できないものの、目には見えないある種の「自分とは相容れないもの」を「世間」とでも呼ぶべき集合体に対して感じています。  それはある種の疎外感みたいなもの。  でも、これってアンナのような生い立ちではなくても、多くの人が自我に目覚め始めた頃には感じるものだと思うんですよね。  でも、多くの場合その苛立ちは「自分のことがわからない苛立ち」であることが多いように思うんだけど、アンナの場合は少しだけ違っていて、彼女は自分のことをよ~くわかっています。  ただ、そこから踏み出したいと思うのにその術を、持たない・・・・  そんな感じの女の子なのです。   それは「揺るぎない自分だけに向けられる愛情」を誰からも感じられないということによるものだと思うんですよね。  だから学期の途中で美しい海辺の小さな村リトル・オーバートンに転地療養に行くことになった際にもアンナはそのことを「どうにも手におえない子の厄介払い」だと感じてしまうのです。  でも、アンナが可愛そうなのはそう思って傷つきながらも、本当はそうではないことも心の奥底のどこかでちゃ~んと察しているのです。   腫れ物に触れるように接してくる、本心を語ることのない大人たちには素直になれない。  独りでいても寂しくなんかないし、友達がいないことすら苦痛に感じない。  自分を残して死んでしまった母や祖母を恨み、その死の背景など知ろうという気にもなれない。  そう、アンナはある意味で鋭すぎるのです。  自分の事も自分を取り巻く大人の事もその根っこにある本質的なものを瞬時に見抜き、察してしまうのです。  そしてその「見抜いたこと」に傷ついてしまうほどに繊細な心を持っているのです。  だからこそ、自分を必要以上に傷つけないように、自分を守る殻を固くするために、無表情な「ふつうの」顔を保とうとします。 (全文はブログにて)

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2011/02/27

海辺の村でアンナは,同い年の不思議な少女マーニーと友だちになります.2人は毎日,秘密の遊びを楽しみますが,ある日マーニーが約束の場所に現れません.村人も知らないこの少女は誰

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2010/07/24

少女時代に私の本好きを決定づけた本が3冊ある。 いずれも人生においてはじめてできた親友が薦めてくれたものだった。 『モモ』、『はてしない物語』そして、この『思い出のマーニー』である。 なんと言われて貸してもらったんだったか正確なところは記憶していない。 たしか、きっとはま...

少女時代に私の本好きを決定づけた本が3冊ある。 いずれも人生においてはじめてできた親友が薦めてくれたものだった。 『モモ』、『はてしない物語』そして、この『思い出のマーニー』である。 なんと言われて貸してもらったんだったか正確なところは記憶していない。 たしか、きっとはまると思う・・・だったような気がする。 あるいは、主人公が私に似ているとはっきり言われたのかもしれない。 そして、案の定、見事に、はまった。 この本を最初に読んだのが11歳の頃、 そして、大学の児童室で再読したのが22歳、 そして、やっと本を買ったのが35歳。 この上巻の書評を書いたのが、2008年11月なのだが、 下巻の書評を書く2010年4月の前に もう1回頭から読み直しているので、 10代、20代、30代と3回以上読んだことになる。 そして、英語のブッククラブで借りてきた 原書"When Marnie was there"にも挑戦し、 その後この原書も購入した。 この本とはずいぶんと付き合いが長くなったものである。 主人公のアンナは、孤児である。 実の母親も祖母も亡くなってしまい、 プレンストン夫妻に育てられている。 アンナは「おばちゃん」が嫌いなわけではないが、 うまく愛情を表現できないタイプの女の子。 学校でも、できないわけではないのにやろうとさえしない 態度のことを注意されてばかりいる。 人とは距離をとっていたいがために、 「普通の顔」をしてやり過ごす。 心にある秘密は、「おばちゃん」が養育費をもらって 自分を育てていることをとっくに知っているのに、 それを自分に隠していることが許せないこと。 彼女を誘う友達は誰も居ない。 しばらくは学校を休み、転地のために訪れた海辺の村、ノーフォークで、 アンナはマーニーと出会う。 はじめての友達ができたアンナは、少しずつ変わっていくのだが・・・。 ある日マーニーは、無人のさびしい風車小屋にアンナを置き去りにして、 エドワードとともに先に去っていってしまう。 アンナはなかなかマーニーを許せなかった。 ところが、ある日、マーニーは屋敷から去ることになり、 ふたりはもう会えないことが分かる。 そのときアンナは風車小屋先に行ってしまったマーニーを 許してあげることができた。 そのあとアンナとマーニーは会うことができなかった。 だが、ここで許したということは非常に象徴的な 大きな出来事だったのである。 さて、ここでなぜこの許しが象徴的で大きな出来事だったのか 一気にオチまで持ち込みたいところなのだが、 答えを言えないがために、これ以上は語れない。 マーニーがアンナにとってどういう存在だったのかを知ったときは、 きっと私がここに書いた意味を分かってくださるだろうと思う。 時間は、その人がそのように認識しているときが「今」なのだ。 一期一会であるかもしれないから、 許しのタイミングは逃してはいけないのだとだけは言っておこう。

Posted byブクログ