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なぜ国語を学ぶのか の商品レビュー

3.9

12件のお客様レビュー

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2024/02/29

日本語を話すことが出来るのに、なぜ国語を学ばなければならないのか。確かに考えた事がある。答えは一つではないかもしれないが、著者の考えに触れることができ、個人的には納得出来た。 文章は対話形式ですすみ、難しそうな内容もかなりかみ砕いて書かれている。 ぜひ中高生に読んでもらいたい本だ...

日本語を話すことが出来るのに、なぜ国語を学ばなければならないのか。確かに考えた事がある。答えは一つではないかもしれないが、著者の考えに触れることができ、個人的には納得出来た。 文章は対話形式ですすみ、難しそうな内容もかなりかみ砕いて書かれている。 ぜひ中高生に読んでもらいたい本だが、タイトルからして中々読みにくいだろうなw

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2022/09/29

〇新書で「学校生活」を読む⑫ 村上慎一『なぜ国語を学ぶのか』(岩波ジュニア新書、2018) ・分 野:「学校生活」×「国語科」 ・目 次:  はじめに  第1章 なぜ現代国語を学ぶのか  第2章 日本語と外国語を比較する  第3章 古典(古文・漢文)を学ぼう  第4章 文章...

〇新書で「学校生活」を読む⑫ 村上慎一『なぜ国語を学ぶのか』(岩波ジュニア新書、2018) ・分 野:「学校生活」×「国語科」 ・目 次:  はじめに  第1章 なぜ現代国語を学ぶのか  第2章 日本語と外国語を比較する  第3章 古典(古文・漢文)を学ぼう  第4章 文章を書こう  おわりに ・総 評  本書は、学校の授業で「国語」を学ぶ意義について考えた本です。著者は高校教諭として長年、国語を教えてきた人物で、本書の内容もその経験に基づいたものになっています。  他の科目と比べると、国語という科目は勉強しなければならない「理由」が、一見すると分かりにくいかも知れません。英語などの外国語と違い、普段、私たちは日本語を使ってコミュニケーションをしていますし、逆に現代では使われていない古典(古文・漢文)は一体何の役に立つのか――そうした生徒のソボクな疑問に応えたのが本書です。この本を読んで面白いなと思った点を、以下の3点にまとめます。 【POINT①】なぜ、学校で「小説」を学ぶのか?  著者は、小説を学ぶ意義は、小説という「つくりものの別の世界」で、登場人物が「(自分とは)別の人生を生きる」様子を学ぶことが「おもしろい体験」になることを挙げています。そうすることで、自分の生きている人生しか知らない人よりも、人生や人間の心の理解が進むはずだと指摘しています。ただ、問題を解く際に、自分の読み方(解釈)が“不正解”とされてしまうこともあります。もちろん、小説を読んで何を“感じる”かは人それぞれですが、一般的にどう感じる(読み解かれる)のかを知り、尊重することも大事で、そこから自分自身の感じ方と比べることで、学べるものも多いはずだと指摘しています。 【POINT②】なぜ、学校で「古典」(古文・漢文)を学ぶのか?  著者は、古典を読むことに「生活上のメリットはほとんどない」と言う一方で「人生ということを考える上では、大切になることがある」とも言っています。なぜなら、今の私たちが生きている世界の文化は、長い時間をかけて形成されてきたものであり、現在の自分の考え方や感じ方の由来を知るためには、古典を学ぶ必要があるからです。即ち、古典は「文化の履歴書」のような側面があり、例えば古文の場合では、自分の持っている言葉の世界と古文の言葉の世界では、どこが重なっていて、どこがずれているのか――といったことを考えることで、自分の世界観を修正・アップデートすることができると指摘しています。 【POINT③】文章を書くための「コツ」とは?  著者は、いい文章を書くには、まず「書けることを書く姿勢から、書かない方がいいことを捨て、書いた方がいいことを選ぶ姿勢」が必要だと言います。即ち、何を中心に「訴える」のかを決め、それが決まったら、何を「どういう順番で書くか」を決める(=その際に不要なものは書かない)というプロセスが重要になります。ただ、この前提として「使える語彙(ネタ)」を増やすことが大事で、そのためには、多くの文章を「読解」することが必要だと言います。読解をしっかりやれば、内容(ネタ)だけでなく、文章のスタイルや言い回しも頭に入り、それが自分の表現に生きてくるはずだと指摘しています。  本書を読むことで、国語が苦手な生徒にとっては「何をポイントに勉強すればいいのか」を整理することができると思いますし、逆に、国語が得意な生徒にとっては「自分の能力をどのように伸ばせるのか」という視点が得られると思います。また文章も、生徒と先生の会話調で進んでいくので、非常に読みやすくなっています(生徒が先生に「国語が分からない/やりたくない理由」をぶつけているのも面白いです)。国語が苦手な生徒も得意な生徒も、是非、手に取ってほしい一冊です。 (1396字)

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2020/04/05

p.30- 小説は自分の生きている世界とは別の世界を体験させること。 一つの人生しか生きられない人間が、別の人生を体験できる。 p.42- 詩 子供の頃、大切に思っていたこと、子供の頃の感情は、どこかに落としてきたような気がする。 とっても大切なことを忘れてしまったのかも。そう...

p.30- 小説は自分の生きている世界とは別の世界を体験させること。 一つの人生しか生きられない人間が、別の人生を体験できる。 p.42- 詩 子供の頃、大切に思っていたこと、子供の頃の感情は、どこかに落としてきたような気がする。 とっても大切なことを忘れてしまったのかも。そういう感覚。 頭でわかったり、日常的な感情のレベルで受け取ったりすることが難しい。 こころの奥にあるものを、いろいろな邪魔の入らない子供の方が、ストレートに表現できることがある。

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2019/10/15

これを読んでほしい人の顔が3、4人、思い浮かんだ。自分の思うところと合致したところがいくつもあったからだ。ええ本。

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2016/05/22

昨年まで自分の学校の教頭を務められておられ、校内で著書があると聞いたので買ってみた。 実際に授業は受けたことはないが、とても興味深く 本当の教養国語を知らされた。 自分が多くの本を読みたいと思える一つの理由となった。

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2015/01/17

本の題名にもなっている「なぜ国語を学ぶのか」については第1章に書かれているが、ここでは特に目新しいことご言われているわけでもないし、読みやすさを意識した会話形式の文章は冗長で逆にまわりくどい、とすら思っていた、、、 が、この本、途中から面白くなってくる。 たとえば遠藤周作の言...

本の題名にもなっている「なぜ国語を学ぶのか」については第1章に書かれているが、ここでは特に目新しいことご言われているわけでもないし、読みやすさを意識した会話形式の文章は冗長で逆にまわりくどい、とすら思っていた、、、 が、この本、途中から面白くなってくる。 たとえば遠藤周作の言葉が引用されているこの部分。 ◼️p.99 生活の勝利者とは、この世を楽しみながら生きるでしょうが、コルベ神父の生涯に生活上の楽しみなど一つも見出せない。が、彼は人生の深淵をのぞいた人であったに違いない。おそらく、彼は人生にのみ喜びを求めたのではないか。そして彼は生活のよろこびは放棄した。 なるほど、国語(特に古典)というのは「生活」というよりもむしろ「人生」を豊かにするための教科なのかもしれない 。妙に納得した。良い生活というのはいいものだが、それではなんだか味気ない。言葉によって世界観を広げ、磨くことで新たな視点を獲得することは、より良い「人生」へと繋がっていくものなのかも。でもこんなこと、高校生の頃の自分に分かったかな?とも思うけど。 うーん、それにしても自分の場合、なんだか逆に「人生」の部分の方がが大きくなってる気がするな。。。肥大化というのだろうか。それがどうもいいことにも思えないんだけど、まぁそういう個人的なことも追い追い考えていくことにしよう。

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2013/01/27

「なぜ国語を学ぶのか」 生徒との対話形式で書かれた一冊。 日本語を問題なく話せているのになぜわざわざ授業で国語を学ぶのか 古文や漢文を勉強することに何の意味があるのか 国語嫌いの子どもが口にするような疑問に先生が丁寧に答えています。 これはこの先生のお考えですが...

「なぜ国語を学ぶのか」 生徒との対話形式で書かれた一冊。 日本語を問題なく話せているのになぜわざわざ授業で国語を学ぶのか 古文や漢文を勉強することに何の意味があるのか 国語嫌いの子どもが口にするような疑問に先生が丁寧に答えています。 これはこの先生のお考えですが、私も一国語教師として、じぶんなりに答えを見出していかなければならないなと考えました。 余談ですが、生徒の質問内容と理解力がハイレベルだなあと思ったら、この先生あの有名な岡崎高校の先生だったんですね。 ここまでハイレベルではなくても、生徒と国語を学ぶ意義を一緒に考えていけたらいいなと思いました。 私は国語が好きだったからなぜ国語を学ぶのかという疑問は持たなかったけれど、苦手な数学では何度も感じた疑問だな。 大きく考えると、学校で学ぶ各教科の意義につながるんだなと思いました。 苦手な子どもでも、学ぶ意義を感じることができたら、「必要がない」と感じることはなくなると思います。 と言っても実際の学校ではこういう話をする余裕なんてなかなかないとは思うんですけどね。 これを読んで、先生方は自分なりの意義を見つけて子どもに伝えていってほしいです。 また、なんで学ばなきゃいけないの?と疑問を感じている、生徒にも読んでほしいですね。

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2012/12/19

 国語について考えていく場合、「内容」にこだわる立場をとる人と「形式」にこだわる立場を取る人とがいると思う。たとえば、国語の入試問題を解説するとしたら、どう解説するだろうか。丁寧に文章の内容を追い、そこに書かれている内容を理解させようとするのは前者であり、「逆接の後」なんかに注目...

 国語について考えていく場合、「内容」にこだわる立場をとる人と「形式」にこだわる立場を取る人とがいると思う。たとえば、国語の入試問題を解説するとしたら、どう解説するだろうか。丁寧に文章の内容を追い、そこに書かれている内容を理解させようとするのは前者であり、「逆接の後」なんかに注目をさせ、どんなところが重要かを示すのが後者であろう。いわば、前者は情緒的な立場であって、後者は合理的な立場なのである。もっとも、実際には「内容」「形式」の両面が必要なのは言うまでもなく、これはやや強引なたとえではあるのだが。  僕はどちらかと言えば、後者の立場に立つ。元々は「内容」を大切にしていたのだが、それが「道徳」とどう違うのか、と悩んだことが「転向」のきっかけである。また、「内容」を重視する意見のウサンクサさ、(国語教師特有の)口の巧さを感じるようになったのも理由である。曰く「古典は心を豊かにする」など。  実は、本書の筆者である村上先生は前者の立場に立つお方なのだ。その意味では、僕の嫌っているウサンクサさが本書にないわけではない。また、例に漏れず、村上先生は口が巧い!  しかし、そう思わせるのこそが村上先生の戦略だとも言える。というのも、なんと第4章にて、本書は「内容」と「形式」との統合を試みるのである。冒頭のような二項対立を設置する人間を嘲笑うかのように、その論は華麗に終着点へと帰結する。  とはいえ、その答えが明示されることはなく、あくまでも本書のスタンスは「考えさせる」ことにある。「お膳立ては終了しました、あとは(読者の)君たちが答えを出してね」というスタンスだ。きっと、本書に書かれていない村上先生の思考の中には、その答えがあるのだろうことが悔しくてしかたがない。 【目次】 はじめに 第1章 なぜ現代国語を学ぶのか 第2章 日本語と外国語を比較する 第3章 古典(古文・漢文)を学ぼう 第4章 文章を書こう おわりに 参考文献 (扉イラスト/五辻盈)

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2011/03/15

国語を学ぶ意義を対話式で語ってくれる。 その内容は評論、小説、古典などあらゆる分野をひとつひとつ取り上げてそれぞれの学ぶ意義について考えることができる。 これを読めば、国語が好きになるだけではなく、読書への意識も変わり、国語嫌いな子供も説得できるかもしれない

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2010/07/20

生徒の質問に先生が答える対談形式の本で、評論、小説、詩、古文などを引用しながら国語を学ぶ理由が語られています。 そして、文章の書き方も。 何を書くかを決めて情報を取捨択一し、良い作品で語彙を増やし、説明の中心と順序を決める。 これは文章だけではなく、会話でもそうだと思います。 先...

生徒の質問に先生が答える対談形式の本で、評論、小説、詩、古文などを引用しながら国語を学ぶ理由が語られています。 そして、文章の書き方も。 何を書くかを決めて情報を取捨択一し、良い作品で語彙を増やし、説明の中心と順序を決める。 これは文章だけではなく、会話でもそうだと思います。 先人の経験を知り自身の糧とすること、そして自分の心を伝える方法の凝縮されたものが、すなわち国語なのだと思いました。

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