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アウトサイダー・アート の商品レビュー

3.7

17件のお客様レビュー

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既成の「芸術」から外…

既成の「芸術」から外れたアウトサイダー・アート。図版も多くてよいです。

文庫OFF

2018/10/18

偶然書架で目にして。以前世田谷美術館で展示を見て以来興味のある世界。 アウトサイダーアートは決して「障害者が作る作品」と同義語ではないことは肝に銘じるべきだろう。美術教育の功罪についても考えさせられる。 P51 「私が作品を描くときには、一握りの専門家を喜ばせようなどとは思っ...

偶然書架で目にして。以前世田谷美術館で展示を見て以来興味のある世界。 アウトサイダーアートは決して「障害者が作る作品」と同義語ではないことは肝に銘じるべきだろう。美術教育の功罪についても考えさせられる。 P51 「私が作品を描くときには、一握りの専門家を喜ばせようなどとは思っていません。それよりは、仕事を終えて通りを歩いている人を楽しませることができれば」デュビュッフェ P55 アウトサイダーアートは、社会の内部にいる者が、そのシステムに安住しないこと、確立された制度に疑問を持つことの大切さを教えてくれる(中略)私たち一人ひとりが茶金(はてなの茶碗)の心を養うことで、アウトサイダーアートの世界は豊かに広がる。

Posted byブクログ

2016/08/20

「アウトサイダーアート入門」と比較すると衝撃は少なめ。淡々とアウトサイダーアートについて俯瞰的な視点で語られている。表現欲求に突き動かされて描かれた絵はたしかに胸を打つ。一方、アカデミックな場所で絵を学んだ人の職工的な絵画も素晴らしいとも思う。しかしアウトサイダーアートがプリミテ...

「アウトサイダーアート入門」と比較すると衝撃は少なめ。淡々とアウトサイダーアートについて俯瞰的な視点で語られている。表現欲求に突き動かされて描かれた絵はたしかに胸を打つ。一方、アカデミックな場所で絵を学んだ人の職工的な絵画も素晴らしいとも思う。しかしアウトサイダーアートがプリミティブな欲求によって描かれた作品である限り、鑑賞する我々は衝撃を受け続けるのだろう。

Posted byブクログ

2016/07/13

ヘンリー・ダーガーから興味を持ち、 単純にアウトサイダーアートと呼び習わしていたが、 倫理や教育の問題が微妙に絡み合ってくるということを知った。 アール・ブリュット、エイブル・アートという呼び方も。 なにぶん創作者が自ら世の中に提出することが少ないので、誰かが「発掘」し...

ヘンリー・ダーガーから興味を持ち、 単純にアウトサイダーアートと呼び習わしていたが、 倫理や教育の問題が微妙に絡み合ってくるということを知った。 アール・ブリュット、エイブル・アートという呼び方も。 なにぶん創作者が自ら世の中に提出することが少ないので、誰かが「発掘」して提出しなければならない。 そのときにアウトサイダーという、ややもするとスキャンダラスな側面も含む言葉によって、強い印象を残すほうが、 完全に忘れ去られてしまうよりよい、と思う。

Posted byブクログ

2013/09/21

ルソー展の予習に。この薄さでここまで魅力的な情報を詰め込んだ本には久々に出会った気がします。美術が好きな方は誰でも一読の価値ありと思います。惜しむらくは紙幅の関係上仕方ないとはいえ、20世紀頭くらいの西欧と日本以外の話題がないこと、あと図版が小さいために作品の様子がよくわからない...

ルソー展の予習に。この薄さでここまで魅力的な情報を詰め込んだ本には久々に出会った気がします。美術が好きな方は誰でも一読の価値ありと思います。惜しむらくは紙幅の関係上仕方ないとはいえ、20世紀頭くらいの西欧と日本以外の話題がないこと、あと図版が小さいために作品の様子がよくわからないことです。とはいえアウトサイダー・アートというこの曖昧なジャンルをこよなく愛する筆者の熱は十分に伝わります。特に日本の美術教育の問題への言及には共感してしまいます。また昔から裸の大将が放送されるたび???となっていた身としては、この本の記述は納得いくものでした。 ローザンヌにあるというデュビュッフェのコレクション(美術館、ではない)、見てみたくなります。

Posted byブクログ

2013/04/25

この本ではアウトサイダーアートの起源から、日本での歴史などがわかりやすく説明されている。アウトサイダーアートという特異な視点。芸術とは何なのか?本質を問いかけてくる。結局芸術は、優劣がつけがたく、その人の感性によるものであり、有名になる作品は会うべき人に会えたかどうか、なのではな...

この本ではアウトサイダーアートの起源から、日本での歴史などがわかりやすく説明されている。アウトサイダーアートという特異な視点。芸術とは何なのか?本質を問いかけてくる。結局芸術は、優劣がつけがたく、その人の感性によるものであり、有名になる作品は会うべき人に会えたかどうか、なのではないか。 とはいっても完全に自由なわけではなく、何かの基準にそって色眼鏡でしか見れないのだろうけど。しかし、少しでも、当たり前の現実というものに風穴を空けるのが、現代のアウトサイダーアートの立つ位置。 目利きのある人によるプロデュースが重要な鍵を持つ。その作品そのものにとって。

Posted byブクログ

2012/09/30

アウトサイダー・アートとは、アートの枠組みにとらわれないアートという不可思議な概念です。本書は、そんなアウトサイダー・アートをとおしてアートの本質を解き明かしてくれます。

Posted byブクログ

2012/09/02

アウトサイダー・アートの定義と、成り立ち。 日本でのアウトサイダー・アート。 歴史的な流れもわかってよい本でした。 図書館で借りたけど、買おうかな。 アウトサイダーアートの定義は、「精神病患者、知的障害者など、正規の美術教育を受けていない製作者によるアート作品」 20世紀初頭...

アウトサイダー・アートの定義と、成り立ち。 日本でのアウトサイダー・アート。 歴史的な流れもわかってよい本でした。 図書館で借りたけど、買おうかな。 アウトサイダーアートの定義は、「精神病患者、知的障害者など、正規の美術教育を受けていない製作者によるアート作品」 20世紀初頭にパウル・クレー、マックス・エルンストなどのシュールレアリズムのアーティストに支持され、彼らに影響を与えてきた。戦後、フランスの画家デュビュッフェが作品を収集し、「アールブリュット(生の芸術)」と呼んだことから価値が広まる。 アウトサイダー・アート、ボーダレスアート、アールブリュットと呼び方が違ったのが分かった。 ちなみに、エイブルアートともいわれるんですが、それは福祉の領域からの呼び方であることもわかった。 アウトサイダー・アートに出会ったのは、5年前?滋賀県の近江八幡のアールブリュットの展示を行う美術館、NOMAを訪ねたことから。以来大好き。 心動かす芸術は、アーティストの違和感、美しいと思うものに出会って、それを表現せずにはいられないという衝動が原点にあると思っていて、その製作者が障碍者かどうかは関係ないと思っている。それがたまたま障害者であったということ。 だから、アウトサイダー・アートと、くくってしまうことに意味はあるんだろか?と思う。くくることで、支援という意味が生まれ、 支援のためのアートになってしまうのも好きではない。 たまたま支援につながったというくらいでよい。 そのあたりのジレンマについても書かれていた。 福祉、教育という視点から見るのと、芸術の領域から評価、世に出していくのとは違って、全く別次元で扱われるべきなのかと思う。

Posted byブクログ

2012/08/05

アウトサイダー・アート(アール・ブリュット)の現状、そのたどってきた歴史(欧米と日本)、主なアウトサイダー・アーティストとその作品解説など。 アウトサイダー・アートとは何かを厳密に定義しようとすると、かなり難しいし、条件をすべてクリアする人/作品はものすごく少ないのではないかと...

アウトサイダー・アート(アール・ブリュット)の現状、そのたどってきた歴史(欧米と日本)、主なアウトサイダー・アーティストとその作品解説など。 アウトサイダー・アートとは何かを厳密に定義しようとすると、かなり難しいし、条件をすべてクリアする人/作品はものすごく少ないのではないかという気もしますが、それでも「こういう作品がアウトサイダー・アート」という範疇は何となく存在するわけです。日本では「知的障害者の作品」という印象を持たれがちだそうですが、歴史的経緯を考えるとそういう誤解があるのも仕方ない面があるかもしれません。 ここで紹介されたアウトサイダー・アーティストの中で印象に残ったのは、ラファエル・ロネ、ロール・ピジョン、坂上チユキ。

Posted byブクログ

2012/03/09

何ものの影響も受けず、心の赴くままに創造することは、多くの芸術家が志すところでもあるでしょう。が、何ものからも影響を受けないで、しかも精神の衝動を純粋に表現するというのは、至難の業であると想像がつきます。 しかし、アウトサイダーなアーチストたちは、いともたやすく(?)それをやって...

何ものの影響も受けず、心の赴くままに創造することは、多くの芸術家が志すところでもあるでしょう。が、何ものからも影響を受けないで、しかも精神の衝動を純粋に表現するというのは、至難の業であると想像がつきます。 しかし、アウトサイダーなアーチストたちは、いともたやすく(?)それをやってのけています。それは彼らが、正規の美術教育を受けていないから、あるいは心のありようが一般的ではないからという理由だけでは、説明がつかないような気がします。 彼らは、自らの作品を世に出したり、他人から称賛されたいがために創造するわけではありません。それどころか、自分が生み出したものを、作品とさえ思っていないのです。では、なぜ彼らは描いたり、作ったりするのでしょう?それは人間が人間であることの証し、命の根源に関わるものなのかもしれませんネ。

Posted byブクログ