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歴史とは何か の商品レビュー

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108件のお客様レビュー

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2022/01/12

大学の時にも講義でよく取り上げられる、歴史学の界隈では有名な本。歴史とは何かということについて改めて考えさせられる部分が多くて勉強になる。たまに訳がストンと落ちてこない所もあり、理解に苦しむ部分も、、。

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2021/12/31

歴史=過去の事実(と思われしもの)の蓄積で、史料に裏付けられた客観的なもの・個人の解釈から独立したもの、と思っていたけど、真逆だったのか〜と納得した。 同業者に対する切れ味鋭い皮肉に笑ってしまう、、

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2021/10/06

読書会課題本。内容は素晴らしい。歴史哲学の基礎として知っておくべきトピックに溢れている。しかし、翻訳がいけない。直訳調でこなれてない日本語で読みにくい。しかも翻訳者による注釈が一切ない不誠実さも問題だ。半世紀前はそれで良かったのかもしれないが、現代の初学者には本書はお薦めできない...

読書会課題本。内容は素晴らしい。歴史哲学の基礎として知っておくべきトピックに溢れている。しかし、翻訳がいけない。直訳調でこなれてない日本語で読みにくい。しかも翻訳者による注釈が一切ない不誠実さも問題だ。半世紀前はそれで良かったのかもしれないが、現代の初学者には本書はお薦めできない。新訳が望まれる。

Posted byブクログ

2021/03/05

歴史認識を記載している内容となっております。少し翻訳的にわかりづらいところがありますが一体歴史とはどう捉えるべきなのかということを哲学的に考察することができます。歴史を考えるにあたっては勉強にはなりますが難解な書物でもあります。歴史と言うものは見る人によって捉え方、考え方が違い、...

歴史認識を記載している内容となっております。少し翻訳的にわかりづらいところがありますが一体歴史とはどう捉えるべきなのかということを哲学的に考察することができます。歴史を考えるにあたっては勉強にはなりますが難解な書物でもあります。歴史と言うものは見る人によって捉え方、考え方が違い、歴史を考える方のフィルターを通して、歴史がどうであったかの解釈は変わってきます。その歴史とは過去のものであり現在の価値観から過去を見る見方、また過去があったからこそ現在の今があると言う見方、様々な価値観、捉え方の解釈がありますが、この本は哲学的な考察を持って歴史を考える本であり勉強にはなりますが、少し論理的迷路に陥る感じはします。一読の価値はあると思います。

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2021/01/02

歴史は、過去の経験を糧にしながら未来をよりよく照らすための学問である、とぼんやり思っていた私の考えを大きく変えてくれた。 歴史は単に事実の集積ではない。歴史における解釈はいつでも価値判断と結びついている。過去とは、現在の光に照らして初めて私たちに理解ができる。歴史は直線的ではなく...

歴史は、過去の経験を糧にしながら未来をよりよく照らすための学問である、とぼんやり思っていた私の考えを大きく変えてくれた。 歴史は単に事実の集積ではない。歴史における解釈はいつでも価値判断と結びついている。過去とは、現在の光に照らして初めて私たちに理解ができる。歴史は直線的ではなく、逸脱や後退、明瞭な逆転を伴い、後退の後に行われる前進も同じ点から、同じ方向で始められることは考えられない。 これらの考察は50年も前に披歴されたものであるが、現在の世相を鑑みても、全く色あせていない。

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2024/05/18

初めて手に取ったのは、大学生時代(1990年代)での最初の概論でのテキストにて、 確か、1961年のカー氏の、ケンブリッジ大学での講演録を基調にしていて、 日本での初版が1962年ですから、訳語としての言い回しはやや古めで、 正直とっつきにくい部分もありますが、内容としてはよく...

初めて手に取ったのは、大学生時代(1990年代)での最初の概論でのテキストにて、 確か、1961年のカー氏の、ケンブリッジ大学での講演録を基調にしていて、 日本での初版が1962年ですから、訳語としての言い回しはやや古めで、 正直とっつきにくい部分もありますが、内容としてはよくまとまっているかと。  - 歴史家の機能は、(中略)現在を理解する鍵として過去を征服し理解すること その上で、、  - 歴史とは歴史家と事実との間の相互作用の不断の過程であり、   現在と過去との間の尽きることを知らぬ対話 との点は、私にとって非常に肚落ちのする内容で、今でも(2020年代)、 各種の物事に対しての考え方とか、立ち位置への基礎になっていると思います。 自分なりに解釈すると、歴史とは、一つの「事実」と、その「事実」に対する解析や、 議論の積み重ねの結果としての、様々な「真実」の集合体、であって、 その事実とは人の行為の積み重ねで、真実とはその行為への、 「真の動機(原因)」に直結するもので、多様性が前提となる、くらいでしょうか。 そういった意味では、とある寄稿のなかで塩野七生さんが述べられていた、、  - 歴史とは学ぶだけの対象ではない。知識を得るだけならば、歴史をあつかった書物を読めば済みます。   そうではなくて歴史には、現代社会で直面する諸問題に判断を下す指針があるのです。 なんてことも思い出しながら、、「知識」を集約しただけでは生きていく上ではさして役に立たない、 「生きた学問」として活用していくためには、今現在への「社会的有用性」の模索も必要、なんて風にも。 そしてこれは何も「歴史学」に限った話ではなく、 科学するを前提とする学問すべてに求められていくのかな、とも思います。 そう思うと「歴史的な事実(事象)を今の価値観で裁断する」のには懐疑的で、  - 今日、カール大帝やナポレオンの罪を糾弾したら、   誰かがどんな利益を受けるというのでしょうか との感覚も非常に納得できます、、法治でいう「法の不遡及」とも通じるかと、、 日本であれば織田信長による比叡山焼き討ちとかが、一例になりますかね。 (個人的には、信長時代の価値観でいえば、焼き討ちも妥当、と思っています)。 なんてことを、ここ最近のANTIFA(アンティファ)なる無政府主義のテロ集団が、 銅像破壊、言論統制などで過去の歴史を“無かったこと”にしようとしてるな、と見ながら、 これは「人の営みとしての歴史に対する冒とくであり、挑戦である」と、怒りを禁じえません。 たびたびに、歴史学とは私にとっての基礎学問だなと、 そんなことを思い出させてくれる一冊です。

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2020/04/15

描かれた当時に、イギリスの歴史家がこのような歴史観を持っていたことは驚異的である。現在のイギリスの状況を見ると、彼の危惧は少なからず当たっており、その慧眼に驚かされる。 一方、少し日本人(少なくとも僕)には馴染みのないイギリスの歴史的事件、歴史家が多く登場し、少しフワフワしてし...

描かれた当時に、イギリスの歴史家がこのような歴史観を持っていたことは驚異的である。現在のイギリスの状況を見ると、彼の危惧は少なからず当たっており、その慧眼に驚かされる。 一方、少し日本人(少なくとも僕)には馴染みのないイギリスの歴史的事件、歴史家が多く登場し、少しフワフワしてしまったのと、今読むとまあそうだよね、って感じのことが多いので、新しい知見を得ようというよりは、考え方、そしてその慧眼に驚く本に、いま読むとならざるを得ないかな、と思う。

Posted byブクログ

2020/01/29

歴史関連の書籍を読むことが多い自分にとって、改めて歴史とは何かを考えるべく購入。 本書は欧米で歴史を学ぶ者にとって必読書と言われているほどの名著であることからいつか読んでみたいと思っていた。 また、巷には特定の人物や歴史的トピックを扱った書籍が多いが、歴史を単なる“点”の事実で理...

歴史関連の書籍を読むことが多い自分にとって、改めて歴史とは何かを考えるべく購入。 本書は欧米で歴史を学ぶ者にとって必読書と言われているほどの名著であることからいつか読んでみたいと思っていた。 また、巷には特定の人物や歴史的トピックを扱った書籍が多いが、歴史を単なる“点”の事実で理解することよりも、その根底に流れる歴史哲学的アプローチで歴史を眺めてみることによって、視野が広がるかもしれないという期待感もあった。 筆者のE.H.カーは純粋な歴史学者ではなく、元々イギリス外務省で勤務していた実務家であるが、そうであるが故に「現代を理解するために歴史をみる」という姿勢が終始一貫している。 そんな著者が本書の中で「歴史は、現在と過去との対話である。」と繰り返し述べている。 少なくとも日本の学校教育において歴史を学ぶことは、教科書に書かれている「過去に事実であったであろう事柄」を時系列に覚えていくことであり、その事柄についての因果関係などを考えたり議論したりすることは皆無である。 自分も例外なく社会科の教師が板書する事項をひたすらノートに書き写した経験しかなく、大学受験においてさえ暗記の域を出ることはなかった。 しかも日本の歴史教育の現場では、多くの場合において縄文時代から明治期の20世紀初頭までに多くの時間を割き、現代を知る上で大事な大正期以降の現代史には時間的制約のためにほとんどが割愛されてしまうという現実があり、日本で歴史を学ぶことと現代を知ることとの間には大きな断絶があると言わざるを得ない。 これに対し、著者は実務家らしく「歴史というものは現在の目を通して、現在の問題に照らして過去を見るところに成り立つものである。」という見解を示す。 そのためには現在の問題の因果関係を探らなくてはならないが、まさに事実であるとされていることの原因を探求し、様々な原因と思われる事柄の相関関係をも考慮することこそが歴史を理解することだと述べる。 このアプローチは斬新かつ日本国内の歴史に対する認識や歴史教育を考え直させるきっかけとなり得るのではないだろうか。 また、興味深かったのは3章において「歴史は科学である」と述べている点である。 大学の教養課程においては、歴史は人文科学分野とされてはいるが、純粋に歴史は科学であると認識している者はほとんどいないというのが実情であろう。 しかしながら、歴史を「事実・事象の因果関係に対し、様々な観点から仮説を設定して検証し一般化していく」というアプローチで考えていくならば、自然科学で行われているアプローチと何ら変わりないというのが筆者の主張するところである。 自分も含め、とかく科学というと行き着く先は何らかの「法則」を導き出すことだと考えがちであるが、筆者も述べているように、それは古典科学の世界観であり、現代科学においては法則を導き出すことはゴールではない。 そう考えると、歴史というものは動かぬ事実が過去から連なっているだけの静的なものでなく、時代や歴史家の解釈などによってダイナミックに変動する動的なものなのだと気付く。 昨今、近隣諸国との歴史認識問題がメディアを騒がせているが、事実だけに着目するから諸外国と摩擦が生じるのだと改めて感じる。 歴史的事実は唯一絶対なものではなく、各国・各時代の歴史家の解釈によって異なるということを前提とした上で相互協調的に因果関係を探っていき、そうすることで新たな歴史認識が生まれ、それが結果的に社会的進歩に繋がるのではないだろうか。 そのような歴史観を得られるだけでも、本書は一読に値すると考える。 出版が約半世紀前なためか、訳者の清水幾太郎氏の表現が少々文語的で若干現代人には読み難いのではという想いから評価点を4とさせていただいたが、大学時代に読んでおけば良かったと思えた一冊であった。

Posted byブクログ

2019/06/27

極端に傾かない、穏当な、中庸な結論を紡ぎ続ける。これが教養であり、健全な懐疑主義であろう。 とりわけ偉人と歴史の関係、科学なかんずく物理学と歴史学のアナロジー、善悪の判断についても歴史的という議論は興味深い。

Posted byブクログ

2019/05/03

原書名:WHAT IS HISTORY?(Carr,E.H.) 歴史家と事実◆社会と個人◆歴史と科学と道徳◆歴史における因果関係◆進歩としての歴史◆広がる地平線 著者:E・H・カー(1892-1982、イギリス)[ケンブリッジ大学]歴史学者・政治学者・外交官 訳者:清水幾多郎...

原書名:WHAT IS HISTORY?(Carr,E.H.) 歴史家と事実◆社会と個人◆歴史と科学と道徳◆歴史における因果関係◆進歩としての歴史◆広がる地平線 著者:E・H・カー(1892-1982、イギリス)[ケンブリッジ大学]歴史学者・政治学者・外交官 訳者:清水幾多郎(1907-1988)〈社会学〉[東京大学文学部]

Posted byブクログ